第64話 寝顔
タオルを持って行くとスピカちゃんはもううとうとしていた。当然だ。もう月が空高くにある。子供が起きていい時間ではなかった。
「スピカちゃん、事情は明日聞くからこれで身体拭いて今日は寝なさい。」
「はい……」
しかしスピカちゃんのお腹の音は鳴っていた。どのみちお腹が空いてては寝られないだろうから先に身体を拭いてレナがサンドイッチを持って来るのを待つのだった。
「お待たせしました。」
「ありがとう。スピカちゃん食べれる?」
「はい。」
返事をすると2つあったサンドイッチを綺麗に食べてしまった。私はその間にお布団を敷いてあげた。リザの隣に……
「セレン様……それは流石にダメな気がしますよ?」
「良いんじゃない?リザへのサプライズにもなるし。」
「いや、好きな人に寝顔見られるって結構勇気いりません?」
「レナは抵抗あったの?」
「……なかったです……」
そして私はというと、いつも誰かが起こしに来てくれてたので全く抵抗ない。という事でサプライズを決行してみた。
「ほ、本当にいいんですか?」
スピカちゃんも戸惑っていたが、結局睡魔に負けてそのまま眠ってしまった。
翌朝、リザの叫び声が響き渡った。リザはお休みなので遅い時間に目が覚めたが一瞬で目も覚めたようだ。
「な、なんでスピカちゃんがここに!?」
リザはバタバタと私の元へやって来て事情を聞いてきた。
「昨日の夜に家出して来たのよ。折角だからリザの隣で寝かせてあげた方がいいかな?ってね。」
「てね。じゃないよ!私の寝顔見られたんだよ!は、恥ずかしい……」
リザは心底恥ずかしかったのか顔が真っ赤だ。そこへレナがフォローを入れた。
「まぁ良いじゃない?セレン様の寝顔なんて私は好きになる前から見てましたよ。とても綺麗だったからたまに起きるまで観察してました。」
フォローと爆弾発言をしてくれたので後でお礼をしようと思った。とりあえずリザは不服そうな顔をしているが
「おはようございます……」
そんなバタバタをしているとスピカちゃんも目を覚ましてきた。
「はい、おはよう。さあ2人とも顔を洗ってきて!朝ごはん作るから!」
「「はい!」」
元気よく返事をしてリザがスピカちゃんの手を繋いで洗面所へ連れて行くのだった。
「では、私はお花の水やりを……」
ガシッ……
私は逃げようとするレナを捕まえた。
「まぁそう急がず……ゆっくりお話ししましょうよ……ね?」
私はレナを部屋へと連れ込んでじっくりとお話しするのでした。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新もお楽しみに!
*投稿ボタン押したと思ったのですが押しておらず寝落ちしてた為急遽投稿しております!待っていてくれていた皆様申し訳ございませんでした。