第68話 謝まる
私とレナ、そしてリザとスピカはスピカの実家までやってきた。
「おかえりなさいませ、お嬢様。」
門番の2人がスピカに挨拶をした後、私たちを中へ通した。中にはメイド数名と変な威圧を放ってる女性がいた。
「スピカ……何か言う事があるんじゃないの?」
「ただいま……戻りました。」
帰ってきた挨拶……間違えてはないが、今はそれではないだろうと思う。そして案の定いきなりヒステリックに怒鳴り出した。
「そんな言葉じゃないでしょ!私たちがどれほど心配したかあなたにわかるの⁉︎」
「……ごめんなさい……ですが、お母様こそ私に謝るべきではないかしら?」
「なんですって?」
「参観日に来なくて、私の友達を馬鹿にして、私だって怒ってるんです!セレンさん達がいなかったら帰ってくるつもりなどなかっ……」
私はそれ以上先を言わせない為に手でスピカちゃんを制した。
「初めまして……セレンと言います。リザの保護者をしております。」
「その娘の親?ふぅーん……」
私を品定めするように見てくる。普段なら蹴り飛ばすけど今日は堪える。話し合いが優先だからだ。
「フンッ……親が親なら子も子ね……」
「あら?どう言う意味ですか?」
私は少しイラッとしたが堪える。
「そんな野良猫の様な娘の母親らしいと言ってるのよ!見窄らしい手紙からは気品があったから会ってみた物の飛んだ検討違いだったようね。あなたたち親子の様な物が我が家の敷居を跨ぐなど言語道断!さっさと出て行きなさい!」
「……ふふふ……」
私はクスクスと笑いが込み上げる。ここまで馬鹿にされたのは生まれて初めてだ。
「何がおかしいのよ!とっとと……」
「あなたこそ誰に物を言ってるのかしら!私はこの国元第一王女セレン。あなたの暴言は王族を侮辱したに等しい行為よ!」
「なっ、何を戯言を……お前の様な薄汚い王女が何処に……」
何か言おうとする前に私は母上から頂いた王家の紋章をみせる。
「これ……何か分かりますよね?」
「お、王家の紋章……しかもレイナ様の……」
父上や現在の王様の紋章は偽物もあるが母上のは巷には絶対出回らない。これが今回1つ目の切り札だ。
「まずは私とリザに謝って貰えますか?お話はそれからです。」
「す、すみませんでした……」
「それとスピカちゃんにも謝って下さい。来れなかったのは親の落ち度です。お仕事だったかもしれませんがそれでも楽しみにしていたのですから」
「スピカ……悪かったわね……」
言い方は置いといてもこれでようやく話し合いに入れるのだった。
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