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雷霆の神使と白皮の魔人  作者: 堕罪 勝愚
1章 朱雀の紅炎
9/51

7+.番外編

 月宮片葉が学校に入学してから早1週間が経った土曜日の午前9時。会議室に3人の生徒会の人が集まっていた。


「では早速、捕獲された魔人デヴィルの管理体制についてを話し合いたいと思います。一般的に選択肢は3つ、留置か処分か勧誘か」


 生徒会長である金森鈴乃は進行し、議題を提示する。すると2人の男子生徒は頷き、賛同した。

 生徒会は学校内の風紀などを取り締まるだけでなく魔人デヴィルの生死の左右をしている。それは浅宮学園だけでなく他の学校でもそうだ。


「まず、俺からいいか?」


 副生徒会長、軽井沢かるいざわ大跳だいとは挙手をして資料のようなものを取り出す。


「これは学校新聞だ。先日、火消し部の粟島と二次覚醒の編入生、月宮が魔人デヴィルの取り合いで模擬戦を行ったと言う。一般的に見れば単純な駆け引きだが、俺の解釈だと、魔人デヴィルに対する“アピール”だろうと判断する。月宮と粟島は勧誘を狙っての行動だろうと俺は判断した。だから俺達も勧誘を視野に入れたほうがいいと考えている。以上」

 軽井沢が言い終わると、鈴乃は進行を再会した。


「ありがとう。軽井沢君。上津君は何かある?」


 上津かみつ祐樹ゆうきに話題を振ると彼は頷いて、携帯情報端末を取り出し、動画を再生する。流れた物は魔人デヴィルであるレーラが襲撃してきた時の防犯カメラの映像で、画質は荒い。それを見た鈴乃は冷たく溜息のごとく、「これ、散々目を通したわ」と言葉を発する。


「そうか。じゃあこれ」


 次に見せてきた動画は片葉の尋問を記録したもの。それは鈴乃と軽井沢にとって目新しいものだった。


「よく入手出来たわね、経盛君が厳重に隠し持っていたはずよ?」


「それを出汁にして、火消し部にお前を戻したかったんだろ?」


「退部すらもまともに扱ってくれないのね。しつこい男」


「経盛だけじゃなく、粟島も白銀もお前の再入部を望んでいるって」


 軽井沢は自分もだ。と言う本心を隠しながらも復帰の期待を向けた。

 鈴乃は目を細めて動画をまじまじと見つめ、苦笑いをする。


「片葉君って、エグい事するわよね。いきなり蹴るんだもの」


「そこではなく、魔人デヴィルに注目してくれ」


 動画を見ながら、彼女は疑問を問いかける。


「どうやって手に入れたの?」


 真面目な上津はその話を切りたいと思ったのだが、息を吐き出す用量で言葉する。


「ポイントで買った」


「よく此処に提供しようと思ったよね?」


「俺は尋問が苦手だからな。極端な話、教材が欲しかったんだよ」


 鈴乃のために用意した。真面目な上津は口が裂けてもそんな言葉を表に出さないだろう。


「これを見て、何かわかったの?」


「やはり気づかなかったか。お前はそういうところは鈍感だからな。口調を見てくれ。これをまとめた動画がこれだ」


 上津は画面を右にスワイプして次の動画を映す。そして再生をタップする。この動画は襲撃時と尋問時のレーラの言葉を1つ1つ順番に流したもの。


「尋問の初めは敵意を示しているが、後半、それが嘘みたいに失くなった。月宮の強引な対応だと、普通此処で敵意が恐怖に変わると思うんだ。まあ、あくまで俺がと言う考え方だが」


「確かにね。ちょっとわざとらしいね。なんていうか、片葉君ってさみしがりやのところがあるからそれを見事に漬け込んだ様に見える」


「そうなのか?全く気づかなかった」


「実を言うと遥から聞いたの。ごめん、関係ない話した」


 本当は話の続きを聞きたい上津だが、真面目な性格とプライドが邪魔をして、本題に戻った。


「かなり話が泳いだが、結論から言わせてもらう。今の段階で、尋問の知識と経験が少ない月宮が誘導されていると思う。だから此処は処分を視野に留置で話を進めてみたい」


「上津君。そこまでナーバスにならなくてもいいんじゃない?」


 以前、魔人デヴィルを人間側に引き入れた。その3週間後、神器を奪われ逃走された。その際、浅宮の生徒が1人殺されたという。


「いいや、警戒心は強めたほうがいい」


「警戒心を強めるのはいいことだけど、命を粗末にするのは良くないと思うわ」


「敵の命よりも自分達の身の安全を確保するべきだろ」


「そうだけど……」


 2人の口論を見て、軽井沢は面白そうな顔をして言葉する。


「金森、それから上津。これは俺達だけだと割れそうだから意見が合致しているあの4人を連れてこようぜ。あいつらだと俺達が見つけられない視点からものを見てくれそうだし」


