第47話 謝罪と拷問
席に着いた途端、最初にシュウラが頭を下げて謝罪してきた。
「ごめんなさい!私がもっとしっかりとアイツを監視してれば……」
「ちょっ!なによいきなり!?」
私はシュウラに頭を上げさせて理由を聞く事にした。
「そ、そうね……順を追って話すわ。まず2人を呼んだのは新結婚法案の話よ。」
「5年前のですね?」
「そう。私が考えて、それを議論して法案を可決させればお姉様達の結婚式を国の祝義として行えるから。」
「シュウラそんな事を考えてたのね……ありがとう。」
妹にそんなサプライズをされてるとは思っていなかったので私はお礼しか言えなかった。だけどその顔が一変して怒りの顔へと変貌した。
「なのに、あのクソ野郎ったら私の法案を議題に上げるどころか提出すらしてないのが1月前に分かったの!それを問いただしたけど奴はシラを切るから他の議会に出席してる貴族達に聞いたの。そしたら本当にこの5年もの間誰も知らないという事だったの!」
なるほど……それはシュウラが怒るのも分かる気がする。この国は男が議会を進めて国の行く末を決めているからシュウラは入られない。だからこそシュウラの役目は国民を見て法律の立案や、王様の暴走の抑止力となる事が必要なのだ。
「そうなのね。でもよく話したわね。」
「そうね。最初は誤魔化してたけど。ちょっと痛めつけたらすぐに吐いたわ。」
「な、何をしたのですか?」
恐る恐る聞くレナ。足切り事件を知ってるからこそ怖くても聞いてしまう。私も気になる……
「簡単よ。これを使ったの。」
そう言って出されたのは1本の針だった。
「これで口を割ったの?」
「確かにチクッとして痛いですけどそのくらいでは……」
「そんな優しい事私はしませんよ。」
2週間前の回想……
シュウラは寝ているクラウドを地下の拷問室の椅子に縛りつけていた。椅子も地面と接着されてる為そう簡単には動かない仕組みだ。そうして目覚めたクラウドはシュウラを怯えた目で見て言った。
「シュウラ……僕は何もしていないぞ!なんでこんな事を……」
「そうね……でも少し違うわ。何もしてないじゃない。何もしなかったが正しいわよね?」
「……何の事だ?」
「私が5年前に提案した法案……なんでまだ提出していないのかしら?」
「し、したとも……だが否決されて……」
「なら何故私に一言申しつけてくれなかったのですか?不備が有れば解消してお渡ししたのに……」
「そ、それはすまなかった。だからこれを……」
「なんて言うとでも?」
「えっ……?」
その時いきなりシュウラの口調が変わった。
「こっちは全て知ってんのよ!いつまでシラを切るつもりかしら!?」
「な、何を言って……」
「議会に出てる貴族全員に聞きましたよ……新結婚法を議題に出された事がないと。初めて聞いたと言う者もいました。これはどう言う事かしら?」
「そ、それは新しく入った者もいるし、少し時間が経っているから知らない者が居ても不思議では……」
「まだシラを切るのですね……では、これを使って聞いてみましょうか?」
シュウラが出したのは1本の長い針だった。それをクラウドの指の爪と皮膚の間に当てがった。
「フッ……このくらいで……」
少し余裕の表情をしていたが次の瞬間部屋に絶叫がこだますることになる。
「えいっ!」
「ぎゃああああ!」
そうシュウラは始めからこうするために針を持ってきて来ていたのだ。
「これはいいですよーそんなに大きな仕掛けは要らないのに痛みはこの世のものとは思えないレベルらしいので……それで本当のこと話してくれますか?」
「わ、分かった言う……5年前に……俺はその法案を出してない……」
「へぇー……それは何故ですか?」
シュウラの目が据わっているがクラウドは脂汗をかきながら必死に舌を回した。
「僕を振ったセレンへの復讐だ。アイツが下手な芝居をしたおかげでお前と結婚してしまったんだ!その復讐をして何が悪い……」
「なるほどー、よーく分かりました……」
「だったら……」
「とりあえず罰として指全部に針を刺しますね。」
「へ?」
クラウドの顔は一瞬で白くなった。
「当たり前でしょ?身勝手な理由で法案を通さず、私に嘘を付き続けたのですから。腕が無くならなかっただけ良かったと思って下さいね。」
その後クラウドの指10本全てに針が生えたのだった。そしてクラウドの叫びが地下室に響き渡るが誰にも聞かれる事もなかった。
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