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百魔の主  作者: 葵大和
第九幕 【魔王歌劇の幕が上がる】
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97話 「芸術都市の秘密道、怪物の鍵」

 結局のところ、メレアは一人部屋になった。


 部屋割りは男性陣と女性陣で別れている。

 アイズとシラディス。マリーザとエルマ、加えて双子。そして――シャウとサルマーン。


 とはいえ、部屋が分かれているといってもそう広い部屋ではない。なにより壁一枚を隔てた隣だ。

 部屋同士の距離もなく、千年亭がさほど大きな宿でないこともあり、対応しようと思えばすぐに対応できる。

 特に女性陣に関しては、ほとんど同室のようなもので、双子が二部屋の間を好き勝手に行き来することもあって、寝るとき以外はどちらかの部屋にいることが多くなりそうであった。


「メレア様、お一人で大丈夫ですか?」


 ふと、自分の部屋に入ろうとしたメレアを、マリーザが後ろから呼び止めた。

 メレアはマリーザの方を笑みで振り向きながら、


「リンドホルム霊山の英霊に寝込みを襲われる以上のことが起こらなければ、大丈夫さ」


 肩をすくめつつ答えて見せる。

 そんなメレアの答えに、マリーザは困ったような嘆息を返した。

 

「では、たいがいのことは大丈夫でございますね」


 マリーザとてメレアが一人でも問題ないことはわかっている。

 要人であることに変わりはない。

 だが、メレアに関しては、そもそも護衛をつけるだとかそういう次元にはいないのだ。

 基本的にメレアは、こういう場合に常に誰かを助ける側である。

 むしろ、護衛と称しつつも、守られているのは自分の方かもしれない。


「ハハ、こういうところぐらいは、メイドの気を安らげさせてやらないと。ほかの執務やらなにやらでさんざ気をまわさせているからね」


 メレアはマリーザに優しげな赤い瞳を向けながら言った。


「――わかりました。では、お言葉に甘えて。ですが、何かございましたら、すぐにおっしゃって下さいね」

「うん、いまさら遠慮なんてしないよ」


 マリーザの優雅な一礼に対し、そう言葉を返して、メレアは部屋の中へと足を踏み入れた。


 シックな雰囲気の、実に趣のある部屋が視界に映る。

 木の窓枠の向こうから差しこんでくる芸術都市の光が、またいっそう、メレアの情緒をかきたてた。


◆◆◆


「さて――」


 メレアは部屋の中に入って、まず最初に背負ってきた荷物をおいた。すぐには使わなそうな衣類などを、遠目に押しやっておく。

 一方で、すぐに使いそうな備品は、木目の綺麗な備え付けの机の足下におくことにした。

 そうしてさらに、その近場の荷物の中から、一枚の大きな羊皮紙を取り出す。


「あえて羊皮紙を使うあたりが、またなんとも芸術都市っぽいな……」


 眉尻を下げた苦笑を浮かべながら、メレアはその羊皮紙を机の上に広げた。


 それは、芸術都市ヴァージリアの地図だった。

 去り際にシャウから手渡されたものだ。

 いわく、芸術都市の内部で手に入れた『最新版の地図』であるらしい。大方(おおかた)ここへ来るまでの露店のどこかで買ったのだろう。


 街へ入る前にも、シャウはヴァージリアの地図を持っていた。

 それを馬車の中で開いて、軽い説明も受けている。

 だが、ひとたびヴァージリアに入都した途端、シャウはそれを捨てた。

 そうしていつの間にか手に入れていたもう一枚の地図を開き、自分は一瞥して、最後にメレアに手渡した。


『今年も街模様が少し変わっているので、こっちで覚えてください。こちらの地図はなかなか腕の良い内部の〈地図描き(マップ・ドロワー)〉が描いたものですから、さきに見せた地図よりも信用性が高いです。私はもう覚えました』


 そのときのシャウの言葉だ。

 メレアはそれを受け取ったとき、シャウの言葉の意味が気になって、軽く地図の中身を見やった。

 そうして、すぐにシャウが新しい地図を買って渡してきた意味を理解する。


 内容が、微妙に違っていた。


 さらに言えば、入り組んだ街模様にありがちな『裏道』やら『隠れ道』やらが、その地図には細かく描かれていた。前に見せてもらった地図にはまるで描かれていなかったものだ。

