第76話 これから
「さて、2人はこれから2つの道を選んで貰います。」
私はレナを部屋に寝かせた後、リザとスピカちゃんの2人に話をする事にした。
「道ですか?」
「そう。学校にこのまま通い続けるか、お城で侍女の見習いになるかよ。」
「あの……それ以外の選択肢は?」
「ないわ!」
私はスピカちゃんの言葉を強い言葉で否定した。2人は少しビクッとなってしまった。
「大体2人とも子供2人でどこで生きていく気なの?」
「それは……」
「船に乗るにも馬車に乗るにもお金がいるのは分かるわよね?」
「はい……」
「それに2人はまだ子供。この国では16歳以下の子が働く事は法律で禁止されてるの。住む場所もない、食べ物もない状態から生きていくのはほぼ不可能よ。」
ここまで言ったら流石に踏み止まるだろうと思った。2人が駆け落ちする可能性を今の時点では止める事が絶対だった。
「でも……私はもう……」
スピカちゃんは少し俯いていた。親が犯罪を犯してる事を知ってしまったのだから仕方ない。
「学校には行けないのなら侍女として習えばいいわ。大丈夫よ。私が信頼してる人たちが見てくれるからそれにリザも一緒よ。」
「えっ?私もですか⁉︎」
そう言えばリザにはいつからなんて言ってなかった。
「そうよ。私もそろそろお城に戻る様に言われてるの。だからリザには侍女としての教育を受けて貰おうと思ってるのよ。前にリザは侍女の勉強をしたいと言っていたし……この際いいと思ったの。」
「あの……いつから?」
リザからの質問に私は答えた。
「3ヶ月後よ。私たちが今作ってる法案の提出期限に答えを出すって言ってたからね。それでどうする2人とも。」
「あの……お休みの日などはどうなってますか?」
今度はスピカちゃんからだった。
「16歳までは学校と同じよ。お城の外へ行く事も可能。16歳からはお城の外でも働いていいわ。あくまでも2人が成人するまでの隠れ家として衣食住と教育を請け負うって事。」
「私達だけの特別扱いという事ですか……?」
「そんな事ないわよ。一年に一度孤児院や侍女になりたいという子をお城で預かったりしてるわ。だから怪しまれる事もないし、私から推薦するから何も心配ないわ。」
「分かりました。行かせてください!」
「お願いします!」
2人の了承を得た。後は今後の事の整理とあの事だけだ。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
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