第一話
出逢い
ある日、俺はいつもと同じ職員室に近い中庭のベンチに座り作詞をしていた。そしてふと見ると見慣れない制服を着た女子生徒が歩いている。
「誰だろ?ここの生徒では無いな…」
ぼ~っと見ているとその娘と目が合ってしまい急いで目線を逸らす。するとその娘は俺の近くに来ると声をかけて来た。
「なぁ、何してるん?」
「えっ?あっ、あぁ…作詞…かな?」
「ホンマに!!凄いやん!!見せて貰ってもえぇ?」
「え?これはダメだけど…これなら…」
と鞄から他の作詞ノートを取り出し渡す。ノートを受け取ったその娘は無言のまま読み始める。その娘が読んでいる途中、柔らかな風が吹き長く綺麗な髪が揺れる。それを見ながら「凄く可愛い娘だなぁ」と思って見ていると、その娘が読み終わる。
「めっちゃええやん!!」
「あっ…うん…ありがとう」
「ん?どないしたん?」
「凄くかわ…いや…キミはここの生徒では無いよね?」
「あっ!自己紹介まだやったな!私は…」
とその娘が言いかけた時、職員室の扉が開き
「キミ!手続きは終わったのか?もう終わったのなら、今日は帰りなさい」
と校長の声。その娘は無言で頷き、まるで風の様に俺の前から消えて行った。