 シャウが『内部人』による地図を重視した意味がわかった。


「……中央通り、宿場通り、絵画通りに、歌劇通り――」


 机と同じくやたらと木目の整った木製の椅子にどっと座りこみながら、メレアは地図上に目を走らせる。

 椅子に座ったあとは、地図上を指でなぞりながら、そこに描かれた街路の名称を記憶するように声で再生していった。


「一応ある程度の区分けはなされているにしても、やっぱりかなり入り組んでるな……」


 多用な芸術を集積する芸術都市の街模様は、前評判どおりの相当な混雑具合を見せている。

 実際に都市に入ってみて、より強くそう思った。


「それに加えて、裏道と隠れ道か」


 それらは、黒のインクで描かれた普通の街路とは別に、さまざまな彩色インクで表記されていた。

 なんともありがちで、わざとらしい街路表記だ。

 そもそも名称がそのまんますぎる。

 しかし、


「――ハハ、悪くない」


 そのありがちでわざとらしい街路表記は、なおもメレアの胸を高鳴らせた。むしろ、ありがちだからこその作用かもしれない。

 くれびたれた粗雑な文字で、その街路表記の隣に、『深夜の時間帯は注意』やら、『盗掘者の取引場所』やら、きらびやかな芸術都市とは対照的な、その裏側の事情がメモされているのを見ると、苦笑と同時におもしろがるような笑みが漏れる。


 ――案外こっち側の空気の方が(しょう)に合ってるかもしれないな。


 メレアは内心に思った。


 それからしばらく、芸術都市の細かな立地ををひとたびに覚えてしまおうと、食い入るように地図を見つめる。

 また、そうやって地図を眺めながら、メレアは思い出したようにある行動を起こした。


 右手の親指と人差し指を曲げて、その指と指の間に『白雷』を走らせた。


 ばちばちと弾ける音がなって、指の腹と腹の間に白い光がほとばしる。

 それは、リリウムと編み出した術式訓練法だった。

 〈雷神(セレスター=バルカ)の白雷〉。

 そのより精密な動作を可能とさせるための――訓練である。


「……まったく、我ながら雑だな。気を抜くとすぐ消える」


 メレアはもう一方の手で相変わらず地図をなぞりながら、小さく悪態をつく。今ほど指の間でほとばしっていた白い雷が、消えてしまっていた。

 それに気づいて、もう一度白雷を灯す。

 ちょっとだけ、いわばマッチの先に火を灯すくらいの雷電を、絶えず生成させる――というその手法は、メレアにとってえらい重労働であった。


「感覚に頼ってきたツケだ」


 完成されている術式に、みずからでそういう改変を組み込まねばならない。

 そのためには術式の理論を理解することのみならず、適度な術素の供給量や、実際に調整するような式を編み込むコツのようなものを要した。


 とはいえ、そうした細かな改変や調整が苦手なことに関して、メレアにさほど非はない。

 『そもそもの方針』が異常だった。

 メレアは、動作の関連付けや、条件反射的なものを利用して、術式を発動するように仕込まれた。

 情報そのものは頭に刻み込まれているが、それを利用する際はまともな術式的思考を吹き飛ばしている。

 もはやそういう術機のようでさえあった。


「メレア、いるか」


 と、メレアが大きなため息をついていたところで、不意に部屋の外から声があがった。

 エルマの声だ。


「いるよー」


 メレアは地図から目を離し、部屋の扉に向かって返事を送った。


「さっきのことで話があるんだが――」


 さっきのこと、とは、おそらく〈剣魔の一閃〉を使ったときのことだろう。


「とりあえず中に入っておいでよ」


 大まかな予測をつけながらまた返事を返すと、一拍をおいて扉が開いた。


 扉の向こうから、外套を脱いだエルマが現れる。

 エルマは後ろ手に扉を閉めて、こつこつと靴で床を鳴らしながら、メレアの前まで歩んできた。

 顔には真面目な表情があって、いつも以上の鋭さが切れ長の眼に表れている。


「さっき、木の枝で剣を叩き切ったな」

「――ああ」


 やはり〈剣魔〉の話をしたいらしい。


「お前、剣も使えるのか?」


 問いに対し、まずメレアはエルマを向かいの椅子に座るよう促しながら、次いで彼女の問いに苦笑して答えた。


「いや、使えるってほどじゃない。〈シン=ム〉の技術は、俺にはまだ深遠すぎる」


 嘘ではない。

 本当のことだった。


「だが斬ったではないか。あれはまともな術ではない」


 エルマは椅子に座ると、メレアの答えを受けて首をかしげた。


「あれだけだ。――あれだけなんだよ」


 メレアはそんなエルマに対し、今度は自嘲気味な笑みを浮かべて、説明していった。


◆◆◆


「まずなによりも――時間が掛かる」

「お前はあのとき『降ろす』といっていたが、それのせいか?」

「そうだね。実際に霊かなにかを降ろしているわけじゃないけど、感覚的にはそれに近い。俺はもともと、そういう自己暗示に近い手法を使って英霊たちの技術や術式を使うことが多いんだ」


