11/41
グルゥヴ
皮膚がわたくしをつつみ皮膚を感じる
皮膚の外にしにがみの吐息それと闇
皮膚のうちがわにながれている川
いりひ色のにくのまんなかには
どくどくささやく装置がある
わたくしは自殺をしない為
その装置がとまることは
いまんとこないけれど
だけれど夜とひかり
通りすぎてゆく度
夢の藻が絡む様
ねむくなる度
失速する様
錆びつく
回転盤
翳る
光
翳り
感覚器
果てゆく
浮びゆく儘
沈んでゆく唯
かさなりゆく儘
はがされてゆく唯
川のみぎわには布団
それからほの闇に白飯
涙しながら頬張りねむる
グルゥヴがいつか限界迎え
皮膚感覚はわやになりくさり
採火されない装置になるだろう
皮膚全体はおおみずになるだろう
わたくしはこのように話すあいだも
皮膚そのものであり皮膚が墓標だろう