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雷霆の神使と白皮の魔人  作者: 堕罪 勝愚
1章 朱雀の紅炎
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13.復縁

 沙弓が見せてくる端末の資料はどうやら去年行われた、秋の神使選抜試合というものの動画らしい。その資料である動画はどうやら1回戦の物。対戦相手は驚いたことに明流だった。


「これ、明流の資料としては見ないほうがいいよ。今じゃ接近戦は完璧だし」


「なんか、合理性に掛ける気がするな。狙撃手と剣豪が同じ土俵で戦えるわけ無いだろ」


 神使学校のカリキュラム制は最近出来たもの。今までも何度が改変はされているのだが、未だ穴はあるという。これもその穴なのではと俺は感じている。


「確かに、それらを差しで戦わせるのは変だね。でも、上の人達は接近されても対応できる様にという思いを込めてやってんのかな?」


「狙撃手は接近させないのがベスト何だけどね」


 輪音の神器はブレードのコアグリップ。一般的な量産神器は直刀なのに対し、彼女のブレードには反りがある太刀。

 動きは鋭く、攻撃が当たるギリギリでターンやステップで回避。両腕で刀を持ち、攻撃しているが、両手に持っている状態でチャージしている。接近したら強力なショットのバレットを撃ち放っている。


「参考にならないや」


「あんたの神器がそもそも片手ずつでチャージバレット打てるでしょ?」


「ワンランクスペックが高いのか」


「さすが【雷霆】だね」


 別に電撃を放っているわけではない。


「雷霆って名前、誰が付けたの?バレットの跳ね返り用から付けられたのかもしれないけど、なんで雷霆?」


「多分神器整備科の人達だと思う」


「雷霆……ケラウノス……。魚止森さんか!?」


「彼女ならやりかねない。目的はタイトル回収かな?」


「メタい!」


 彼女は銃身のバラバラになったパーツを取り付けた。


「出来た。私専用の銃。名前…どうしよう?」


「じゃあ、ドラゲノフで」


「それ本物だから!」


 さっきのメタ発言の仕返しをしたわけで本気で言ったわけではない。


「ドラゲノフだめ?自身あったんだけどね」


「AK‐47を改造してスナイパーライフルにしたのがドラゲノフだらか!」


「まー冗談はそれくらいにして……」


 俺は端末を開き、彼女の名前の漢字の意味を調べたり、英語を見たりして考えた。


「んー。沙弓、ローマ神話とギリシャ神話。どっちがいい?」


「片葉に任せるか」


「じゃ、ユースティティアで」


「決まり」


 俺が名前を言った瞬間。彼女は何一つ追求せずに話しを終わらせた。


「明日、特訓しようぜ?」


 彼女は新しいおもちゃで遊びたいのか親指を立ててきた。


「乗った」


 俺も親指を立てることにした。




 明流のウェポンはスナイパーとファイア。神器はバレルコアグリップでM24SWSというスナイパーライフル。通称量産型狙撃銃。射程距離は800メートル程なのだが、彼女の場合、ファイアと混ぜて連射するため、性格率は低く、600メートルへと落ちている。

 彼女の最高の強みは、神威【朱雀】。発生させた炎を羽や尻尾のような形にして操る。ネットの情報では操作は自由自在と記載されていたのだが、やはり彼女も人間で、手足羽尻尾と複数の器官を同時に動かせるほど万能ではない。その為、神威の操作をしている間は彼女は止まり、指すら動かせなくなるほど集中する。

 一度、彼女と模擬戦をしたことがあったが、その時は本気で戦ってくれなかった様子。俺は手に指ぬきグローブ、首にアーマー、膝にパットと【ケラノウス】をフル装備する。


「片葉さん。私が勝ったら、ちゃんと謝って下さい」


 転送質で俺と明流は互いの損得にならない交渉をしていた。


「俺が勝ったらちゃんと謝らせてほしい」


 俺の発言で互いに損をしないものになった。つまり、得はないということ。だったら下手に自分に得するような言葉は発さないのが重要なところ。もしも金銭が関わっている交渉であっても、優先すべき営利は“金”よりも“信頼”なのだ。