 メレアはふと、両手を合わせた。

 合掌。

 音こそ鳴らなかったが、それはよく見慣れた光景でもある。

 メレアは術式を発動させるときに、よくその動作を見せた。

 そのことをエルマも覚えていた。


「これも、その一つ」

「〈雷神の白雷〉を使うときによくその動作をしていたな」

「そう。俺はいくつかの動作に、術式を発動させるための『鍵』を仕込んでいる。この方法を考え出したのは俺じゃないんだけどね」


 たしか、フランダーだった。

 メレアはかつての日々を思い出す。

 十数年のうちに英霊たちの術式をすべて身体に刻み付けるために、フランダーたちがこういう手法を補助的に編み出した。

 編み出したといっても、そう大仰(おおぎょう)なものでもない気がする。本当に、ちょっとした自己暗示、ルーティンのようなものだ。


「そうでもしないと、無理があった」

「すでにお前は無理など力押しでどうにかしているように見えるがな」

「まあ、頑張ったからね」


 メレアは小さく笑って言葉を返す。

 もちろん、それのみでどうにかなるほど安くはなかった。

 それを込みで、狂気的なまでの修練を積んだのだ。


「よく使う術式――雷神(セレスター)の術式やら、風神(ヴァン)の術式やら、そのあたりは、ずいぶんと動作無しでも発動させやすくなってきた。いまさら慣れてきたって感じかな。それでもまだ、中間を扱うのには苦労しているけど」

「ふむ」

「あと、四門を開けて〈暴神化〉したときは動作づけなしでどうにかなることが多い。口では説明しづらいけど、頭の中がスゥってなるから」

「本当にわからん……」


 メレアは身振り手振りを交えて説明し直そうとしたが、自分でもどう言ったらいいかがわからなくなって、途中で断念した。


「ゴホン。気を取りなおして。――ともかく、さっきの〈剣魔(シン=ム)の一閃〉も似たようなものなんだ。起動の動作は、上段の構えと、あと心構え」

「ふむ」

「あとは……ノリ?」

「えっ……? ノ、ノリ……?」


 首をかしげながら言ったメレアに対し、エルマはより深く首をかしげてみせた。

 直後、今度はメレアが頭を抱えてうめきはじめる。


「〈剣魔〉が言葉で教えてくれないんだよ……! お、俺だってわからないわあんなのっ!」

「お、おお……」

「ほんの何回かは言葉で言ってくれたこともあるけど、『目の前にあるものを、斬る』とかすげえ馬鹿みたいなこと言ってたんだよ……!」

「あ、ああ……武芸者にはたまにいるな……そういうタイプ……」


 エルマにもいくらか心当たりがあった。

 だから、メレアの気持ちも多少はわかる。

 エルマは頬を引き攣らせた笑みを鋭い美貌に浮かべながら、腕を組んでうな垂れた。


「武系の英霊は両極端だったんだ……。懇切丁寧に理論を教えてくれる英霊と、『実践するから見て盗め』ってやつ。……後者はたぶんあれだな、自分でもなにしてるか理論的にわかってなかった」

「まあ、武術とはそういう側面もあるが……しかし木の棒で剣を叩き切る手法を見て盗むとは……」

「そういうことしでかす最たる人物は〈剣魔〉だったよ。こう、いろんな物にも『斬撃に使う場所』と、あと『斬りやすい場所』みたいなものがあるらしい。――『剣線』と『斬線』? 剣魔の妹(リン=ム)がそんなふうに代弁してくれてたけど、彼女は彼女で『兄さんの技はよくわからない』って首をかしげてたからなぁ」

「物の長所と短所を見極めているのだろうか」

「そんなたいそうなもんじゃなさそうだったけど……。『おそらくここであそこを斬ればぶった斬れる』とか、本人的にはそういう感じだと思う。一連の動作をすごくスムーズにやるから。見極めてる時間なんてないだろ、って速度で」

