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愛の残骸
愛とは、なんなのだろう。
一つだけ言えるのは、
憎悪にさらされない愛など無いということだ。
愛するがゆえに、より強い憎しみが生まれる。
相手に期待してしまうからだ。
自分は相手にこれだけしてあげているのにと思うからだ。
愛は怒りと憎しみにより、最初の形を保ってはいられない。
傷つき、へこみ、ひょっとしたら割れてしまうかもしれない。
それでもまた繋ぎ合わせ、つぎはぎだらけになり、不格好も良いところだ。
ひょっとしたら、砕け散り、もう修復不可能かもしれない。
しかし、それでも、愛の残骸。そのかけらたちは、存在する。
確かに、存在するのだ。
どのような形に、なったとしても。




