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3歳児ももちゃんのVRMMO大冒険  作者: 生姜寧也
第7話:花小路

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7-1:魔法の粘土を増強

 大学の授業を終え、帰宅。夜ご飯までの数時間、姉妹でブロクエに勤しむ。この流れも、徐々に定着してきたね。

 今日は前回の続き。水の街アクアニルスからだ。

 ダイブすると、すぐさま金色のリーゼントが視界に飛び込んできた。


「おかえり~~」


 そうだった。このクセ強アラサー受付さんだったね。

 挨拶を返して、私たちは掲示板を見る。この街にもクエストがあるという話だったけど……




 ====================


 No.7


 <水中花のお世話>


 依頼者:花屋クオル


 内容:水中花への水やり、その他雑務


 報酬:8000G

    フラワーコイン1枚


 備考:花小路の入口にある花屋に話を聞きに行こう


 ====================

 



 へえ。なんかキレイな光景が見られそうな予感。この街自体が凄い美観地区だけど、そこに花小路なんて。


「ももちゃん、おはなだって」


「おみずのなかのおはな?」


 ももちゃんの方では水中花は、そういう説明になってるんだね。


「おみずのなかだったら、いきできないよ?」


「うん。だから作り物なんだよ。造花って言うの」


「ほんものじゃないってこと?」


 頷いて、私は検索窓を引っ張ってくる。文字を打ち込んで、グラスの中に入ってる造花の画像を出した。


「ん~?」


 まあパッと見は、普通の花みたいに精巧だもんね。次は『造花』と打って、その製造過程まで紹介してるサイトを見せた。


「わあ!」


「ふふ。そう、作れるの。お花は」


「じゃあ、ひゃっかじゅのおはなもつくったら?」


 おお、その発想は無かったね。けど流石に、「造花で100用意しました」でゲームクリアは無理だと思うな。クソゲーって言われちゃう。

 私が何と答えようか考えあぐねていると、


「あ、そう~~だ。言い忘れてた~~けど」


 ポールさんが声を掛けてくる。言い忘れてたこと?


「この建物の3階は~~ショップになって~~るんだけど」


 さっき階段を上ってこのフロアに来た時、確かにまだ上り階段が続いてたけど。あの上はショップになってるんだ。


「冒険者用のアイ~~テムも売ってる~~から見てみると良い~~よ」


「は、はい。ありがとうございます。行ってみます」


 ショップか。冒険者用アイテムってどんなだろう。

 と、その前に。依頼書を剥がして、受付カウンターまで持って行く。ポールさんに渡すと、受理のハンコをポンと押してくれた。


「いってら~~っしゃい!」


 相変わらずの変なビブラートに送り出され、私たちはギルドを出て階段の踊り場へ。それじゃあ3階に行ってみよう。






 ガラス扉を開いてショップ内へと足を踏み入れる。ももちゃんが私を追い抜いて、タタタと駆けこんだ。なんていうか、お店とか好きだよね、子供は。と言いつつ、私もちょっとワクワク。まず見えたのが洋服のコーナー。


「え? 意外」


 冒険者用って話だったけど、服からなんだ。鎧とかならまだ分かるけど、布の服ばっかりなんだよね。とはいえ、普通のブティックとかとも違って。


「あ! ゆうびんやさん!」


「え?」


 ももちゃんの指さす先。王都で着た郵便屋さんの服があった。わあ、本当だ。あとは「ザ・冒険者」みたいな、厚手のベストとカーキのチノパンを合わせた物。後は街の人が着てるような服(名画の『落穂拾い』みたいな装い)もある。

 と、そこで。店の奥から人が出てきた。


「いらっしゃい」


 銀縁のメガネを掛けた30代くらいの女性。大きな三つ編みをサイドから胸の辺りへと流してる。 


「こ、こんにちは。ここって冒険者用のショップって聞きましたけど」


「うん、合ってるよ。その服はアーカイブだね。クエストで着た服が増えれば、そこに追加されていくよ」


 な、なるほど。コスプレ需要とかもありそうだもんね。子供用サイズもあるみたいだし、親バカな保護者なら買っちゃうかも。

 ……かく言う私もちょっと考えてるけど。


「まあ色々見ていって。今は品揃えは少ないけど、物語を進めると増えていくから」


 ちょっとメタいけど、分かりやすくて助かる説明。


「ちなみに、他の町にもここの姉妹ショップがあるから、そこでも同じ物が買えるよ」


 なるほど。

 開放条件は多分だけど、ブロンズ昇格だろうね。ということは、王都にも実は出来てた可能性が。それを確認する前に、このアクアニルスに来ちゃっただけで。

 説明を終えると、店員さんは再び奥へと戻っていく。


「ももちゃん、どれかお洋服……あれ?」


 どれか欲しがるかなと思って振り向いたら、当の妹が居ない。

 と。洋服コーナーの先に、その小さな後ろ姿を見つけた。


「ももちゃん、待って。勝手に動き回らないで」


 お店に行くと、いつもこういう注意をするけど、いつも聞いてくれない。

 小走りで追いつくと、手を繋いでしまう。


「なに見てたの?」


 彼女の目線の先にある棚を私も見てみると……『魔法の粘土(徳用)』というポップと、ガラスのクリアケースに入れられた白い塊が。


「え……ええ……?」


 魔法の粘土って売ってるの? しかも徳用って、何のありがたみも無いんだけど。


「……」


 ポップの下の説明書きを読んでみる。いわく、これは減ってきた魔法の粘土を増量する用途で使われる物……らしい。


「魔法の粘土って、減るんだ」


 そこからまず驚きなんだよね。

 あんまり気は進まないけど……検索タブから攻略サイトにアクセス。最低限、魔法の粘土の項目だけチラ見すると。


「あ、なるほど」


 実は魔法の粘土で造形&具現化した物は、そのまま置いておくことも可能なのだとか。

 私たちは毎回、壊して元の粘土に戻してたけど……


「置いておけるなら、色々と幅が広がるかも」


 今後のクエスト次第では、必須のテクニックになるかもだしね。


「ももちゃん、これ買おうか」


「うん。おっきくして、ぷてやのどんつくるの!」


 やっぱりそれを目論んでたか。残念ながら、その用途では使わせないけどね。


「ええっと」


 値札を見る。12000Gだった。う、結構するなあ。お金ガッツリ余るタイプのゲームかと思ってたけど、服やら何やらも買おうとすると、逆に足りないかも。


 まあでも、これは買っておこう。どう考えても、あって困る物じゃないしね。

 というワケで、私たちはそれだけ購入してショップを出た。

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