第67話 隣では……
私とレナが寝ている隣の部屋からはリザたちが話してる会話が聞こえていた。
「やっぱりリザはいい子に育ってくれましたね。セレン様。」
「当然よ。私たちが育てたのだもの。」
娘の成長を嬉しく思ってるのは私だけではない。レナもイズミさんもミスズさんもだ。
「まだまだ子供ですよ。これからも成長を見ていくんですからね。」
「あら、レナがまともな事言ってるわね。」
「セレン様、私の方が年上なんですよ……」
少しジト目で見てくるレナに対して私は笑いながら近づき……
「ふふふ……私より年上なのにそんなに威厳がないのは何故かしらね?」
「イタタター!ごめんなさい!」
こめかみをグリグリするのだった。ひとしきりした後に話を戻す事にした。
「それでスピカちゃんの家の事は分かったの?」
「はい、交易商のお家柄のようですね。昨年父親が亡くなっていました。そこからは母親1人で娘を育てつつ交易の方も担ってるって事でした。」
「そう。他には?」
「後はお家柄血筋を気にしてるようですね。そして絶対血を絶やさないようにしてるようです。」
「なるほど、それじゃあ余計にリザから離したいわけね。」
「そういう事になります……どうしますか?」
「そんな事言っても本人達の仲を割くなんて選択肢はないでしょ?それに私たちが口を出さないとあの2人駆け落ちするわよ……絶対。」
「それはして欲しくないですもんね。」
「ええ、だから私たちで話し合いを付けるわよ!」
「ええ……でもうまく行きますかね?」
私は少し弱気になってるレナの両頬を少し摘んでぷにぷにしてあげる。
「何を言ってるの?上手くいかせるのよ!」
「ひゃ、ひゃい!」
そうして大方の話の材料を纏めると私たちも眠りにつく事にした。眠る前に隣の部屋を覗いて見るとリザとスピカは手を繋いで眠っていた。
「この2人は……私たちより仲がいいかもね……」
私はそっと扉を閉めてその日は休む事にしました。
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