祈りは巡る
新たな登場人物
女性・樺音(かばね)
男性・樫雄(かしお)
女性・櫛乃(くしの)
難しい漢字使ってごめんなさい。
待ち合わせをした場所から、徒歩10分。
目的地の時乃軌神社にたどり着く。
まだ夕方で日は落ちていない。
祭りは始まっているものの、まだ人は少ない。
「じゃあ、まとまって行動するのは周りに迷惑だから、先に決めておいた班で行動しよう」
クラスの代表・哲が、全員に聞こえるように大声で伝えた。
俺と共にお祭りを回る班員は――
彼女の桜音と、親友の椿、無口な女の子の樺音、天才少年の樫雄、活発な女性の櫛乃の6人になった。
「はいはーい♪ んじゃ、この班は私が班長ね♪」
櫛乃は、みんなの目線をあつめるように、手を上げ声をあげ前に出ると、たのしそうな表情で自分を指差して役職を示す。
彼女の行動を見て、すぐに行動を起こしたのは――椿であった。
「はぁ? 普通、班長っていったら、まとも人間がやるべきだろう? お・ま・え・じゃ、無理だ!」
「なーにぃ!? 私のどこがまじめじゃないってのよ!?」
椿の言った理由に対して、すぐに反論する櫛乃。
そう、この二人は、事あるごとに反発しあっている。
「ふふふ、いつも仲良しね♪」
そしてなぜか、桜音には二人が仲良しに見えるらしい。
「えぇ!? 桜音ちゃん、私、こんなやつと仲良しじゃないよー」
「はぁ!? 俺だって願い下げだっつーの!」
二人はお互いをにらみつけ、同時に「フン」と顔を背けた。
それを見ている桜音は、やはりうれしそうであった。
「僕はどちらでもいいですよ、櫛乃さんが班長でもかまいません」
不意に櫛乃に賛成したのは、入試で一番の成績をとった樫雄だった。
彼は成績優秀なうえに、心遣いも出来て優しい、容姿が子供っぽいとこを除けば完璧と言える。
「ほーらね♪ 樫雄君が良いって言ってくれてるんだもの、決定じゃない?」
満足したように腰に手を当てて、偉そうに椿を見下して言う。
「いやまだだ! 樺音っちにも聞いてみようぜ!」
椿が無口の女の子に振り返り、彼女は一瞬驚いたように、体がピクリと動いた――ような気がする。
「樺音ちゃん! 私が班長でいいよね?」
「いいや、ここは樫雄に任せるべきだよな?」
二人が無口で無表情の樺音に迫っていくと、なぜか勢いよく腕を上げて、まっすぐに俺を指差した。
「い!?」
俺はあまりに突然の事に驚いて、変な声を口にして上体を引いた。
椿と櫛乃が同時にゆっくりと、俺に向き直って――
「まぁ、お前なら別にいいけど」
「負けたわ――班長はあなたに譲るわ」
なぜ納得されたか分からないが、こうして俺は班長に選ばれてしまう。
「班長さん、おめでとうございます♪」
桜音は、またも楽しそうに笑顔で祝いの言葉を述べた。
「はぁ~・・・・・・」
盛大にため息をついて、一瞬だけ樺音と視線が合った。
彼女の無表情なはずの顔に,喜びの色が見えた気がした。
「んじゃ、班長さん♪ どこからまわりましょうか?」
班長になれなかった櫛乃は、全く気にしていない様子で俺に指示を仰いだ。
「そうだな、雨御踊りの時間には早いだろうから、とりあえず本殿まで行ってみよう」
班長らしくしようと精一杯背伸びをして、みんなに行動予定を伝える。
そしてそれぞれの顔を見回して、全員がうなずいたのを確認して行動を開始する。
しばらく歩いていくと、賽銭箱と鈴緒がついた拝殿が見えてきた。
「まぁ、ここまで来たんだし、せっかくだからお祈りでもするか」
「よっしゃー」
すぐに反応して声を上げた椿に――
「うっさい、椿!」
櫛乃が即座に文句を言った。
「まぁまぁ――それでは、二人ずつ並びましょうか」
またしても喧嘩を始める二人を収めて、提案をしてくる。
「そうだな」
俺はすぐにその提案にのった。
「それでは、まずは桜音さんと紅葉君からどうぞ」
樫雄は俺たちに先にどうぞと、手を振り笑顔で言った。
「じゃあ、先に行かせてもらうぞ」
「お先に失礼しますね」
俺と桜音がお礼を言って、賽銭箱の前まで移動する。
それをみんなは、笑顔で見送った。
俺たちは、賽銭箱にお賽銭を投げ入れ、礼儀正しくニ拝ニ拍手一拝を行い願い事を心の中で言葉にする。
((二人が永遠に、一緒に居られますように))
その時、二人の心が共鳴し、不思議な体験をしてしまう――。
二人が同じ事を想い祈ると、不思議な事が起こってしまう。
この先に二人を待ち続けるものは―― 一体何なのか。
さてさてこの先どうしようか迷いますね。
今現在1つの道は決まっているのですが、それをやるべきなのかやらないほうがいいのか、悩みます。
でも、どうせならやってしまえばいいかな――なんて思ってます。
もし、つまらなくなったらごめんなさい。
おもしろくなるようにがんばります!