第53話 リザとスピカとの出会い3
数ヶ月後……
「スピカ久しぶり!」
「久しぶりって3日しか経ってないよ。旅行楽しかった?」
私はセレンさんとレナに連れられて旅行に行っていました。
「うん!これお土産!」
「クラスでも渡してたじゃない?いいの?」
「うん!スピカは特別!親友だもん!」
「そう。じゃあ貰っておくわ。」
「中身は大したものじゃないから期待しないでね。」
「大した物じゃないならいらないわ。」
「まぁまぁそう言わずに見てから決めてよー。」
私たちはこのくらいの冗談を言えるくらいには仲良くなっていた。スピカは袋を開けると口元を緩ませた。
「何が大した物じゃないのよ。全然嬉しい物じゃない。」
私が贈ったのは貝殻のブレスレット。これはこの間旅行行くって言った時にスピカがポロっと口にした物だったのだ。
「たまたま無料で作れる所があったから頑張って作ったんだ。」
「それでも嬉しいよ!ありがとう!」
この笑顔を見れるなら作った甲斐があったというものだ。それからは遊ぶ時はよくブレスレットを付けて来てくれた。余程お気に入りなのか。学校には持ってこず、私と2人だけの時にしか付けてこなかった。
「ねぇ、なんで学校には付けて来ないの?」
「えっ、学校はこういうの持ち込み禁止だよ。それに持ってって男子連中が騒ぐとまた面倒くさいじゃん。」
「そうなんだ。」
「それに……これは今私とリザしか触ってない。すっごく特別な物なんだよ。私とリザだけのね。」
私の耳元でそう囁いたスピカは自分で言っていて照れているらしく顔が少し赤かった。
「スピカちゃん。私の事……好き?」
「えっ、うん!当たり前じゃん!なんで?」
「たぶんスピカちゃんが考えてるのは友達として……だよね?」
「うん。だって私たち友達じゃん?」
(やっぱりそうだよね……)
「うん……そうだね!友達だよね!これからもよろしくね!じゃあまた明日!」
「待って!」
私は振り返って帰ろうとしました。しかしスピカちゃんは私の手を握ります。私は振り返りません。今振り返ればたぶん心配させてしまうから。だけど私が振り返らずにいるとスピカちゃんが先に話始めました。
「ごめん嘘……やっぱり友達のままじゃいられないよ。」
「えっ?」
私は振り返るとスピカちゃんは泣いていました。とりあえずさっきまで座ってたベンチに腰掛けて話す事にします。
「リザは私にとっては初めての友達だった……でも……違った。」
「えっ?何が違ったの?」
「たぶん……だけど……守ってあげたいと思った。」
「そう……なんだ。」
友達どころか妹分的な扱いに少し拍子抜けしてしまう。
「でも、実際には明るくて前向きで素直な子だった。私にはにはない純粋な子……友達になりたいなって初めて思えたのがリザだった。」
「そんな……褒め過ぎだよ。」
褒められたせいか顔が綻んでしまいます。
「でもね……はっきりと分かったんだ。私はリザと友達以上……ううん。親友なんかよりももっと仲良し。恋人になりたいって思った。」
「えっ?」
これには流石に驚きました。だって私も同じこと思ってたからです。
「ごめんね、気持ち悪いよね。女の子同士なのに……でも伝えないと私……⁉︎」
私はスピカが次に何か言う前にスピカの唇にキスをして黙らせました。
「嬉しい!私もそうなれたらってずっと思ってた!でも自分だけだと思って黙ってた。黙ってればスピカちゃんを苦しめずに済む。そう思って私はずっと黙ってた。」
「リザ……」
「改めて……好きだよ。スピカちゃん!大好き!」
「私も……リザが大好き!」
私はスピカちゃんに抱きついてまたキスをした。その後日が暮れるまで抱きしめてたから急いで帰った。だけど結局セレンさんに叱られた。だけどそれ以上に私は幸せいっぱいでその夜は眠れませんでした。
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