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一片(ひとひら)の願い

「どうか・・・・・・彼女を助けてください・・・・・・俺はあいつが居なくなるなんて考えられない・・・・・・お願いします」

 一日に何度も千年桜に向かい、何回目の事だろうか、奇跡は起きた――。

『あなたの、強く、優しい想いは受け取りました』

 頭の中に響いた声に、彼は顔をあげて千年桜を見る。

 そこには、見覚えのある二人の人物が並んで立っていた。

「あ、あなたは・・・・・・」

 彼は驚きのあまり言葉に詰まると、片方の男性が手を差し出して語りかけた。

『あなたの彼女を想う気持ちが、『再び』我々を『ここ』に呼び覚ました』

 その男性が言い終えると、周りに積っていた雪が男性を中心にして広がるように消え、季節外れの桜が咲いた。

『この『ひとひら』の桜に強く願いなさい。 必ずや二人の助けとなりましょう』

 男性のてのひらに落ちた桜の花びらが、強い光を放ち彼の前まで優雅に飛んでくる。

 彼はそれを両手で受け取り、それを握り締めて祈るように願う――。

(桜音と子供を、どうか、どうか、助けてください!!)

 強く願いを込める彼の手から、まばゆい光が漏れ出し『ひとひら』の桜は消えてなくなった。

『あなたがた三人に、これから先も数多い幸あることを願っています』

 見覚えのある二人が同時に述べて、消えていき――戻るように、暗い雪景色に変わった。

 夢を見ていたのかと思い、呆然と座り込んでいると――携帯電話が鳴り始める。

 すぐに電話に出ると、桜音の母親から『今、病院に見舞いにきたら、容態が急変したそうなの!』と、伝えられ、居ても経っても居られず病院へと急行した。

 彼は病院についてすぐに、彼女の母と合流して手術室へと向かう。


 どれくらい待っただろうか、彼は焦る気持ちが抑えられず座っていられなくなり、立ち上がって行ったりきたりしてしまう。

 彼は再びあの現象を思い出し、その場でひざをついて『伝説の二人』に祈りを捧げた。

 しばらくして――手術中のランプは消え、一人の医師が現れた。

「先生!! 彼女と子供は大丈夫ですか!?」

 すぐに立ち上がり、近づいて、医師に尋ねた。

 医師は疲れた顔をしていたが、次第に笑顔を見せて「奇跡が起きた」と、口にし――続けるように話し始める。

「今のところ、まだ確実とは言えないが、予想以上に母体への負担が少なく、出産後も子供を抱きしめられるほど元気が有り余っていたよ」

 不思議な笑顔で医師は彼に伝え、それを聞いた彼は喜びのあまり涙を流してその場に膝をつき、たくさんの涙を流した。


 術後の彼女の容態は安定し、母子共に元気な姿で退院することが出来た。

 入院中に例の話を彼女に聞かせていたため、退院した帰り道に一度だけ千年桜へ向かい、二人で感謝の祈りを捧げた。

 その後、二人はその命尽きるまで、精一杯相手を想い生き続けた――。



 彼の想いは届き、二つの生命を助けるに至った。

『千年桜の伝説』は、その後も続く『再会』に大きな影響を及ぼし、これから先もずっと――二人を導く存在となるだろう。

ちょっと早かったかな?

この話は、まだ先のほうがよかったかもしれませんね。

でも、やっちゃったのでここから話を広げます!!ヤッホーイ♪

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