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第72話 作戦

 私たちは学校が終わるまでに逃げ道を考えていた。普通に裏口から逃げるか、裏をかいて真正面を突破するか……


「リザちゃん……」

「大丈夫!任せて!私も一緒に居たいもん!」


 心配そうに見てるスピカちゃんに私は安心させる様に言う。

 セレンさんなら……表を正面突破なんて考えない……だけど裏をかいて裏口なんて手も考えない。あの人は私の斜め上の方法を使うんだ。いつだって……



「よし、決めた!」

「どうするの?」


「正面突破で行こう!どのみち裏をかいても見つけて下さいって形になっちゃう。それならみんなの流れにそのまま乗って街に出ましょう。そこからなら馬車はたくさん出てる。」


「リザはお金持ってるの?」

「大丈夫!シエスタさんのお店に行けば貸してくれるはず!」


 スピカちゃんはシエスタさんに一度会った事はあるからまだ大丈夫だった。


「行こう!急がないと捕まっちゃう!」


 私たちは下校中のみんなに隠れて学校を抜け出した……だけど……私の作戦はあまりにも無謀な作戦だった。スピカちゃんの迎えの大人達が5人も来ていた。


「スピカ様。お迎えに来ました。」

「嫌だ!私はもうお母様の元には帰りません!私はリザと共に生きます!」


「少々痛い目には合わせても良いと言われています。私たちも手荒な真似はしたくありません。」


 そう言う彼らの目は本気だった。スピカちゃんは私の手を強く握った。私も呼応する様に強く握る。この手は絶対離さない。


「逃げるよスピカちゃん!」

「うん!」


 そうして私たちは走って逃げる。だけど大人と子供だ。すぐに追いつかれる……


(今は1秒でも長く一緒に居られる方法を考えるんだ!)


 そう思って走る。でもそこへ思わぬ人物が木の上から落ちてきた。


「レナ!」

「2人とも逃げてここは私が引き受けるから!」


 そう言うとレナはいきなりスピカちゃんの迎えの人に飛び膝蹴りをかましたのでした。







 朝、リザが起きてくる前に私とレナ、イズミさん、シエスタさんで作戦を纏めた。リザに伝えないのはもしかしたら何もない可能性もあったからだ。


「たぶん、リザはスピカちゃんと2人で駆け落ちすると思う。だから私はシエスタさんとギラさんのお店で待ってるわ。」


「分かりました。」


 レナは返事をした。そしてイズミさんとシエスタさんは頷いた。


「イズミさんはクレア達がもうすぐ来ると思うので合流したら周りが見渡せる高台へ。状況に応じてスピカちゃんの家の護衛を捕縛してください。調べたら黒い話が多かったので王国としても事情聴取が必要ですから。」


 イズミさんは再び頷いた。


「そしてレナ。あなたは学校の木に登ってリザたちを見守って。気づかれない様にね。」


「任せてください。私もあの学校で生活してたので、大体の場所は分かります。」


「もちろん危なくなったらレナ……頼んだわよ。」

「はい!」


 レナが1番危ない任務だけど侍女はみんな近衛兵に鍛えられてる。だから任せられる。


「それじゃあ!みなさん!よろしくお願いします!」

「「「はい!」」」


 私たちの1日はこうして始まった。

 ここまで読んで頂きありがとうございました!

次回もお楽しみに!

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