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無名の異人  作者: ALFRED
12/18

誤解

待たせたな!

ん?待ってない?ならば失せろ!



…嘘です読んでください。

夜勤中に書いたので後で改投します。

12話 誤解


「グガアアアアア!」


獣の咆哮が鳴り響いた。


『え?』


それを聴いて頭の中の怒りが一瞬で消えて無くなっていた。

そして思い出した、何で僕がここにいるのか、何で怒ってたのか、何をすべきだったのか。


「グガア!ガア!」


顔を声のする方向へ向けるとそこには森で苦しんでいた友達、弟の熊さんが僕が掛けた背広をくわえて二本足で立っていた。


『あ、あ…』


何でここにいるの?何でここが分かったの?体は大丈夫なの?

聞きたいことはあるけどその時の僕の行動は単純だった。


『ぐ~ば~だ~んん~!!』


ズドドドドド!


「グガッ!?」


取り合えず抱き付いてナデナデしたい!

嬉し過ぎて意心が上手く出来てないけどそんなの気にしない!だって弟の熊さんが元気になったんだもん!

なのに…


「グオ!」


弟の熊さんは思いっきり横に跳んで僕を避けた。何で!?

弟の熊さんに飛び付いた僕は体重を支えようと両手を着こうとしたけど上手く手が動かなくてそのまま顔から仰け反りながら泥の上を滑っていく。

あまりに仰け反り過ぎて止まる頃には頭の横に両足があった。


『熊さんひどいよ!ってあれ?うわ!なにこれ!』


起き上がろうとしても腕が動かないことにようやく気付いた。

それに肩から白くて気持ちの悪いドロドロしたものが繋がってて何かウネウネしてる。


『うわぁ!弟の熊さん!これ取ってお願い!』


僕は何とか立ち上がって弟の熊さんに駆け寄る。


ズドドドドド!


「っ!?グオオ!」


そしたらまた弟の熊さんが逃げた。


『待って!何で逃げるの!?』


「『待つのはお主じゃ!下僕!』」


走ってたら隣から意心で話し掛けられ、振り返ると白いお姉さんが居た。

ただその人は目が8つあって背中から蜘蛛の脚みたいなのを生やしてそれで僕と同じ速さで走ってた。


『うわぁあ!オバケだぁ!』


僕はさらに加速した。

ズドドドドド!


「グガアアア!?」


「『なっ!お主が言うか!…ではなく!さっき会ったであろう!?あっそうじゃ、ほれ!これで分かるじゃろ!』」


そう言いながら蜘蛛のお姉さんは赤く光ってる目を取った。

8つある目は作り物で顔は普通のお姉さんだった。

僕は少し時間が安心して走る速さを落とす。


『なぁんだビックリしたぁ…じゃあ背中の蜘蛛みたいな脚も作り物なんだね?』


「勿論じゃとも!『これは自前じゃ』…『ハッ!』」


蜘蛛のお姉さんが言ってた通り意心は嘘を付けないみたい。

口で言ってる事と意心で伝わってくる事が違う。

お姉さんは両手で口を押さえて

しまった!って顔してるのが証拠。


『うわぁあああ!やっぱりオバケなんだぁ!』


「『まっ、待つのじゃ!話せば分か…ん?お主?』」


なんで!どうして!僕はオバケさんに追い掛けられてるの!僕はただ弟の熊さんが大変な事になってて…あっ!


『熊のお兄さん!弟の熊さんこっち来て!』


そうだった!熊のお兄さんも倒れてたんだった!

僕は反転して熊のお兄さんの所へ駆け寄って熊のお兄さんの隣にしゃがんで叫んだ。

熊のお兄さんは変わらず浅い呼吸を繰り返して倒れたままだった。


『熊のお兄さん!熊のお兄さん!』


「はぁ、はぁ…てんたくっ!忙しい奴じゃなお主は!…まぁ安心せいそやつは気を失っとるだけじゃ、直に目覚める。ほれ、熊の弟が良い証拠じゃ」


少し息を切らせながら蜘蛛のお姉さんが遠くの方から走ってくる弟の熊さんを指差しながら近付いてくる。

僕を安心させるためなのか、蜘蛛のお姉さんは背中から生えてた蜘蛛の脚はいつの間にか無くなっており今は唯の女の人に見えた。

…でも僕は安心出来ない。


そこで自分の腕の白いウネウネをを思い出す。

さっきは蜘蛛のお姉さんが怖くて忘れてたけどウネウネは僕の両肩の前側から生えてて蛸さんの足みたいな形をしてる。

それに落ち着いてみたらちゃんと僕の思うと通りに動く。

本当の自分の腕は動かないけど。

弟の熊さんが隣に来るのを待って僕は言った。


『そこで止まって蜘蛛のお姉さん、そこで熊のお兄さんの治しかを教えて!…あっ!意心でね!?』


プルプルと震えているけどウネウネは何とか動いて両側に広がってくれた。

…でもこれなんだろ?僕の腕は治るのかな?


