第63話 家出
帰り着くとレナが半べそで家の前で待っていました。
「セレン様!おがえりなざい!」
訂正大泣きで出迎えてくれました。
「レナ、私にもおかえりなさい言ってよー!」
「リザもおかえりー!」
「はいはい泣かないの。ほらスイーツ買ってきたから後で食べなさい。」
「うぅ……ありがとうございます……セレン様のは?」
「私はリザと食べたからいいわ。」
「2人だけでデートなんてずるいですよー!私ともデートして下さい!」
泣いてるのか怒ってるのか分からない顔で言われても説得力がない。とりあえず私はレナとリザの手を引いて家に入る事にした。
「やれやれあの2人はまだまだ若いわね。」
「良いんじゃない?私たちだってまだ甘々じゃない。」
「それもそうね。」
2人は仲のいいセレン、レナ、リザをを見ながら温かい視線を送るのだった。
夕食を食べ終えて、リザが寝た後……誰かがドアを叩く音がした。
「こんな時間に誰かしら?」
「セレン様は座っててください。私が出ますから。」
レナが扉を開けるとそこにいたのはスピカだった。
「あれ?スピカちゃん?こんな時間にどうしたの?」
「……家出してきました。」
「「はい?」」
私とレナは2人して声を上げた。当然だもう夜中だ。リザに関してはもう寝ているのだ。
「と、とにかく中へどうぞ!」
レナは私の方をチラッと見たので私は頷く。そしてレナはスピカちゃんを中へ入れるのだった。
「もうみんな寝てる時間だけど……スピカちゃんは夜ご飯食べたの?」
私の問いかけにスピカちゃんは首を横に振った。どうやら何も食べずにここへ来たらしい……
「レナ、何か作れる?」
「ええ、パンとチーズがあったので後でサンドイッチを作ろうと……」
私はレナに強烈な圧をかけた。
「やっぱりこの頃夜な夜な何か食べてると思ったらレナが何かつまみ食いしてたのね!」
「ぎゃー!でも、私はセレン様みたいに太って……ぎゃーーー!」
「口は災いの元なのよ?」
最近少し太ってきた事気にしてたのに……今の一言は万死に値する為、私はとっておきの技をかけようとしたが目の前にスピカちゃんがいたので止める事にした。
「あっ、ごめんね。と、とりあえずレナはサンドイッチをお願いね。」
「は、はい。」
レナはいそいそとキッチンへと向かった。
「最後までやっても良かったですよ?」
「子供には見せられません。とりあえず、歩いてきたのなら汗かいたでしょ?タオル持ってくるからそこで待ってて!」
私は濡れタオルを取りに部屋を出た。そしてミスズさんとイズミさん達にもスピカちゃんがきた事を伝えるのでした。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
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