僕の後悔
初めまして海栗晃です。
初作品なので面白く書けているか分かりませんが、宜しくお願いします。
さよなら、の挨拶とともに下校のチャイムが鳴り響く。『今日も部活か?』と聞いた後には決まって『悪いな、また明日な』と言い、急いで教室を出て行ってしまう。『また今日も1人か…』
1人で帰るのにはもう慣れた、と思っていても、実際少し寂しい時もある。校門を出て右の坂を下り、橋を渡って左に曲がり、川沿いを歩いて行く。いつもと同じ帰り道をいつも通り1人で帰る。
春は桜が綺麗なこの道も、夏には蝉の鳴き声しか分からないくらい騒がしい。この道を通るのも今年で最後になる。時が経つのは早いのだと、改めて実感するとともに、将来への不安もあった。
交差点に差し掛かった時、重い荷物を1人で運ぶお婆さんがいた。柄じゃない、と思っていても、体が動いてしまう。
『いやー、助かったよ坊や。家すぐそこだから、もう1人で大丈夫だよ』
『ふぅ、こんな物一体何に使うんですか?』
『そりゃ秘密だよ、ひーっひっひっひ!』
『そうですか、僕はこれで帰りますから、気を付けてくださいよ』と言ってその場を去っていく。
『ひーっひっひっひ、困ったらまた坊やの助けを呼ぶよ』
あのお婆さんは何だったのか、と帰り道で考えていた。特にあの荷物だ。何に使うのか全く想像がつかない。
『全く何者だよ…』1人で呟くのだった。
お婆さんと離れてから少し経った今、今世紀最大の大ピンチが訪れた。
『道に迷った!!』
正確には道に迷った訳ではない。帰る道を忘れてしまったのだ。これのどこに違いがあるのかって?
『考えてみろよ、この道はお婆さんを送った時に通った道だ。その帰り道のとなれば迷うはずが無い! ましてや、通学路の途中! これは迷った訳ではなく、帰る道を忘てしまったに決まっている!』なんて言っている場合ではない。
これでは家に帰れなくなってしまう。それに、さっきから山道ばかりだ。妙に肌寒く、辺りは薄暗い。携帯電波も圏外だ。行きはこんな道を通らなかったはずだ。これは本当に道に迷ったかもしれない。
その時は帰れると思っていた。ただ道に迷っただけだと思っていた。
なぜそこで気付くことができなかったのか。
なぜそこで足を止めなかったのか。
なぜそこで…
この物語は僕が僕の後悔と向き合い、乗り越えるまでの物語だ。 1(完) 2へつづく…
どうでしたか? 読者の方を一瞬でも面白いと思ってくれたのであれば、私は満足です。
これから物語は急展開して行くでしょう。
まだ考えてないからわかんないけど笑
次回作も読んでくれたら嬉しいです。
ではまたどこかで!