舐めてんじゃねぇよ。優秀だった僕がどのように堕落し、どのように今を過ごすのか。実話を元にした、失敗を経た今を示す小説。
自叙伝なんてものにしたらよかったのかもしれないけれど、これはこう書きたかったのです。
面白くないと思います。
でも、現代の大きな問題に関わった身としては、読んで欲しいのです。
~世の中には自分より優れた人が居る~
これは年頃の危ない中学生か、まだ抜けきっていない高校生の男にしか否定できないだろう。まぁ、中学生の時はきっと、誰だって何かあるものだ。
どれほど口で抗えども、成熟した心は中々どうして、この命題を否定できない。
それはそうだ。だって現実を知ってしまったのだもの。
どうやっても敵わない奴が居る。悔しくてもどうにもならない相手が居る。勿論、人の道を違えてしまえば一矢報いる事は可能だろう。でもできない。だから諦める。自分は自分なりに、と。
というのが、一人前の大人の最低条件かもしれない。
これが現代では普通のことだ。
私は普通と表現した。
同じ意では、一般、平凡、通例、まぁ、なんでもいいが。
そしてそれらには対義語がある。
特別。
つまりこの場合だと、自分より優れた人の存在を人の道に沿ったまま追い越すまでに至るということ。
皆様にはそのような経験があるだろうか?もしくはそのような話を知っているだろうか?
誰しも一つくらいは知っているだろうな。
諦めかけたその時!というのを良くテレビで聞くかも知れないが、その人生版である。
そんな話はこの世の中に多くあるだろう。
これもその一つに加えては貰えないだろうか。
第一幕 ライオンだった僕。
僕はライオンだった。そして他はシマウマだった。
大阪の小学校に通う僕は、自分をライオンだと、常に信じていた。疑う余地など無かった。
テストの点数でも、先生との仲の良さでも、ドッヂボールをするときだって。負けない。特に最後に関しては、あえて頭で受けて相手をバカにしてやれる程だった。
そんな僕には明るい未来しか待っていないと、そう確信していたのだ。だって負けないのだから。こんな頭もバカで、運動もダメで、どうしようもない、ただ強いライオンに怯えて抵抗もしてこない、いや、出来ない姿は、まるで牙も角も持たないシマウマのような奴らに負けるはずがない。
そう思っているのだ。確信しているのだ。
そんな僕に友達なんていらない。僕に合わせられるような奴なんていない。ずっとそう思っているさ。だって誰も反抗してこないし、誰も僕に意見しないし。
なにせライオンだからね。友達は必要ないよ。
そんな小学3年生だった。
そんな日々を過ごしていた時の夕方。、泰成というクラスメートが僕に話しかけてきた。
この出会いが、僕の今後を大きく変えたのかも知れない。