「なんで……ずるいです」


「ああ。俺はずるい。勿論、俺が勝ったら色々追求することを許可するよ」


「わかりました。では、私が勝ったときの条件を変えます」


 彼女は背筋を少し伸ばし、息を吸い、肩を落として息を吐き出した。


「私と……付き合って下さい」


「いいよ」


 俺は“安請け合い”をしてCTのようなベッドで横になった。


「その、態度、嫌いです!」


 彼女も隣で同じようにした。


「(嫌いだったら付き合ってくれって条件を提示しなければいいのに)」


 4階建てのH型ビルの転送ポイントを3階中央廊下に設定した。




 転送された瞬間、熱気が背後から立ち込めて、俺は音を立てずに振り返る。紅い炎が俟っていて、その後ろには明流の背中が見えた。

 約5メートル。この距離で真夏程度の温度なら直に触れても3秒は耐え凌げる。つまり、気づかれないように接近してから彼女を“殺す”までのリミットが5秒以内ということだ。

 俺は跳び出し、シールドで紅炎を防ぎ、背中に胸を当てる。そのまま右手を脇の下から潜らせ、長銃を握った彼女の手を上に放り投げる。そのまま右手で明流の口を抑え、耳に息を吹きかけると紅炎は消え、彼女は脱力した。すぐに背負投をされ、俺の背部は床に叩きつけられる。

 明流は左掌を向け、そこからは紅い波紋が層も浮かび上がる。俺は倒れた状態で左手をかち上げ、彼女の掌にある魔力を掻き消した。その状態のまま彼女を引っ張り、身体を浮かせ、左脚で足払いをする。彼女は銃を持った右腕の肘を地面に強打して顔を歪ませる。

 仕留めるには絶好の機会であったが、彼女は背中から紅炎を生やし、右手の形を作り、俺に突き出してきたので飛び退いて回避する。紅炎の右手は背中を軸に動き回り、壁や天井を壊して暴れまわる。俺は逃げに徹し、瓦礫やコンクリート片から身を守った。

 そして左右を確認するのだが、紅い和服を着た黄緑の髪の少女はいなかった。


「逃げたか……」


 聞いた話に寄ると、明流は朱雀を使うと少なからず疲労感を持つらしい。恐らく、今回は結構放出した為疲れているだろう。さっきの格闘で仕留められると思ったのだが、中々に往生際が悪くしぶとい。俺はグローブに魔力を溜めるように流動する。そのまま走り出した途端、外界を見渡せる窓の下壁を劈き、紅い光が跳んできた。俺は反射神経を活かしてシールドを貼るが、貫通して俺の左の鎖骨より下の肉に当たり、肩甲骨を砕いて反対側から光線は出てきた。

 木材が叩き割れるような音。その音はいつ聞いても背筋が凍る程に恐ろしい。これは父親が俺に与えてくれた“保身”の心得。


 早い話、俺は計算を見誤った。今、彼女は恐らく2階西廊下にいるだろう。壁に残る弾痕はきれいに穴を掘っていて、それを物語っている。

 彼女は戦域から離脱した際、中央階段を使って下階に降りた。ただ、段差を使わずに飛び降りたのだろう。そのまま廊下を駆け抜け、俺の位置を把握できるポジションまで移動し、息を切らしたまま銃を乱射したのだろう。


 まず、俺は左手でダガーを形成して窓ガラスに向って投げ飛ばす。ガラスは外に破片を撒き散らし、扉を模る。そのまま足を乗せ、斥力が込められたシールドを爪先に貼り、蹴り出した。そのまま地面に落下し、勢いを殺さずに前進する。

 明流は攻撃する際、殺気が漏れてしまうのですぐに攻撃が来ると判断出来る。だから俺は踏み出した右足を10時の方向にクロスさせて出し、腰を捻って身体を回転させて弾丸を横目に猛進した。


