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第80話 サプライズ結婚式

 同性婚の法律施行日。私とレナはシュウラに叩き起こされた。そして周りには侍女が8名おり、その中にはリザとスピカもいた。


「セレン!レナさん!起きて!」

「なに……って何よこの大所帯!」


「そんな事いいから起きて!A班はセレンをB班はレナさんの着替えをよろしく!」


 私の質問をスルーして話を進めるシュウラ。


「ちょっと!説明してよ!」

「セレン様、説明は後回しです。先ずはこちらで着替えを!」


「レナ、起きて!セレン様との一大イベントだよ!」


 私はスピカちゃんに連れられて部屋を出る。まだ寝ていたレナはリザが起こしていた。


 私は着替えてる中でスピカから事情を聞く事になった。


「これはシュウラ様からのサプライズ結婚式です。」

「結婚式⁉︎なんでまた⁉︎」


「同性婚を認めるにあたりどのような結婚式になるのかという国民の不安を払拭する為というのがシュウラ様の表向きの考えだそうです。」


 そう言えばそんな話あったなーと私は微かな記憶をよみがえらせていた。しかし一言が引っ掛かった。

「ん?表向き?」


「はい、ですがシュウラ様としては2人の結婚を国民のみんなに祝福して欲しいという事だそうです。」

「なんでまた……」


 私は疑問に思ってしまう。確かに私たちは式は上げたないし戸籍でも婚約関係にない。でもだからと言ってここまでされる理由もないのだ。しかしスピカはシュウラから理由を聞いていたらしいので説明してくれた。


「どうやらシュウラ様はセレン様も王族なのに国民から祝福されていないのが嫌だったようです。昔セレン様のおかげで始まった工事で災害が防げた事や侯爵家、伯爵家からの国民の虐げを解決したのもセレン様だったそうじゃないですか?」

「あー……あったわね。」


 昔は情報収集してお城のみんなの弱みを探していたら偶然その辺りにも首を突っ込んでしまったのだ。


「それなのに国民からの祝福を受けれないなどあってはならないと話していましたよ。」

「大した事はしてないけどなー……利害の一致なだけだったし。」


「それでも私ども含めた国民を救ってくれたのは他ならぬセレン様です。なので私どもも少しでもセレン様達にとって良い1日になるよう誠心誠意努めさせて頂きます!」

「……それならもう少し寝させて欲しかったわ。」


「……申し訳ありませんでした。」


 スピカが悪いわけではないがそれでも謝らなければならない。それも侍女の仕事の1つ。しっかり教育を受けている様で一安心だ。

 そうして着せられたのは漆黒のウエディングドレスだった。


「黒のウエディングドレス……よくあったわね。」

「作って頂いたのです。イズミさんとシエスタさんに。」


「えっ?いつの間に⁉︎」


 今日は驚いてばかりだ。


「2人の結婚式に華を添えたいとレナさんのはイズミさんが、セレン様のはシエスタさんが作りました。」


「……ほんと……私たちはいつも誰かに救われてるわね。」


 嬉しくてつい涙が出てしまう。


「セレン様、まだ泣くには早いですし、お化粧も落ちてしまいますよ。」

「そうね……泣くよりも笑顔よね。」


 そうして準備を進めているとシュウラが中に入ってきた。


「流石お姉様、何を着ても似合うわね。」

「シュウラ……ありがとう。私たちの為に……」


「いいわよそんな事、それよりそろそろレナさんも支度が終わるから見てあげて。」


 それ以上言うのは野暮と言われてるようだった。もしくは照れ臭かったのか早めに話題を変えてシュウラは私の前にレナを連れて来られた。レナの方は純白のウエディングドレス。どうやら私の方が旦那扱いらしい解せない。


「……どうですか……セレン様?」

「うん……綺麗……今までで1番に……」


「そんな……そんな顔で言われると照れてしまいますよー!」


 私がどのような顔をしていたかは分からないがレナの顔は少し赤くなった為に照れてるのがわかる。


「さぁ、2人とも行くわよ!国民の皆様が待ってるわ!」

「「はい!」」


 私たちはそのままお城の庭へ出る。するとそこには沢山の人がおり、その中にはイズミさんとシエスタさん、そしてミスズさんの姿がいた。その中を私たちは腕を組みゆっくりと歩く。空からは紙吹雪が舞っていた。正しく国家を挙げての祝福だった。そしてシュウラはお城の上階より高らかに宣言した。


「この日より異性だけでなく、同性での婚姻も認めるものとする!」


 そしてこのタイミングでリザとスピカから渡されたのはあの花束だった。


「これって……」

「アングレカムじゃない。」


「お2人が昔この花で告白してそれを受け入れたという事をミスズさんから聞きましたので私たちで用意しました。」

「花言葉は……」


 リザが言う前に私たちは答えた。


「「あなたとずっと一緒にいたい。」」


 そうして私とレナは花束をみんなのいる方へ投げたと同時に私はレナをお姫様抱っこして唇を重ねた。そしてその瞬間大量のクラッカーがなった。


 そして唇を離すと私たちはそのまま馬車に乗って街中を一周した。馬車の中、大勢の国民が私たちに手を振ってくれているのを見た。


「結局帰ってきましたね。私たち……」

「そうね。でも、何処でもいいわ。だって私の隣にはレナがいるんだもの。」

「はい!私の隣にはセレン様がいますから私も何処でも良いです!」


 そうして今度はレナの方から唇を重ねてくるのだった。



 私の人生で幸福な事……それはレナが私の侍女になってくれた事……だけど最も幸福な事はレナが私を好きになってくれた事だと言うだろう。


「レナ……私を好きになってくれて……ありがとう!」

「それは私の方こそですよ!」


 そうして私たちは三度唇を重ねた。これからもこの幸せが永遠に続く様にと。

 最後までお付き合い頂きありがとうございました!

これでセレン×レナで書きたい事は一通り書けたので満足しています!


もしまた書きたい話がありましたらこちらに戻ってくるつもりですが、今回で完結という事にしておきます。


そしてイズミ×シエスタのお話しで読者様には不快に思われる方が多数居たと思います。改めて申し訳ございませんでした。


しかし現実では、イズミ×シエスタの様な事例もきっとこれからあると思ったのでみんなにも考えて欲しいと言う事で書かせて頂いたのがあのお話しでした。本当は百合を謳ってる以上書くべきではないということは重々分かっておりました。しかし、やはりみんなで考えて欲しいという願いからあの話はあの結末が最良と判断致しました。


もしご不快だと思われた方がいましたら本当に申し訳ございませんでした。そしてそれでもこの作品をここまで読んで頂き本当にありがとうございました。


今後は男性が百合関係に割り込む描写は無くすのでまた新しい作品を投稿した際はまた読みに来て頂けると幸いです。


長くなりましたがここまで読んで頂き本当にありがとうございました!次回作もお楽しみに。

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― 新着の感想 ―
[一言] 完結お疲れ様でした! いろいろ感想があったようですが 展開を変更とかの必要はないと思います 人によっては受け入れ難いかもしれませんが 色んなカタチの愛があるだけのことです。 否定をしてしま…
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