 あの4人それを聞いた上津はかなり嫌そうな顔を見せた。


「あいつらの辞書に処分という言葉は存在しない」


「逆に、お前の意見が受け入れられない落ち度を見つけてくれるかもよ」


「――わかった」


 上津の了承の声を聞き、鈴乃はすぐに端末の通話を開き、連絡をする。


「もしもし。金森です」


『あ、はあ、もしもし』


 眠そうな声を出す少女が電話に出た様だ。


「今起きた?」


『はい。休日ですから』


 少女は眠くて機嫌が悪いのか言葉が冷たかった。


「沙弓ちゃん。今から学校に来られる?」


『生徒会ですか?であればバカどもを連れて行ったほうがいいですかね?』


「話が速くて助かるわ」


『バカどもってまとめましたけど、具体的に誰が必要ですか?林と高浜姉妹の連絡先は知りませんよ』


「火狩君と土屋君。あわよくば明流ちゃんをお願いしてもいいかしら?」


『火狩と土屋は了解しました。で、明流ですか?』


「何か不満?」


『前に携帯の方に連絡したはずなのに、お父さんが出てきたんですよ。あれ以来私から電話は控えているんです』


 鈴乃は沙弓の言葉を聞いてついつい笑ってしまった。


「そう。それは気の毒ね。なら、火狩君や土屋君に連絡網みたいな形で頼んでみて」


『あ、訊くのを忘れてた。何の要件ですか?』


魔人デヴィルのこれからについての話し合い」


 それを聞いた電話の向こうの沙弓は再び嫌そうな声で溜息を付き、「わかりました」と答える。




 呼ばれた2年生の4人は沙弓の家に集合と決め、連絡を取り合った。家と言っても寮なのでアパートと同じような作りで1DK。此処は寮で彼女は一人暮らしをしているのだ。


「おはようございます。沙弓さん」


 明流は連絡を受けてすぐに家に向かった為、他の人よりも早く着いたのだ。


「いらっしゃい、明流」


「おじゃましますね」


「早速だけど、魔人デヴィルについて聞きたいことがあるんだけど…」


魔人デヴィル。魔力を体内で操作し魔法と呼ばれる特殊な異能を用いて我々人を殺戮する生物」


 辞書で調べたかのように説明する明流に、沙弓は面倒くさそうに答える。


「違う。そうじゃなくて……。まあ説明していない私が悪かったけど。魔人デヴィルをどう思う?」


「どう思う。とは?」


「感情の問題かな?怖いとか憎いとか、そんな具合に」


「怖いことは怖いです。でも、憎いとか無いですね」


「そうだよね。未だ魔人デヴィルと戦っていないからわからよね」


 沙弓自信、魔人デヴィルへ深い興味を持っていた。


魔人デヴィルが魔法を使えている原因と、私達神使が神器を通して魔力を固形化できている原因ってわからないでしょ?」


「そうですね」


「私はそれを知りたい。研究して人間たちが魔法を使えるようにしたい。明流みたいにね」


「なるほど。私のは難しそうですが、環奈さんであれば量産出来そうですね」


 水鳥みずどり環奈かんな。彼女らの後輩で浅宮学園の中で近接最強の神威を扱う。ただし、接近戦のみ。


「そうだね。まずは肉体強化の魔法からかな」


「沙弓、入るぞ」


 男の声が彼女らのいる部屋に鳴り響く。


「創輝か。いいよ入って」


「お邪魔します」


 間抜け面で入ってきた火狩はまるで自分の家の様に寛ぎ初める。


「創輝。親しき仲にも礼儀ありって言葉、聞いたことあるだろ?」


 沙弓は足を伸ばす火狩に向けて冷たく言葉する。彼女は幼馴染である火狩と土屋に対しては男勝りな口調になってしまうのだ。


「すまん。駄目だったか。以後気をつけるよ」


「はいはい。以後気をつけな」


「で、沙弓、腹減った」


「以後気をつけてねといったろ?」


「え?これも駄目なのか?」


「当たり前だろ!」


 沙弓は呆れながら麦茶を冷蔵庫から出して3つのコップを用意し卓袱台に置く。


「え?飯は?」


「図々しい」


 火狩と沙弓の会話に明流は笑顔を見せた。


「幼馴染っていいですね」


「いいもんじゃないよ。男2人を私が面倒見る羽目になってるんだよ」


「面倒を見る……ですか?」


 明流は火狩をじっくり見つめる。すると彼は笑顔を向け返す。


「沙弓さん。大変ですね」


「え?そんなにひどい言い草は無いだろ?」


 明流の言葉に火狩は傷つく様子を見せた。


「あっはは。明流も言う時は言うのね」


「火狩さんの人間性は幼い頃から知っているつもりですので」


「あ、そっか」


 火狩の祖母と明流の祖父は兄妹で、彼らはハトコと言う立ち位置なのだ。


「親しき仲にも礼儀ありだろ」


「さっき覚えたばかりの言葉を乱用すんな。馬鹿だと思われんぞ?私は馬鹿だと思っているけど」


「馬鹿馬鹿言うなよ」


