表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/19

人物論①

これはあくまで作者の作り出した方法論であり、いわゆる査読された精神医学等の論文には基づいておりません。転載禁止、引用の際はこのURLを引用元としてください。

人の思考ってやつは「脳みそ」でするらしい。

その「脳みそ」を走る電気信号は「意識」と「無意識」に別れている。


別に意識しないで呼吸しているし、喉も乾く。

有機体の生命維持なんてコンピュータではまだまだ対応できていない。


「意識下」という「生命」全体から見れば数%かもしれない「思考」は「言語」で出来ている。


その「言語」は地域によって違う。

日本語、英語に東京弁に名古屋弁。


思考するための「言語」の習得は「耳コピ」だ。

ママ、パパ。名詞、動詞、形容詞。優しい言葉、辛辣な笑い。


従って、特に幼少期において周りの人達がどのような「言葉」で話をしていたのか、を知るのは大原則となる。


まず「土地」の記憶を探るのも、人格形成において最初に起こることだからだ。


次は「時代」。この人物の人格形成期に何が流行っていたのか、地域社会や国家感、手に入る国際ニュースなどを確認する。


ここまでのかなり広範囲な周辺情報を集めてから、彼が彼たる所以である「条件」づけを開始する。


いわゆる「人物鑑定」において、間違いやすいことのひとつに「その人物は特別だった」という先入観がある。


「プロファイル」を作成される人物は確かに大体「特殊」ではあるが、あくまで「人間」であることは間違いない。


はっきり言えば「特別だったこと」から「人物像」を作り上げてしまう。ゲームのキャラクター設定があたかも初めからあったように。


この考えで「プロファイル」を作れば、単に「特別な人の特別な時間」、我々には無関係の「御伽話」になる。


我々調査をする側が第一義的に忘れてはならないことは「この人物は人間である」ということだ。


定命であり、その思考回路はあくまで「言語」「知識」「経験」からなっている。


例えば、ここまでで簡単に「北関東、倉賀野周辺で人格形成期を過ごした人間」の「倉賀野における所縁の場所」を確認した。


そんな人物はいっぱいいるだろう。

少なくともベーシストさんは該当する。


ここから「彼」だけの「条件」を足していく。


ただし、この「条件」は可能な限り裏付けがある「パーソナリティに関わる事実」だけをまずは足していく。


その際は「時間」に注意する。

人格形成期の「基礎時間」、最終的な「俯瞰時間」に起こった「事実」は及ぼす範囲が全く異なる。


間違っても「心象」はここで足さない。「人物鑑定」で間違った印象を与えるのは大体、この段階のミスだと、俺は思っている。


「事実」と「事象」も違う。


データを取り間違えないように注意する。

もし迷った場合はデータの影響力が少なければ「落とす」か「事象」として「該当時間」だけ考慮する。


この人物だと「基礎時間」では「1960年10月07日に出生」「男性」「日本語話者」及び以下で教育を受けた「倉賀野小学校」「倉賀野中学校」「藤岡高校」。

出身家庭は「自営業者(惣菜屋を兼任していた肉屋)」であり「姉がいる」。


もし全体俯瞰図を作る場合には以下も入れる。

「アメリカへ移住」「既婚」「ニ男一女の父親」。


ほぼ絶対的な「個人事実」だけだと、こんなもの。

ここではこの「人物」に起ったいろいろな出来事は入れない。


もしかしたらLGBTQかもしれないとかも入れないし、母親が「金沢出身」かもしれないが、戸籍謄本などで確認できない以上は「二次的情報」として入れない。極端な兆候を示さない限り、身長や体重など変化しやすいものも入れない。


こうしてベーシックな「事実」だけを見れば、この「調査対象」が「人間」であり、あまりにかけ離れた相手ではないとわかるだろう。


だが、彼の時間はあまりにも「物語」。

「選定の剣」なきアーサー王の物語。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