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ウサギになり損ねた女の子

作者: 星野☆明美

挿絵(By みてみん)

「人間はいや。生まれ変わるならウサギがいい!」

前世で酷い目に遭って亡くなった女の子が必死で頼んでいました。

「今、ウサギの生まれ変わりは人気大集中で、なかなか空きがないんですよ」

魂管理局の職員が困った顔で言いました。

「ぬいぐるみも?」

「ああ、そーゆーのでもオケーなんですね?ちょうど今、ウサギあみぐるみ編んでる人いますよ」

「そのウサギがいい!」

「あみぐるみ初心者の人が作ってるのだから、あんまりきれいにならないかもですよ?大事にされるとも限らないし……あんま、おすすめでないやつですね」

「そのウサギでいいです」

肌色の毛糸で本体と頭部までできている段階でした。

ヒュー、スポン。

女の子はその中へ入りました。

「あーあ、そこまでで放置される危険性もあるのに」

魂管理局の職員がはらはらして見ています。

「うーん。あとは耳を編んで、顔を作って……」

あみぐるみをつくっている最中の人は、興味が逸れた様子で、あみぐるみの本をKindleでチェックして、着せ替え人形の女の子のあみぐるみになぜか心惹かれ、ダウンロードしてしまいました。

「ちょっと!何やってんの!?」

耳にするはずのところに茶色の毛糸を植毛し始めました。

ピンクのワンピースを着せて、顔を可愛く刺繍。

「パンツはいてないや」

「ちょっとー!やめてよね!」

空色の毛糸でパンツが編み上がり、はかせてもらい、女の子はウサギではなく、女の子のあみぐるみになりました。

「かわいいねー。マルシェで売りに出すまで、うちで一緒に遊ぼうね」

「……うん」

女の子はこれはこれで納得するしかないな、と思いました。

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