 こんなに速度を出しているのに、彼女は連射してこない。

 昨日、俺と沙弓は此処と似たフィールドを使い、狙撃の訓練をしたのだ。その際は、彼女が新しく作ったバレルコアグリップ【ユースティティア】のチャージを使って狙撃の対策をしたのだが、彼女の狙撃に比べて狙う部分が甘い。

 手加減しているのか、神威の燃費に関係しているのか、いや、何か狙いがあるのだろう。


 俺は利き足である右で地面を蹴り、2階の窓を蹴破り、侵入する。それを明流は待ち構えていて、紅炎を下部から叩き上げてきた。遠くからでも紅炎の光が見えるのが普通。しかし、今は目視出来なかった。ということは咄嗟に作った……いや、彼女は見えないように壁で隠していたのだ。

 俺は天井に掌を置いて飛び出す。反対側の壁に俺の左肩が当たる。結構な距離を稼げたのだが、右の肘から肩にかけてジャージが焦げていた。

 今はもう、肩甲骨が砕けていることはどうでもいい。俺は明流に突進する。彼女は神威に依る近接戦で決着をつける気なのだろう。

 彼女は朱雀の腕で掌打を撃ってくる。俺は左手を付き出し、紅炎と掌を重ね合わせ、リコシェ、ファイアのチャージバレットを撃ち放つ。紅炎はガラスの様にひびが入り、俺はシールドを貼って跳ね返ってくる弾丸を弾き返した。バウンドしていくうちに速度が増し、どんどん紅炎を侵食していき、明流の身体に到達した時には俺の右側から左フックの様に跳んできた。俺は右手を裏返し、バレットと一緒にはじき出した。さっきと同じように彼女の紅炎はガラスのように砕け、跳弾は彼女の肩に触れる。


「ぐっ!」


 彼女は片目を閉じて歯を食いしばり、銃口を俺に突き出してきた。彼女が引き鉄を引くのに躊躇してくれたお陰で俺は首を傾げて銃口を避け、前進した。彼女は身を引くが、俺はそれを許さない。そのまま前進して彼女の顎に額を突き立てた。

 彼女は思いっきり床に倒れる。意識は失っていないが、脳がグラングラン揺れて動けなくなっているはずだ。


「明流……」


「かた…ば…さん」


 彼女は左掌を俺に向けてきて、波紋を作り出して最後の力を振り絞って俺に撃ってきた。





「完敗です。片葉さん…」


 俺と明流は2年2組の教室に行き、結果を相談していた。


「追求していいということでしたので、訊かせていただきます。何故片葉さんは私を避けていたんですか?」


 謝る前に確信に触れられてしまい、俺はあたふたしてそれを必死に隠しながら語句を構築する。


「初めての感情だったんだ。どうしていいのか分からなくて……」


 人が困るような行動は避けて生きてきた。しかし、今回のように“悪いと思ってない行動”であからさまに嫌がられてしまい、腸が捩れるほど悩んだ。


「明流が俺を嫌ったんじゃないかって思ったら……近づけなくなって……」


 俯きながら話し、視線を明流に戻したら、滝のように涙を流す少女の顔が目に写った。


「え!?」


 その少女を見て、心臓が跳ね上がるように脈打った。


「よかった……。私、片葉さんに嫌われたのかと思いました」


 俺は胸に手を当てる。この鼓動は初めてで締め付けるように苦しい。痛みに疎い俺でもこの感覚を痛いと表現するくらいのものだ。苦しいけど、この感覚を疎ましく思えない。その苦痛が朗らかな気分を与えてくれて心地いい。


「はぁ」


 俺は溜まりに溜まった負の感情を一気に吐き出して笑顔を作る。


「君と話していると、スクラム入りの歯磨き粉で歯を磨いている気分だよ」


 俺は彼女の下瞼に人差し指の第二関節を当て、涙をすくい上げる。しかし、曇天で土砂降りだったその雨は留まることを知らない。俺は立ち上がり明流の後頭部に腕を回し抱きしめる。