「おそろしいな……。もしや特殊な魔眼でも持っていたのか?」

「いや、たぶんなにも。たしかに魔眼って、外部から術式を施術する以外にも、生体内部からの変化を受けて発現することがあるって〈術神(フランダー)〉が言っていたけど、剣魔にはそういうものも見られなかった気がするなぁ。〈術神(フランダー)〉みたいにある能力が(きわ)まった果てに身体へ変化が現れた、とかならかえってわかりやすいんだけど……」


 剣魔はある意味でシンプルだった。

 ただシンプルに――怪物だった。


「経験がなせる技か……。あえて言うなれば心眼だな」

「経験であんなことされても困るんだけどな。習う側としては」


 メレアはもう一度ため息を吐いてから続けた。


「とにかく、どうにかこうにか上段からの一閃だけはあれくらいの時間をかければできるようになった。……でも、限界もある。それに、動きながら使えないから、〈雷神の白雷〉とかのほかの術式とも相性が悪くてね。いずれ、ちゃんと使いこなせるようにはなりたいけど」

「なるほどな」


 エルマはようやく得心したようにうなずいた。

 やがて彼女は胸元で組んでいた腕を(ほど)いて、体裁を崩しながら机の上に片肘をつく。

 立てた手の上に顎を乗せ、ホっと息をつきながら、眉尻を下げた。


「ふう……。先人の偉業はわけもわからぬほど高い位置にあるな。しかし――わかった。私もその極意は自分で探し出すことにしよう。私は人に素直に教えを乞うのも良いと思っている人間だが、一方でみずからの手で得てこそ効果を発揮するものもあると身をもって知ってもいるからな」

「エルマは真面目だねえ」


 ふと、メレアが微笑を浮かべてエルマを見た。

 エルマはそのまっすぐな視線を受けて、思わずほんの少し顎を引く。間に机を挟んでいるとはいっても、こうして頬杖をついて前に乗り出していると、思った以上に顔の位置が近くなった。

 

「と、とにかく、〈剣魔〉は剣士の憧れだ。号としてはたしかに最下位だが、私は剣魔こそが神号になるべきだったと今でも思っている。私たちの一族とは逆だが、剣を選ばぬ身であれほどの剣技を発揮するのは、やはりその剣士としての力が誰よりも極まっていたからだろう」

「ハハ、剣魔(シン)は号に関してはあんまり気にしていなかったけど、『霊になってからは剣を選ぶ者たちの気持ちもわかった』ってぼそりと言っていたよ」

「ほう?」

「生前に剣にこだわらなかったのは当然『剣技』を極めるためだったんだろうけど、『剣の道』を究めるのならその相棒たる剣そのものにもっと気をかけてやるべきだったって。もしかしたら、シンの未練はそのあたりにあったのかもしれない」

「はは、あの剣魔にそうまで言ってもらえるなら、きっと私の先祖たちも喜んでいるだろう。私たち〈剣帝〉の一族は、その相棒たる剣の方に並々ならぬ気をかけたからこそこうなったわけだからな」


 エルマは複雑な表情で、しかし最後には笑って、そう言った。


「――よし、わかった。俄然(がぜん)また向上心が芽生えたぞ。私がこの魔剣でもって剣魔と同じくらいの技術を使えるようになったら、どちらをも超えられるかもしれんな」

「そしたらエルマが〈剣神〉だね」

「魔王としては警戒度があがってしまうな。しかしそうやって強くなることがみなを守れることに繋がるのなら、私は喜んで剣神を目指そう」


 エルマが快活な声で言って、その美貌に莞爾(かんじ)とした笑みを乗せた。

 なんの後ろめたさもない、晴れやかな笑み。

 メレアはそれを見て、また微笑を浮かべた。


「では、邪魔したな。私も部屋に戻る。ひとまず動くのは明日からか?」

「そうだね。すでにシャウは動いちゃってるけど」

「本当に動きが速いな、あいつは。やはり金が絡んでいるのだろうか」

「どうだろうね」


 案外、金とはまた別の理由で動いているのかもしれない。

 それこそ、魔王のために。

 シャウの振り返りざまの笑みを思い出して、メレアは内心に思った。


「まあいいか。私は私で、あいつのことは信用している。身の危険に関しても、サルマーンがいれば大丈夫だろう」

「一応シャウもまったく戦えないわけじゃないしね」

「金さえあれば戦闘もこなせるというと、よけいに金の亡者臭が立ちのぼるな」

「字面にしたら結構やばいよ」


 最後に笑い合って、メレアはエルマを見送った。



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