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アルマ追放後のポール(ポール視点)

「アルマはいなくなった。これで僕は完全に勝ち組! 絶対的な勝者!」


 ポールはアルマがいなくなった部屋を見渡し、天に拳を突き上げる。


 あいつは邪魔だったのだ。


 確かに【剣聖】を手に入れた時点で自分の勝ちではあった。


 しかしながら、彼は周囲からの人望が厚かった。


 そのせいで、ポールは周囲から家を継ぐのを反対されていたのだ。


 ふさわしいのはアルマである、と。



「ふはははは! 戦略勝ちだ、最後に勝つのは絶対的な力! パワーなのだ!」



 だが今はどうだ。


 追放が決まり、実力不足が証明された。


 あれほどアルマアルマと言っていた使用人も極少数になってしまった。


 可哀想に。けれど、これが現実だ。


 所詮、アルマはその程度だったってこと。


 ポールはアルマが使っていた椅子に座り、足を机の上に乗せる。


 ああ……最高。


 勝ちを確信した自分にはもう、敵はいない。


「あなた……何をしているんですか」


「ああ?」


 ふと視線をやると、そこには一人のメイドがいた。


 あれは……アルマに仕えていたメイドだったか。


 あまり記憶にはないが、アルマの面倒をよく見ていたと思う。


「そこはアルマ様の席です。足を乗せるなんて許されません」


「貴様、今アルマと言ったか?」


 ポールは立ち上がり、メイドの肩に手を回す。


「アルマはもう追放された。この家にはもう、アルマと言う人間はいない」


「……ですが」



「ですが、なんだ? この家を継ぐのは僕だ。その僕に貴様は今、逆らおうとしているってことを理解しているのか?」



 肩を思い切り掴み、メイドを黙らせる。


 メイドは苦痛を訴え、目を細める。


「痛いだろ。これが力だ、力こそ正義なんだ」


 この家で二番目に偉い自分に逆らうってことは、こういうことなんだと思い知らせる。


 逆らったメイドには反省してもらわないといけない。


「いいか、僕の邪魔をするな。いいな」


「…………」


 メイドは何も言わない。


 まあ所詮は使用人風情だ。


 この程度の脅しで十分だろう。


「帰れ」


 そう言うと、メイドは静かに帰っていく。


 所詮弱者。惨めだな。


 対して自分は……。


「強者。圧倒的強者!」


 【剣聖】を引き当てた、最強の男。


 この家に生まれてよかったよ、本当。


 そして、この家に生まれて外れを引いた弟を見ると、せいせいする。


 なんて心地がいいんだ。生きている実感がする。


 足で思い切り机を蹴り飛ばす。


 ふうと息を吐いて、足を組んだ。


 これから先、自分はこの家の当主になる。


 楽しみだ。


「ポール様」


「んあ。またか」


 視線を動かすと、扉の前に執事が立っていた。


「どうした。僕に何か用か?」


「アルバート様がお呼びです。少しお話があると」


「父上がか」


 ポールは立ち上がり、ネクタイをただす。


「なんと言っていた」


「【剣聖】のことで、と仰っしゃられていました」


「なるほど。スキルのことに関してか」


 きっと家のことだろう。


 楽しみだ。どんな話が待っているのだろうか。


「分かった。今すぐに向かおう」



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