第50話 リザの友達
「「行って来ます!」」
私とレナはリザとシエスタを見送って花壇の手入れしながら昨日の話の続きをしていた。
「セレン様、私も少し考えてたのですが、この法律ってみんな等しく平等に恋愛、結婚出来るって物ですよね?」
「そうね。男女という異性だけではなく色んな恋のをして結婚も出来るよって法律ね。」
「なのになんで身体が男性で心が女性みたいな事まで触れてきたのでしょう?恋愛や結婚までは関係ないですよね?それこそ私か、セレン様が心が男だから男性様のお風呂に入るって話に入りたいとはならないんじゃないですか?」
「常識的に考えたらね。だから逆に悪用されない為の法律にもならないといけないのよ。」
「法律を作るって難しいですね。」
「人が作るものだもの。完璧なんてあり得ないわ。だけど客観的に見て限りなく完璧な物を作ろうとしないとより良い物は出来ないわよ。」
「セレン様かっこいいー!」
「ありがとう。」
「あー!やめて下さいよ!髪が乱れます!」
私は照れ隠しにレナの頭を力一杯撫でますのだった。
お昼が過ぎて日が西へ傾く頃にリザが帰ってきた。そしてその横には1人の女の子がいた。
「ただいま!昨日言ってた友達連れてきたよ!」
この子の行動力はレナに似たのかしら。思ったより早く連れてきた事に驚いてしまう。
「はじめまして。リザさんの友達のスピカです。」
驚いてる私を他所に自己紹介をされてしまった。私は遅れて挨拶をして家へと上げた。
「レナ、ジュースか何かあったかしら?」
「えっ?セレン様が珍しいですね?」
「私じゃないわよ。リザが友達連れてきてるの!」
「そういう事ですね。りんごのジュースでしたらありますよ。すぐにお待ちしますので先に話を始めてて下さい。」
「そう。じゃあ先に行ってるわ。」
後はレナに任せて私はリザとスピカちゃんの所へ戻った。2人は今日出された課題をしていた様で私が入ると2人は少し顔を上げてこちらを向いた。
「あっ、セレンさん。もう少しで終わるので良いですか?」
「もちろんよ。勉強も大切だからね!終わったら声かけて頂戴。」
私は速やかに部屋を出ると丁度レナも部屋の前に来ていたので2人にジュースだけ出して私たちは部屋を出た。しばらくするとリザが私たちを呼びに来たので私とレナはリザの友達と改めて挨拶をした。
「初めまして、スピカといいます。リザさんにはいつもお世話になってます。」
「めちゃくちゃ礼儀正しいですよセレン様!いて……」
「レナは少し見習いなさい。あっ、失礼しました。私がリザの保護者のセレンと言います。こちらは私の嫁のレナです。よろしく。」
私ははしゃぐレナにゲンコツを落として黙らせたあとすぐに自己紹介をした。
「ふふふ。リザさんの言う通りの方たちですね。仲が良くて羨ましいです。」
「聞きましたか、セレン様!羨ましいって!」
ゴツンッ!
「リザ……」
私はテンションの高いレナへゲンコツを落とした後、ジト目でリザを見たが平然としていた。
「ただの世間話です。それにスピカ以外には話してないですよ。」
「とりあえず、後でお仕置きします……レナと一緒に!」
「なんで⁉︎」
レナはとばっちりみたいになってるけど、はしゃぎすぎよ。そしてそんなやり取りをクスクスと笑うスピカちゃん。
そしてそれを見て睨むリザ。
「スピカ……?」
「あら、ごめんなさい。でも、本当に血が繋がってないのに仲が良いんですね。羨ましいです。」
どうやらこの子も訳ありらしい。
「セレンさん、レナ。私たちの話聞いてくれますか?」
「何で私だけ呼び捨てなのリザ?」
レナの不満は置いといて、話を進めるために私は首を縦に振るのでした。
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