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オリキャラのキャキャキャ2  作者: 御餅屋ハコ
オリキャラのキャキャキャ2 第五章
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第五章 08 休憩


08 休憩


 植物園のちょうど中央辺りに、食堂と休憩所が並んでいた。食堂にはそれなりに人が入っていたが、三人は弁当を持参しているので食堂には入らず、外の休憩所に座った。そこはあずまやのように屋根と柱だけの建物になっており、その下にベンチが並んでいた。気温は暖かく、晴れているのでそこで弁当を広げるのも心地よい。混雑はしていないので周りの人間に気兼ねも要らない。

「これ、多分レスタなんだろうね」

 ユージナが自分のはさみパンを見ながら言う。パンとベーコンの間にある野菜はレタスに似ており、それは先ほど見たレスタという野菜だと思われた。

「あいのに入ってるのは多分キャツベだよね」

「私のはマトマのソースにみじん切りのニオニンが入ってます」

 三人は自分のはさみパンを見せ合った。

「この辺は、島の外からもたらされた植物コーナーに植えられとったよね」

「うん。で、これはモンレの果汁なのかな?」

 リユルが弁当と一緒に買った瓶詰めの果汁を眺める。コルクらしき物で蓋をされたそれは、売り場に『柑橘の果汁』と書かれた札と共に並べられていた。

「オレンジ色……いえ、この世界ではジオレン色と言うのでしょうか……よりは黄色に近いですよね。味もレモンに近いですし、多分これがモンレなんでしょうね」

 ヴァルルシャも自分の買った果汁を飲みながら推測する。

「そういや、モンレやジオレンは中央の区画、島でも島の外でも生える植物コーナーに植えられとったけど、中央も南も、作物として植えられとる植物って感じだったよね。その差はどこなんだろう」

「差って?」

「昨日うちらが食べた夕飯にも、マトマやニオニンみたいに南の区画に植えられとったやつと、ナッシュやレホーン草みたいに中央に植えられとったやつと、両方入っとったでしょ? 今、この島の食事に普通にそれらが出てくるってことは、多分この島の農地でどっちも作っとるってことだよね。どっちももうこの島で人工的に栽培しとるなら、分けて展示する必要があるんかなって」

「言われてみれば……。『島の外からもたらされた』って言っても、いつもたらされたんだろ? 船で定期的に行き来してるんだもんね。昔は船が出てなかったってこと? それで、島の人は島に自生する植物だけを食べてたってことなの?」

「……島に住む人間が『長息人』として島の外の人間と異なる人種になっているわけですから、大昔はルフエ島は交通手段が無くて孤立した空間だったのかもしれませんね。いわゆるガラパゴス諸島のような。今でこそ魔法で簡単に船を進められますが、自然の風が頼りだと頻繁に船は出せないでしょうし。

 ……確か、『大昔、精霊と人間は契約した』みたいな設定を作りましたよね?」

 ヴァルルシャが言い、ユージナとリユルもうなずいた。

『大昔、精霊と人間は契約した。

 精霊は、世界を構成するエネルギー。

 人間は、それを意のままに操ろうとした。

 精霊も、自分たちの力が世界に満ちるのは喜ばしいと、人間との契約に応じた。

 しかし精霊は言った。

 お前たち人間に自由に使われてやる代わりに、同じだけの災厄を人間にもたらすぞと。

 そうして数々の魔物が生まれた。』

「そうそう、こんなん考えとったよね!」

「うん、世界で語られてる伝説みたいなやつ!」

「ということは、ルフエ島と船で定期的に行き来できるようになったのは、精霊と人間が契約してからということでしょうか。大昔……具体的にいつかはわかりませんけど、それ以前はルフエ島は孤立した空間で、そこに住む人々は島に自生する植物を作物化して食べていたということでしょうか」

「あれ? でも、島が孤立してても人間は住んでたの?」

「あっ、でもほら、日本だって島国だし、日本人だって大昔にはどこかから渡ってきたんだよ。縄文人ぐらいの昔の人らがどこから日本に来たかってのは、大陸から渡ってきたとか南から海を渡ってきたとか諸説あってはっきりせんけど。ルフエ島も、大昔に自然の風を使ってフルーエ湖にこぎ出した人らがおって、その人らが祖先になったんじゃない?」

「なるほど、新天地を求めて旅に出る人間がいてもおかしくないですからね。そういう人たちが船に小麦やエンドウ豆、いやドーエン豆を乗せていて、ルフエ島にたどり着いて耕作を始めたから、それらの植物は『大昔からルフエ島にある植物』という扱いになり、『島の内外で共通して生える植物』に分類されたのかもしれませんね」

「そっか。それに鳥とかが種を運ぶこともあるから、島と島の外でおんなじ植物も生えてるだろうしね。中央に展示されてたのはそういう植物だったのかも」

「日本人の主食の米だって、弥生人が持ち込んだって言われとるしね。ルフエ島で言う小麦が日本における米で、ジャンガ芋とかは、新しい時代に入ってきた……たとえば日本におけるブロッコリーとかそのぐらいの立ち位置なのかもしれんね。だで、展示場所が違うのかもしれん」

 そういう会話をしながら、三人の食事は進んでいった。

 弁当を空にし、しばらく休憩した後、そろそろ北の区画に行ってみようと、三人は立ち上がった。

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