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始まり

俺は、夏休みのある日の昼下がり、友人と俺宅でゲームを満喫していた。




「うおっ、遥70連コンボかよ!?」

「指の動きが見えないんだけど!」


その2人の言葉で調子に乗った俺は、今まで以上に快活なコントロールさばきを披露した。


You Win!


小気味よいBGMと共に、その文字が画面に表示される。




そう。


俺は、れっきとした格ゲーのプロである。


これは決して自称ではなく、ちゃんと功績が残されている。



それは、中学生男子なら誰でも知っている大人気格闘ゲーム《fantasia fight》の公式大会、『fantasiaグランプリ』で俺は優勝したのだ。


そのおかげで、俺はたちまち学校内の脚光を浴びることになった。


友人も、俺のプレイスタイルを学びに毎日のように家に押し掛けてきて、かなり大変だったっけ。

あの時は、皆そんな感じだった。


だが、一度優勝したからって、嬉しくはなく、当然だと感じた。

だって、まだ俺の上には....


「遥ー!!届け物よー!!」


その言葉にはっとして、下の階へ向かった。


ダッダッダッ


向かった先には、大きなダンボール箱が置き去りにされていた。


「またゲームなの?」


母親が隣で小言を言っているようだが、今の俺にはそんな声は届きはしない。


待ちに待った、あの《fantasia fight》の最新作。


このゲームは、日本はおろか、世界でも話題となったプレイスタイルがあった。


体感型なのである。



今までは、コントローラーで操作が主流だった《fantasia fight》だったのだが、発売元《generation entertainment》が18年の歳月を経て、開発した体感動作システムが今回の最新作で導入されている。



今回、《fantasia fight》の主な開発に携わった只川宏を俺は神と崇めた。


(よし、今回こそ日本一になるぜ!)


前文にもあったが、なぜ優勝しても満足していないかというと、


俺が優勝したのは、U-15大会だったからである。


周りの奴らは、それでも凄いと言うが、はっきり言って誰も分かってない。


参加人数は全日本大会のわずか10分の1だったし、コンボもまともな奴がいなかった。

まだ、強いとは言えない。


だが今年16になり、全日本大会に出場して良い年齢になった。

今年こそ、全日本で優勝してやる!


そんな事を考えながら、俺はせっせとゲームのアップデートに勤しんでいた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


アップデートと、大きなヘッドギアの組み立てを終えたのは、作業を始めてから実に4時間.....真夜中の2時であった。


「ちょっと、面倒だったな…」


前作までは、名前を入力してオンライン通信の為のメールアドレスとパスワード入力だけだったのに....


今回の《fantasia fight》はリアルに戦闘の感覚を味わう為、自らの身長、体重を入力するのだが、それは5分くらいで終わった。

だが沢山のネットウイルスに関する長々とした説明文を読むのには1時間半かかってしまった。


その後も、同意書や個人情報の入力、プライバシーについての説明文など、前作では有り得ないくらいのものだった。

「明日は、いよいよプレイ出来る....!」

布団に横になり、疲れをとる。

だが、疲れ以上に高鳴る胸をどうにかしたかった。


ボフッ


布団に丸くなり、天井に手をかざす。


「待ってろよ、絶対に....!」


俺の、格ゲー攻略は、まだ始まったばかりだ!


続く!




こんにちは、三枝陽です。


初作の方がかなりの駄作だったので、なんとなく試行錯誤して書きました。


感想や評価、お待ちしております!

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