「『あぁ分かった分かった。これで良いな?…はぁ、先にも言った通り森爪(クロウサイン)、お主の言う熊のお兄さんは無事じゃ。死ぬような事はない、あれらの矢に塗ってたのは毒は毒じゃが麻痺毒という。ほれ、お主が湖で魚を捕ったとき指先が痺れたじゃろ?あのような痺れが体全体に広がり身動きがとれなくなるのじゃ。どうだ?これで嘘を言っていないと信じたか?』」


うぅん…意心で嘘付いてないし本当の事かもしれない。

あっ!でも意心は嘘を付けないって言ったのこの人だし、それも嘘?うーん?どうすれば良いのか分からない…あっ!


『お薬!お薬は無いの?』


「『残念じゃが持っとらん。街に行けばあるじゃろうがこの騒ぎだと売ってはくれんと思うぞ?』」


『何で!あるなら取りに行こう!』


「『待て待て!待つのじゃ!今行けば流石に只ではすまんぞ!』」


僕は立ち上がるけど蜘蛛のお姉さんは回り込んで両手の平を向けて僕を止めようとする。


『ヤダ!熊のお兄さん苦しそうなんだもん!』


「『じゃから無理じゃ!良いか?あの見えてる高い壁には守護の魔法が掛けられておる、数十年街を魔物から守り続けた堅牢堅固の壁じゃ。それに中には数多の衛兵、冒険者達、おまけに大型バリスタや化け物もおる』」


『……じゃあどうすれば良いのっ?』


よく分からないけど何だか壁の中に入るのは無理なのかな?

蜘蛛のお姉さんは化け物がいるって言ってたけど…蜘蛛のお姉さんがそうなんじゃないの?


「『おい…まぁ良い、人を向かわせるお主はここで待て。…パール頼みたいんじゃが?』」


「…トレット大丈夫?」


「お前はお袋か?、まぁ俺は大丈夫だ。ここは俺とリオザに任せろ」


「うん。行ってくる」


『え?うわ!』


誰も居ない所から声が聞こえたと思ったらいきなり白い鎧の人が次の瞬間に出てきて誰かの足音が街に向かって離れていった。


『え?え??な、何?』


「『今仲間に薬を取りに行かせた。あぁそれとこの白い鎧の男も妾の仲間じゃ…お前にも分かる言葉じゃと友達に近い。』」


『ふ、ふーん』


いつの間にか知らない人が近くにいてビックリしたけど大丈夫なのかな?何か大きな剣みたいなのを持っててずっとこっちを見てるから落ち着かない。

熊のお兄さんと弟の熊さんに目を向けると熊のお兄さんは横になったままで、弟の熊さんはその隣で僕の背広をお兄さんにかけてた。

そこでふと弟の熊さんと目が合うと「ガウ!」と一鳴きしてちょこんとお座りした。

蜘蛛のお姉さんが言ったことは本当か分からないけど弟の熊さんが落ち着いてるから熊のお兄さんは大丈夫なのかな?


「『トレット、もう氷牙刃(アイスサーベル)をしまっても平気じゃぞ?』」


「リオザお前は油断し過ぎだ、お前も感じたんだろ?こいつは危険だと。」


鎧の人は僕から目を話さずに蜘蛛のお姉さんに…何だか緊張したような声で話してる。

ふーん、トレットさんとリオザさんって名前なんだ。

でも僕って何でこんなに怖がられてるんだろ?体が大きいからかな?それとも僕何かしたのかな?


「『うむ、じゃがトレットそれは武器や魔法と同じ、要は扱い方じゃ。なぁに小さい子供のようなものじゃ容易じゃよ…それにお主には聞こえんじゃろうが…我が下僕はお主が考えているような事は考えてはおらんぞ?』」


「…そういや主従契約したんだよな?こいつは何を考えてる?」


あれ?