「火狩さんは馬鹿ではありませんよ。ただ考えが足らずに目先のことしか見えていないだけの人です」


 明流がフォローを加えるがそれ自体に火狩はショックを受けて顔を落とした。


「速く来てくれよ。克己」


 泣き言を嘆き、正座になる火狩に明流は不思議そうに見つめる。


「沙弓さん、私、何か言いました?」


「真綿で首を絞めた」


「よくわかりませんが、残酷な事をしたということですね」


「そうだね」


 土屋の到着が遅いと感じた沙弓は電話をつなげる。


「もしもし」


『はいはい。今向かってますよ沙弓先輩』


「おふざけは今入らないっての。で、今どこ?」


『コンビニ』


「なんで?」


『どうせ創輝、朝飯食ってないんだろ?』


「そういやさっき、腹減ったとか言ってた」


『だろ?』


「後3分以内に着て」


『ああ』


 電話を切り、端末をポケットにしまう。


「あいつの真面目で優しすぎる性格。私はあれにいつも振り回されてんだよ」


「3人が組めば最強ですよね。土屋さんが攻め、火狩さんが防御に徹し、沙弓さんが後方支援。戦いだけにかかわらず、日常生活でも陣形が作られていますね」


「いいや。日常生活では克己と創輝の立ち位置は真逆よ。寧ろ克己は戦闘になると馬鹿になって前に突っ込みだすからね」


「俺は馬鹿じゃない。単純に遠距離戦が出来ないだけだ」


 ノックなしでドアを開け、堂々と座る。


「ほい。火狩、カレー弁当だ」


「おっほ!サンキュー」


 火狩はそれを受け取り、即座に中を開け、手を合わせた後にスプーンで飯を掬い口に放り込む。


「火狩さんって、本当子供みたいですよね」


「な!」


 明流のオブラートに包んだ“つもり”の発言は火狩のメンタルを劈く。


「速い!どこのコンビニに居たんだ?」


 沙弓は土屋の首根っこを掴み、問う。


「顔が近い。このままキスする気か?俺は別に構わないが?」


「殺すぞ?」


 真顔でふざける土屋に沙弓は殺意を露わにして答える。


「冗談だよ。まあコンビニから出た瞬間にお前から電話がかかってきたんだ。10秒で着くのは必然だろう」


「まあ、納得はしてやろう。お前、偶に出るタイミングを窺う事があるからな」


 日常会話の延長戦を終えた彼らは、全員揃って沙弓の家を出て、学校に向った。




「上津先輩。馬鹿ですか?」


 悪びれもなく堂々と告げる土屋に、一同は目を丸くした。土屋は他人に配慮が出来て思ったことを考えなしに口にだすほど無粋な人間ではない。しかし、今は違った。

 現場は会議室で時間は10時を回った頃の出来事である。


「あ?今、なんて言った?」


 喧嘩腰に対応する上津。それを見た鈴乃は斡旋しようとする。


「その……土屋君、上津君、少し落ち着いて」


「鈴乃先輩。黙ってて下さい」


 怒りを燃やす両者を見て、鈴乃は身をすくめてしまう。


「俺のどこが馬鹿だって?」


魔人デヴィルの処分を決めようとしたところです」


「当たり前だ。危険視されているものを放置しておけない」


 お互いに静かでトーンの低い声で会話するが、怒っているというのは漠然と伝わってくる。


「危険視されているから殺すのは間違っている。殺さないために動くのが生徒会です。その役目をまるっきり放棄するつもりですか?」


「いいや、放棄ではなく最悪の状態を考えて動いている」


「尋問しているのは月宮です。あいつは起点が利いて咄嗟の判断ができるのでそこは最悪なんてことはありません。動画は勿論見ましたよね?」


「ああ、全部見させてもらった。だからといって最悪の状況の判断を怠るのは良くない」


「別に怠るとは言っていません。先ほどの無礼千万な言葉は先輩が処分を優先にしたことについての発言です」


「ああ。最悪を優先するのは普通だ。資料として用意した動画を見せたはずだろ。月宮は誘導されているんだ」


「だから何ですか?別に実害が出ているわけではない。それに、月宮は勧誘を考えているでしょう」


 土屋は肩から背負っている大剣のコアグリップを握り、睨みつける。


「では、決闘で話をつけようか。土屋!」


 上津は椅子の下に置いた銃身のコアグリップを持ち上げた。


「望むところです!」




 4階建てH型のビルに転送された2人はまず索敵を開始した。


 土屋の神器は近接型のソードを改良したもの。名称は【フロッティ】。魔力を錬るのが苦手な彼にとって、この武器は適材適所だ。

 上津は【量産型突撃銃】のバレルコアグリップと【ファイヤ】、【ショット】のプログラムを扱う。量産型の突撃銃は89式小銃のレプリカな為、先端にブレードを装着できる。近接戦、中距離戦をくまなく扱えるバランス兵装なのだ。


