第51話 リザとスピカの出会い1
私の学校生活は前途多難の始まりでした……
「今日から新しくお友達になるリザさんです。みんな仲良くして下さいね。」
「は、はじめまして……り、リザと言います……よろしくお願いします……」
あの頃の私は人が怖かった。セレンさんとレナ、ミスズさんやイズミさんとは話せても他の人は怖かった……そしてこういう挙動不審で自信のない子はいじめの対象になってしまうのが常だ。
「ねぇ、お前喋れないの?」
「あ、あの……」
「じゃあこれ借りるぜ!いつか返すわ!」
男の子たちは私の鉛筆を取って走っていきました。私は走って男子たちを追いかけます。
「か、返して……」
「返すよー!いつかな!」
笑いながら走っていく3人の男の子たち。全然追いつかず泣きそうになりながらも私は一生懸命に追いかけます。するとそこに……
「何してんのアンタたち!」
「ゲッ!スピカ!」
「女の子いじめるとか最低の極みじゃない!」
そう言ってスピカちゃんは男の子3人に蹴りを入れて倒してしまいました。
「はい、あなたのでしょ?」
「あ、は、はい……ありがとうございます……」
「どういたしまして。アイツらこの学校の中で弱い者イジメをする常習犯だから何かあったら私に言いに来て。」
「は、はい……」
そう言ってスピカちゃんは立ち去りました。
翌朝、私はスピカちゃんにお礼を言うためにレナにクッキー作って貰ったのでそれを持ってスピカちゃん会いに行きました。
「あっ、スピカちゃん!」
「あっ、リザどうしたの?」
居たのは学校の裏庭。1人で日向ぼっこしていた。
「あ、あの……!これ昨日のお礼です!」
「えっ、良かったのに。わざわざありがとう。」
少し困った顔をしていましたが受け取って貰えて良かったです。それから少し話をしました。
「リザは何か挙動不審よね?」
「えっ?」
「もっと堂々としてていいのよ。やましい事がないのなら自信持って発言しなさい。」
「うぅ……」
「すぐには無理か……じゃあ私の隣にいなさい。隣にいたら私が守ってあげるわ。」
「……いや……私はスピカと友達になりたい……守られるだけは嫌!」
「……そっか!ちゃんと言いたい事言えるじゃない!」
これが私たちの始まりでした。
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