第55話 あと少し
流石に遅い時間なのでレナが途中までスピカちゃんを送って行った。その間に私はリザと少し話をする事にした。
「リザ、そこに座って。」
「えっ?お説教ですか?」
「それは後レナと一緒にするわ。」
そう言うとリザは黙って私の前に座った。
「まず、本当にスピカちゃんの事好きなのね?」
「……うん。あの子に側に居てほしい。」
「そう。じゃあ2つ目、リザが大人に……いえ、16歳になった時はスピカちゃんと2人で暮らす?」
「それは……まだ考えてないです。でも、働ける様になったら2人で暮らしたい。」
「そう。分かったわ。リザは再来年で14歳ね。2年だけスピカちゃんに会う機会を減らしても大丈夫って言うのなら私がクレアに頼んでお城の侍女としての研修をさせても良いわ。まだ早いと思うけど、レナはああ見えて結構稼いでるの。だから私とレナはやっていけてるのよ。」
「そうなんですか⁉︎」
「そこまで驚く事じゃないわよ。レナは私の専属侍女なのだから手当ても付くから私がやってるお花のお店より遥かに稼いでるわ。」
リザは知らないと思う。なんせ私がレナを宥めて叱って制御してるのだから。だけど私の身の回りの世話はレナが基本してくれている。寝癖の処理や服の準備はレナがしてくれている。リザが知らない所ではレナもしっかり働いてるのだ。
「わかりました。私を14歳で研修に行かせて下さい!」
「分かったわ。クレアには軽く話しておくわ。ただし、クレアは厳しいわよ。レナがビビるくらいね。」
「お、お腹痛くなって来ました……」
後2年、私たちが一緒に暮らせるのもあと少しだと思うと私も少し寂しくなりました。
レナが帰ってきてからはその日は何事もなく終わった。そして次の日の夜にはイズミさんとシエスタさんが話をしに来ました。
「案が纏まったから聞いてくれるかしら?」
「はい、もちろんです。」
私たちはイズミさん達を中に入れて話を聞きます。
「法案を読んでやっぱり恋に性別は関係ないって伝えてほしいわね。たぶん市中には私たちみたいな方は多いと思うの。」
「うん。ギラのお店で私もお客さん達に少し聞いてみたの。あっ、一応ギラに許可を貰ってやってるから安心してね。これはアンケート結果ね。」
シエスタさんから貰ったアンケートを見ると結構な人数が同性に恋心を抱いていた事が分かった。これは男女問わずである。しかし半分は友情という気持ちと勘違いしているケースだった。だけど半数は周りからの目を気にして黙っていた様だった。
「ありがとうございます。参考になります。」
改めて後ほど見させてもらう事にします。私は側にアンケート用紙を置いて2人の話を聞く事にしました。
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