〜舌打ち〜
ああいやだ。やめろやめろ。
僕は眼の前でイチャイチャしているカップルを見てそう心の中でつぶやいた。
正直、別にイチャイチャするなというわけじゃない。羨ましくもある。憧れる。
でも、さすがに、目の前でされるのはイラついてくる。
....あと、ここ、駅のホームなんですけど...。公共機関なんですけど。君らの家じゃないんですけど。
「ゆ〜く〜ん、わたし〜、疲れてきちゃった〜」
「ほんと?じゃあ、ウチ来る?」
「いいのぉ?じゃあぁ〜いく〜♡」
「み〜たんの好きなものいっぱい買って帰ろっかぁ?」
「ほんとぉ〜?ありがとぉ〜、みらい〜、ゆ〜くんのことだいすき〜♡」
「え〜?知ってる♡」
「「チッ」」
舌打ちが重なった。横を見てみると、疲れた様子のスーツを着た女性が立っていた。
目が合い、少々気まずくなった後、愛想笑いをして、ゆっくり前を向きなおした。
しばらくして、(知能指数の低そうな)カップルがゆ〜くんとやらの家に行くのか駅を出て行った後にまた横を見ると、また、スーツの女性と目があった。
「ありえないですよね〜ww」
「ですねー、周りの迷惑考えろ、って思いますww」
「わたし、いつもなら心を無にしてやり過ごすんですけど、残業帰りで思わずww」
「いつから見られてました?」
「明らかに疲れてないだろうにつかれたとか言ってるとこからですね。」
「あのカップル、十分前の電車に乗り遅れて、それからずっとあそこで頭空っぽの会話してましたよww」
「そんなに長い間見せられてたんですか?ww」
女性との会話(愚痴)は弾みに弾み、お互いに連絡先を交換しました。
それが今の彼女との出会いです。
いや〜、あんな猿以下の知能のゴミどもでも役に立つんですねww