「ごめんね、明流。俺、君のこと、なんにもわかっていなかった。自分のことも。――これから多分、たくさん君を困らせる。でも、そんな俺を許して欲しい。いや、許さなくてもいいや。嫌ってくれてもいい。ただ、これだけは忘れないで欲しい。俺は君を傷つけないために尽力している。君が傷ついたときは、はっきりと言ってくれ」


「今更ですよ。片葉さんのせいで私は結構傷ついています。模擬戦とか、今日みたいな賭博試合とかで」


 明流の息は温湿で暖かく、ジャージを揺らすため擽ったい。俺は締める力を強めて言った。


「ごめんね」








「月宮片葉!」


 期末テストが終わった次の日、木曜日は返却時間割。1時間目から6時間目までずっとハラハラしている。先生は俺の名前を呼び、テストの解答用紙を握って俺に差し出してきた。


「は、はい」


 と言うか、6時間目である今、もうすでに胃が口から出てきそうなくらいメンタルが崩壊している。


「片葉、数学何点?」


 沙弓は俺の受け取ったテストを横から覗いてきた。


「見たらわかると思う。俺の手数の低さ……」


 クラス平均点は板書されていて67.2点。そして俺の点数は21。確実に赤点コースである。


「あんた、馬鹿なんだね」


 はっきりとものを言われ、机にぐったりと倒れた。


「他のテストは?」


「全部平均点の半分以下」


 そう、月宮片葉は馬鹿なのだ。


「ねえ、赤点課題って出される?」


「んー、片葉の実技成績じゃないと思うよ」


 沙弓は俺に笑顔を向けてくれた。


「月宮」


 土屋はテストのプリントを折り畳んで鞄に入れて近づいてきた。


「今日の放課後、火消し部に来るよう経盛先輩から伝言が入った。恐らく、明日の朝礼の引き継ぎ式についてだろう」


 端末でメール画面を開き、俺に見せてくれる。


「明日の朝礼?」


「なんだ、聞いてないか。現火消し部の3人は明後日から前線に赴くんだ。一足早く学校を卒業する」


「あ、もうそんな時期か。学内トーナメント前にいなくなるんだな」


 俺はテストを三つ折りにしてスクールバッグの中に入れた。




 放課後、火消し部の部室に向かうべく廊下に出ると真希奈の姿が見える。


「こんにちは、片葉さん」


「今日はメイド服じゃないのな」


「今日もです!」


「で、どうした、こんなところで」


「経盛さんがあなたを連れてくるよう言ったので此処に着ました」


「土屋からもその報告は受けてたよ」


 それを聞いた真希奈は目を細めた。


「私、役立たずですね」


「いや、そんなことは無いよ。来てくれてありがと、真希奈」


 俺は彼女の乗せやすい位置にある頭に手を乗せて左右に振った。


「ちょ、片葉さん……また明流さんの怒りに触れますよ?」


「こんな簡単に怒る子じゃないから平気」


 後、浮気とかじゃないし。付き合ってないからね!


「じゃ、行こうか」


 俺は彼女の長い髪の毛を軽く透いてから1階にゆったりと降りてい行く。


 そして火消し部部室まで近づき、扉をノックする。


「どうぞ」


 女性の声がしたが遥のよりも高いもの。つまり彼女ではない。


「「失礼します」」


 俺と真希奈は扉を開くと緑色の学ランのような軍服、制帽を被った女性が生徒椅子に座り、端末を操作していた。肩にはアサルトライフルを掛けて、後頭部には編み込みをぐるぐる巻きにしたおだんご(シニヨン)を作っていた。


