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Body sharing  作者: 愛加 あかり
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茶畑は、なぜ参加したのか

茶畑は、お喋りだった。

関西弁で、まくし立てるように、語り始めると止まらない。

赤石保のせいで、精神崩壊しかけて、リバウンドしていた。




 1月9日、お昼過ぎに大阪入りして、14∶00の事情聴取に備えた。


 同じ事の繰り返しになるが、皆に聞いている。


 「茶畑さん、貴方はどうして2年前の事件を。今になって自首されたのですか」


 清盛先輩が、尋問をして。俺は、パソコン入力に集中していた。


 「はい。ワイドショーで取り上げていたからです。これでええか」


 茶畑は、太っていた。それほどでも無いが、他が痩せていた為、太く見えた。


 「質問を変えます。何故2年も、黙っていたんですか」


 「知らんかったんや。嘘や無い、ホンマやで。皆さんでゲームしとって、4日目の時間になっても、な~んも起こらん、表彰式も100万も無い。せやから、皆で風呂屋に行って、スッキリしたけど。寝てもうてな、閉店までグッスリや。その後、近くにカラオケ店が有ったから、そこに駆け込んで一夜を明かして、朝なって解散や。その頃には、ニュースになって無い。先川さんには、ホンマに申し訳ないが。儂らも被害者なんや」


 茶畑は、色々と飲み込めているみたいだ。


 「アレは、アカンで。廃人になる。見てみぃ儂のお腹、ストレスではち切れそうや。ノイローゼになって、食うては、吐いての繰り返しで、ガリガリまで行って。精神科に通ったら、リバウンドしてもうた。『耳が、キーーン鳴りまっせ』ホンマに」


 過酷な体験をしたのは、他の四人を見ても分かるが。『耳が、キーーン』も、打ち込まないと駄目なのか。

 それよりも、『腹が、プック〜〜』の間違いじゃないのか。


 「お医者さんは、何とおっしゃってましたか」


 「原因不明ですわ。4件たらい回しにされた、挙げ句が。『様子を見ましょう』やで。大学病院の先生様様が、理解でけへんって、サジ投げたんがな。『睡眠薬渡して、次の方や』正味な話、詐欺やろと思ったわ〜。そいで、終いには、PTSDやがな。儂の通院費と時間を返してくれ、訴訟起こしたる。それと、柴田の情報も忘れんなよ。儂、オムツ履いて、優勝したんだからな。聞いたるか、おい、ニィちゃん」


 茶畑は、本当によく喋る。聞いてもいない事をベラベラと、決壊したダムのように。日頃の鬱憤を吐き出す。 


 「他に、気付いた点はありますか。何故5人に選ばれたのかとか。『赤石さん』に、見覚えはありませんか。些細なことでも構いません」


 「せやな〜。廃虚の横が赤石さんで、マスコミが数人来とったぐらいかな~。留守みたいやったけどな。」


 「そうんですか。大変な体験をされましたね。お大事に」


 「何や、もう終いかいな。カツ丼食わせてくれへんのかい」


 「やはり、動機は分からなかったですね」


 「そうだな。だが、全員が無実だ。赤石以外の犯人は居ない。皆が見たと言う動画が有れば、何とかなるのだが」


 「殺害シーンの他に、道具を捨てるシーン。何で撮ったんですかね。ヒントが有るのですか」


 「分からない」


 「黒田晴美のDVDが、関係しているのですか」


 「それは、関係有るだろ。赤石が、先川晴美に惚れていたら、怒りのあまり。衝動的に。矛盾がある。ナイフもそうだが、ゲームの為に人も集めている。計画的に殺害をしている」


 「いえ、有りえますよ。最初は、自分にナイフが向いていたのです。先川晴美が、何かを発言して。殺害された。衝動的でも、おかしくは無いです」


 「そうなると、赤石は、器具を装着止したまま、自殺するつもりだった。しかし、何の為に」


 「混乱をさせる為に、96時間耐久をさせ。自殺するように、刷り込みがなされていたとか」


 「そうだとすると、連続殺人未遂に切り替わるぞ。赤石のパソコンの解読が進んで無いのが悔やまれるな」


 「立証は難しいですね」




 「裁判長、被告人は、知的にも、身体的にも、障害を持ち、常日頃からナイフを所持して山に入っています。衝動的に、先川晴美さんを、殺害したのだと思います」


 「異議あり。常日頃を、誰も目撃していません。リハビリ以外、外出していない。供述書には、そう記されてます」


 「外出してますよ。自動販売機へ」


 「3軒隣の自動販売機ですか。ナイフの所持は、無かったように見受けられますが」


 「隠し持っていたと、伺ってます」


 「ですが、山には入っていない。橋のカメラがそれを物語っている」


 「3日間しか録画できないカメラに、入山したかなんて判断できますか。無理ですよね」


 「ここは、情状酌量の余地有りで、4年でいかがですか」


 「勿論。出所後は、保護監査も付けて、更生プログラムを入れた、対応を」


 「僕は無実だ。先川晴美さんを殺害してない。全て、検察のでっち上げだ。僕は、先川さんを助けようとしたのだ」


 「どうしたのかね、赤石君」


 「裁判長、検察は、暴力的な尋問をして、証拠をでっち上げようとしています。助けて下さい」


 「被告人は、勝手に発言をなさらないように」


 「弁護人に、説明を求めます」


 「あ〜のですね。はい」

 法廷弁護士は、焦りを見せた。


 「赤石さん。供述書と違ってますよ」

 法廷弁護士は、小声で赤石に語り掛けた。



 静かだった法廷が、ザワ付き始めた。


 「弁護人、被告人は無罪なのですか。説明して下さい」


 「え〜。と、ですね」


 「傍聴席の方々は、静粛に願います」

 一度、裁判所に静けさが訪れた。


 「本日の裁判は、閉廷致します」


 検察は、机の下でガッツポーズを取った。

 裁判のやり直しだ。

 先川晴美の、無念を晴らすことが出来る。


 法廷弁護士は、情状酌量を不意にしたと、赤石に対して激怒した。


 赤石は、何度も『検察の不当』をあおり、計画的犯行が認められ。

 刑事責任能力も、『有り』と認定された。


 先川晴美が、動かない事を知りながら、難度も切りつけている事が、残忍すぎる事と。介助を遅らせた事により。


 求刑は、死刑となっている。




 明日は、赤石本人の聴取を取る。


 赤石保の部屋に置かれていた、先川晴美のインディーズのDVD。

 黒田に、名字を変えただけの先川晴美のAV。


 『先川晴美が、死を望んでいたら。赤石は、先川晴美を殺すのだろうか』


 『殺すだけなら、一突きで良かった筈だ。死刑を求めたから、残忍な事をした。ツジツマは、合うけど。常日頃から、考えていないと、咄嗟に出来ない』


 この事件で、黒田晴美のインディーズビデオは、マニアに売れた。

 メイクは派手だったが、先川晴美本人だ。


  

読んでいただき、有難うございます。

下らない、作品です。お帰りはアチラです。

高評価、星とブックマークを、宜しくお願いします。

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