表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/83

第45話 思い出話

 ある日の夜の事です。今日はミスズさんは母様とお出かけ、イズミさん達も旅行中で、私とレナとリザの3人だけだ。


「ねぇ、改めて聞こうと思ったんですけどセレンさんとレナさんは結婚式は挙げてないのですか?」


 急にリザからそんな事を言われて私たちは固まってしまった。


「な、何よ急に⁉︎」

「いえ、少し気になって。同性でも結婚式出来るのかと……」


「なーに?リザにも恋人ができたの?」

「もぉーレナさん!からかわないで下さいよ!」


 この反応はいるらしい。私はレナを諌めつつリザにこう告げた。


「まだ法律も改正がされてないから出来ないのよ。形だけなら2人でやったけどね。」

「へぇー聞かせて貰えますか?」


 私はレナと顔を見合わせて頷いた。まぁ馴れ初めもそれなりにリザに話してるからいいだろう。






 5年前……私が20歳、レナが23歳の時の話だ。


「セレン様ー!」

「何よ?そんな甘ったるい声だして?」


「私たちって婦婦ですよね?」

「そうよ。何をいまさら?」


「でも、結婚式とか挙げてませんよ!私結婚式したいです!」

「……それもそうね。やりましょうか!2人で。」


「ええー、2人だけなんですか⁉︎」

「何よ?文句あるの?」


「ありますよ!こういうのはみんなに祝福されて……」

「言いたい事はわかるわよ。でもね……同性婚してるのは今は私たちだけ、法律もまだ整備されてないのよ。だから私たちの結婚式は教会では出来ないの。」


 改めて考えると私たちはとても異質な関係なのが分かってしまう。


「ぐぬぬ……でも……」

「そんな顔しないの。イズミさんとミスズさんとウチの母様とシュウラを呼びましょう。」


「はーい。セレン様がそれでよろしいのでしたら……」


 どこかまだ不満そうなレナにその理由を聞いてみる事にした。


「まだ不満なの?」

「だって……セレン様は王族なんですよ。本当なら国民全員から祝福されるべき存在なんですよ。それなのに……」


 どうやら私の事を思っての事らしい。全く可愛い嫁だ。なこで私は優しくレナの頭を撫でた。


「私はたくさんの人に見てもらうより、レナに見てほしいなー。」

「セレン様……」


「それにこんな可愛い嫁を他の人に私は見せたくないわ。こう見えて私は独占欲が強いのよ。」


「……そうですね!でしたら私もこんなカッコいいお嫁さんを独り占めにします!」


 そう言ってレナは私を強く抱きしめました。



 その後仕事が終わってから2人でレナにプロポーズされた花畑に行った。今から2人だけの結婚式をするのです。2人分のベールを持ってきてお互いに掛け合います。


「改めてやると恥ずかしいわね。」

「ですね……でもとても綺麗ですよ。セレン様!」


「ふふふ。ありがとう、レナもかわいいわよ。」

「むぅー……私の方が年上なのに……いつも子供扱いするんですね!」


「あら、こうやって頭撫でられてニコニコしてるのに?」

「そ、そんな事ないですよー……」


 無自覚なのか、めちゃくちゃニコニコして頬が緩んでて全く説得力が皆無でした。


「さぁ。レナこっち来て。」

「はい!」


 私は花畑の中心でレナに誓いの言葉を言います。


「レナ。あなたは生涯私の事を愛してくれる事を誓いますか?」

「誓います!」


「セレン様、あなたも生涯私の事を愛してくれる事を誓いますか?」

「誓います。」


 そうして私たちはあつい抱擁をしたあと誓いの口付けを交わすのでした。




「改めて話すと結構恥ずかしいわね。」

「そうですか?私はあの2人だけの結婚式楽しかったですよ?」


「そりゃー楽しかったわよ。でも他人に語るってなるとね……」


 リザを見ると顔が真っ赤だった。そこまで刺激的ではないはずだけど……まだ12歳のリザには早かった様だ。



「そ、それで法律は改正されたのですか?」

「「……」」


 リザの質問に2人してダンマリになった。なので私から告げた。


「まだよ。」

「えっ……?」


「まだなんですよねー……もう5年も経つのに国は何を考えてるのかしら?」

「そうね。これはおそらくあの王様から私への復讐じゃない?」


「復讐ですか?」

「どういう事ですか?」


 2人の頭に?が浮かんでいたので私は説明した。


「レナは知ってると思うけど、私があの王様を喫茶店で振ったでしょ?あれだけの恥を晒した挙句、シュウラに足まで取られた。逆恨みをしてもおかしくないわ。」


「そんな私情で国を回せるのですか?」

「回せるのよ。リザは分からないと思うけど王国は王様が全ての決定権を持つの。だから王様が後回しにしたいなら出来ちゃうのよ。」


「シュウラ様が何もしないのが1番怖いと思いますがね。私は……」


 レナがボソッと言った言葉……私もそう思っていた。あのシュウラが何もしないのは不自然な気もするのだけど。


「まぁ他にも改正すべき法律があるのでしょうから……期待せずに待つのがいいわよ。」


 その言葉に2人も頷くのでした。

 ここまで読んで頂きありがとうございます。

 久しぶりに投稿してます!その理由はなんとこちらの作品がなんと一二三大賞の一次選考に通ったからです。そのお祝いとして今回のお話を書かせて頂きました!


 そしてお話を読んでもらったと思うので言います。この話まだ続きます!

ですが見切り発進の為ストックがありません!なので出来上がり次第順次投稿としていきます。なのでブックマークがまだの方はブックマークをして次回をお待ち下さい!


 それではまた次回お会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