「『ふーん、トレットさんとリオザさんって名前なんだ。でも僕って何でこんなに怖がられてるんだろ?体が大きいからかな?それとも僕何かしたのかな?

とか、蜘蛛のお姉さんは化け物がいるって言ってたけど…蜘蛛のお姉さんがそうなんじゃないの?とか思っておるぞ?』」


『えぇー!僕の考えてること分かるの!』


「『えぇー!僕の考えてること分かるの!とも思っておる。…フッフッフッ、その通りじゃ下僕よ妾にはお主の考えている事は手に取るように分かるぞ?』」


ニヤリと蜘蛛のお姉さんは嗤いながら言う。

うぅ…考えてることが知らないうちに相手に伝わるって考えたら何だか恥ずかしいよ…でも、別に悪いことしてないから気にしなくても良いのかな?


「…どの道ヤバくなったらちゃんと教えてくれよ?力があるガキに手を焼く事もあるからな…で?お前はこれからこいつをどうするんだ?このまま帰すわけにもいかねぇだろ?」


「『それはそうじゃが…その前にトレット、お主に頼みがある。』」


「ん?ん?な、何だよ?」


リオザさんはトレットさんに近づいて頭を包んでる、え~と、ヘル…ムゥ?ヘルメットだ!

それを両手で撫でるみたいに触ってる。

そして


「『おりゃ!』」


「うわ!何すんだ!」


「『おおい!下僕!お主はこやつを知っておるだろ?』」


ガボッそんな音と共にリオザさんはトレットさんのヘルメットを外した。

見えたトレットさんの素顔を僕は見たことがあった。


『ああ!!あの時の人だ!』


そう僕が初めて目を覚ました時に湖で女の子達を守ってた男人だった。

と言うことはあの子もここに居るのかな?聞いてみようかな?

あっでもその前に…


『……よし!出来た!ねぇこっちに来て』


「な、何だあいつ?手招きしてるのか?」


「『お?…フフッ、トレット行ってやれ?』」


「は?いやいや無理だ押すな!あいつ何をする気だよ!?」


「『肝の小さい奴じゃのう、おい少し下がってやれ』」


『トレットさん怖いの?はーい!』


言われて僕は3歩後ろに下がる。

トレットさんは僕を見ながら摺り足でズリズリとゆっくり近付いてくる。

そんなに僕怖いのかな?

リオザさんが地面に指をさしてそこをトレットさんがジーッと覗いている。

…あれ?僕間違えてないよね?あっ!


「……え」


「『ほれ、読んでみよ?』」


「…ごあんなちい?何だこれ?」


『それ違ーう!』


やっぱり間違えてたぁ!

僕は手を振って何とか地面の文字が違うって言うのを伝えようとした。

でもトレットさんは分からないみたいで頭を傾げてる。

リオザさんはこっちを見てニヤニヤしてる。て言うかリオザさんは僕の考えてることが分かるんでしょ!?

トレットさんにそれは間違いですって伝えてよ!


「『大事な所は自分で伝えよ』」


ああ!もういいもん!もっ一回書くから!!

え~と…良し!間違えてない!

トレットさんこっち来て!


「あ?またか?…ごめんなさい?」


良し!読んでもらえた!


「リオザ?こいつ何を言ってるんだ?」


え!ひどい!!一生懸命書いたのに!


「『あぁこやつは湖での事を謝っておるのだよ。お主らを助けるために、いな正確にはを助ける為に村人ごとお主らを吹き飛ばしてしまったからの。』」


そうそう!

パチパチパチ…

無意識のうちにウネウネで拍手を僕はしてた。


「『…さて、下僕よそろそろ妾とにも質問をさせてくれぬか?…お主のラミと名乗る精霊の事なのだが?』」


『お姉さんの事?いいよ!えっとね~お姉さんはね?……うっ?』


「『おい?!どうし!?!!』」


気が付いたら地面が顔の横にあった。あれ?何で?


「おい!リオザしっかりしろ!」


僕からじゃ見えないけどリオザさんにも何かあったみたい。

トレットさんの声が聞こえる。

ん?あれ?急に眠たくなってきた…

そう言えば眠たくなるの初めてだ。

視界が暗くなるなかで僕は見た。


強制終了(シャットダウン)


白く浮かんだこの文字を最後に意識は飛んでいってしまった。

ここまで読んでいただきありがとうございます‼

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