 3階の北廊下と中央階段の手前の間。その距離凡そ400メートル。真っ先に手を出したのは上津。銃口からファイヤのプログラムが織りなされた魔力の弾丸を散らし飛ばす。土屋は攻撃範囲を把握し、魔力を展開せずに距離を縮める。その間、右足と左頬に弾丸を掠めるが、動きを止めるほどの怪我では無かった為、土屋は問題なく接近できた。


 ソードは通常、忍刀の形状をしているのだが、土屋の場合は左右対称の大剣。刃先にしか金属は付いておらず、それ以外は空洞が出来ていて、軽量化されている。魔力を固形化させる時、シャボン玉の様に膜を作ったほうが出力が小さくて済むと言った利点がある。


 土屋は剣を持った手を上に上げ左脚を踏み込む。開いた身体に合わせて剣は流れ、右の足の先を滑空した。上津は左方に転がり、間合いを取り、ショットとファイヤのプログラムバレット、【ラビット】を撃ちだす。


 ラビット。通称、三散弾。三方向に弾丸が飛び交う弾丸で近接用の装備だ。非常に扱いやすく、浅宮の生徒の殆どが量産型突撃銃でラビットを使用する。


 土屋は左足を下げると同時に大剣を振り上げる。すると土屋を狙う弾丸を撃ち落とし、後は横に反れて流れ、防御が成立する。

 この形成のままだと圧倒的に上津が有利。しかし、白い光がゆっくりと線を描き、土屋と上津を繋ぐ。


 刹那…


 肉塊が飛んだと思いきや、上津の身体は転送装置の中に収納された。

 あとに続くように土屋もテレポートする。




「おつかれ克己。至近距離でグレネードを撃ちだすなんて命知らずもいいところだな」


 沙弓は転送室に行き、感想を述べる。彼女は自分の端末でビルの様子を見ていたのだ。

 今回直撃したのは、土屋が偶然死角からホーミングを繰り上げのだ。


「俺の活躍のおかげで月宮が心置きなく、あの魔人デヴィルに感情移入が出来るぞ」


「あんたそんな人間だったっけ?」


「勘違いするな。月宮に恩を売って生徒会に入ってもらうんだよ」


「ツンデレ」


「男のツンデレに需要はないよ」


 土屋の言葉で沙弓は高笑いをする。それを見た土屋は笑顔を見せた。


「全く。参ったよ」


 上津は右手で腹を抑えながら現れた。


「上津先輩。勧誘を優先に考えてください」


「わかった。決闘で負けたからな」


 軽井沢は転送部屋の扉を勢い良く開け、上津達に近づく。


「大変だ!月宮が学校に来た!」


 上津は小声で「別に大変じゃないだろ」と呟く。

 土屋は立ち上がり、軽井沢に近づく。


「軽井沢先輩。サブリミナル効果って知ってますか?」


「あ?」


「月宮の通ると考えられている通路に向けて一瞬だけ、『魔人勧誘』という文字見せるんです。まずは正門の液晶パネルの隣に置いたデジタルサイネージに映し出して下さい」


「わかった!」


 軽井沢は安々と請け合い、情報室に行き文字を移した。




 土屋と沙弓、それから上津は会議室に戻る。


「土屋さん。ちょっといいですか?」


 明流は会議室に戻った土屋に早速声を掛ける。それを見た沙弓は不満そうな態度を見せる。


「なんだ?さっきの勝負の解説か?」


「ちょっと来て下さい」


 明流は廊下に出て土屋を誘導する。


「ん?」


「ありがとうございます。片葉さんのために」


「なんでお前がお礼の言葉を言うのか理解に苦しむが、俺は月宮に恩を売りたかったんだよ」


「そうですよね。それ以外の理由としては、沙弓さんにかっこいいところを見せたかったんですよね?」


 土屋は目を見開き、明流を見つめる。


「お前。どのタイミングで気づいた?」


「高校の入学式の時からです」


「条件は何ですか?」


 明流の不吉な笑顔で土屋は敬語になる。


「別にいいですよ。条件なんて」


 余計に笑顔になる彼女。土屋は周りを確認して頭を抱える。


「もう……やめてくれ」


「ふふふ」


             ――7+.番外編 完――

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