「えっと……」


「掛けていいよ」


 彼女は笑顔で気さくにソファーに4本指を向けた。


「失礼します」


 真希奈は堂々とソファーに座るので俺も隣に座らせて頂いた。


「どちらさまですか?」


「え?私?」


 俺はつい気になってしまい問う。前線に出る神使はこの服を来て赴いているので指導者か誰かと思うが、彼女は「そんなにこの格好変かな?」と眉をハの字にして笑顔を作る。


「白銀万里花だよ。と言ってもわからない?」


「え!?いや、変じゃないです!ごめんなさい。俺、以前見た時焦ってて先輩の外見全然覚えていませんでした。ホントすみません」


 ただでさえ人の顔と名前を一致させて覚えることが苦手な俺が何言ってんだろう。恥掻いた。


「そうだ。先に謝っとくね、ごめん。経盛の奴、あなた達を呼び出したくせに魔獣狩りに行っちゃったの。だから要件は私から伝えるね」


 彼女は応接用のソファーに腰を掛け、紙ペラを渡してきた。


「月宮君は浅宮の朝の集会初めてだよね?この学校の集会は大したことはやらないけど、一応覚えておいて」


「片葉でいいですよ」


「じゃあ、片葉。明日の朝礼についての説明ね。プログラムはそこに書いているわ」


1.校歌斉唱 2.理事長先生のお話 3.火消し部の卒業証書授与 4.火消し部の引き継ぎ式 5.特別サービスカリキュラムの説明


「質問はあるかしら」


 彼女は帽子を取り、右手で回し始める。


「魔獣ってなんですか?」


「そっちの質問か。検索すればでで来るワードだけど説明しとくね。魔獣っていうのは魔力に依って色素が抜けてアルビノになった個体だね。人を襲ったりするから危険視されているんだよね」


 簡潔にまとめた後、彼女は朝礼のスケジュールが書かれた紙を折った。


「欲しい?」


「要らないです」


「じゃあ捨てるね」


 と一連の会話をして、彼女は本題と言わんばかりに目に気合を入れ、帽子をかぶり直した。


「どうして遥が鈴乃にこだわってるか知ってる?」


「全く知りません」


 彼女の笑みには不思議と厭悪を覚えてしまう。


「知らないんでしょ。どうして片葉は鈴乃を火消し部に引き戻す手伝いをしているの?」


「遥が恩着せがましいから」


魔人デヴィルを懐柔した時?」


「はい」


「安直ね。もし、私が鈴乃を勧誘したい理由を教えるって言ったら、訊く?」


 これは試されているのだろうか?此処まで頭を使って返答を考える会話は初めてだ。俺は鈴乃先輩と2人きりになった時の事を思い出した、


「鈴乃先輩は過去に、トラウマになりかねない出来事と遭遇したんですよね?だったら俺は万里花先輩からは聞きません。向こうが話したいと思うまで俺は問い詰めません」


「片葉さん、これから嫌でも知る羽目になるんですよ」


 隣にいる真希奈は俺の耳に届く程度の小さな声で言う。


「この会話が問題だとしたら、君の解答は正解だ。もし君が訊くと答えても私ははぐらかして正解に導く助言のみを与えて幻滅していただろう」


 この言葉で彼女の本質が判った。俺が彼女に対し、厭忌していたのは俺と同じタイプの人間だったから。“主導権を握る”側の人間だからだ。今までペースを乱し、空気を味方にしていた俺が、圧倒されているのだ。


「先輩はかなり厭らしい人ですよね?」


「そうでもしないと長生きできないよ。この先いろんな苦難が待ち構えているからね。そういう片葉こそ、同系統なくせに」


「自分を戒飭するつもりでいいましたから」




                13.復縁 完

 前半部分の沙弓ちゃんが片葉君に向けて親指を立てる仕草ですが。これは以前、クラスメイトの女子がやっていたのを見てキュンときたので取り入れてみました!(その女子に好意を抱いているかと言われたら否ですが)

 最近、私、堕罪勝愚は女性の髪型や部屋着について勉強しております。女友達に聞いてみたり、女性誌を立ち読みしたりと努力しています。もし、神奈川県内で女性誌を立ち読みしている男子高校生が居たら、もしかしたら堕罪ですので声をおかけ下さい(笑)。快く挨拶を返すでしょう、多分。

 ご愛読ありがとうございます。

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