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第74話 暴走

 私は昔から座学は向いてなかった。授業中はよく寝ていて廊下に立たされていた。だけど体育は得意で何でも出来た。それは侍女となってからも同じで、クレアからはよく叱られたけど近衛兵の隊長からはよく褒められた。


「女の割にはよくやる。だが……こいつはどうだ?」


 相手は懐から刃物を取り出した。


「ちょっと、丸腰の女性に刃物向けるの?」

「致し方ない。我々にも仕事があるのだからな。すまんが力ずくで通らせてもらう!」


 そのまま相手は私に向かって刃物を突き出してきました。そして間合いに入ると細かく刃物を振り回してきて服が少し裂けた。


「ちょっと!これセレン様から40番目に頂いた服なんですよ!なんて事するんですか!」


「そんな事は知らん。邪魔する貴様が悪い!」

「あなたの方こそ悪い事してるのに何故悪事を重ねるのですか!」


「我々は金を払って貰えばいかなる任務も遂行する。貴様も貴様の主人も死ぬことになる。」

「は?」


 その瞬間私の顔から表情が消えた。


(今この人はセレン様を殺すと言った……?)


「戦場で動きを止めたな……それは死を意味する事だ!」


 私にとっての害悪が迫ってくる。コイツは排除しなければならない相手……セレン様に危害を加えようとする害悪……




殺さないと……



 私の心が真っ黒に染まった……瞬間私はスカートの中から護身用のナイフを取り出し相手の刃物を避けつつ相手の首元にナイフで切り付けた。


「な、なに!?」


「殺さないと……」


 私はナイフが躱されたことがわかるとそのまま頭突きをかました。そうして敵は後ろに吹き飛んだ。鼻が完全に折れていて血がぼたぼたと地面に落ちたていた。


「おのれ……」


 完全に怯んでいた敵に私はナイフを持って近づいていく。殺気を膨らませて……


「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す……殺す!」


 そうして飛び掛かろうとする私、そして敵も突っ込んできていた。これで決める……そう思った瞬間だった。


「止まれーーー!」


 私は肩を掴まれそのまま後ろに吹っ飛ばされた。


「何⁉︎グハッ!」


 私を吹っ飛ばしたのは近衛兵の隊長さんでした!


「貴様らは全員逮捕だ!大人しくしろ!」

「隊長……その人は……セレン様を……」


「捕まればそんな事は出来ん!いい加減に正気に戻れレナ!」


 しかし一度湧いた殺気は抑えられない……私は気絶させられている敵に距離を詰めようとした。


(コイツは一体レナに何を言ったんだ⁉︎)


 私はゆっくり近づいていく。近衛兵の隊長さんは汗が垂れる……


(クソ!コイツを止めるのは手を焼くんだぞ!)


 隊長さんは素手、私は片手にナイフ……もう殺す気であった。


「レナ!やめなさい!」


 しかし、私は止まった。なぜなら……


「セレン様⁉︎何故ここに?」

「迎えに来たのよ!レナが1番危ないところなんだから!」


 セレナ様の姿を見た瞬間。私は安堵してナイフを地面に落とすのでした。

 ここまで読んで頂きありがとうございました!

次回更新もお楽しみに!

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