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第36話 教育

 水遊びをした事で全身びしょ濡れである。もちろんこんな状態なので……


「何してるのよあんた達!」


 当然怒られる。イズミさんに……


「ごめんなさい!」

「もう!セレンさんがいてどうしてこうなるのよ!早くお風呂入ってきなさい!」


「はい!」

「はーい。」


 レナは全く反省の色が見えない。怒られなれているというのもやはりいけないと思う。


「リザちゃんはともかく!セレンちゃんとレナは後でお説教よ!」

「はい……」

「はーい!」


 全く反省してないレナ……図太いのかそれとも慣れてるのやら……どちらにしろ躾方を間違えてしまったと思ってしまう。


「あらあら、レナは反省してない様ね……」


 するとイズミさんの奥からミスズさんが出てくる。いつもの様に笑っていた。でも目は笑っていなかった。


「イズミにばかり任せてばかりもいけないわね……偶には私が教育しましょうかね……」


 物凄い圧だった……レナはというと特に何も感じてなかった。


「……そうね。偶には母様に任せましょうか。」


 と言う事で、私はイズミさんにめちゃくちゃ叱られた。そしてレナはその夜は帰って来なかったのでリザと一緒に眠る事になった。


 次の日の朝起きてもまだレナは帰って来ていなかった。なのでイズミさんにレナの事を聞いてみた。


「おはようございます。イズミさん。あの……」

「おはよ。レナの事でしょ?大丈夫よ。まだ教育中だから。」


 そうしてイズミさんは後ろの扉を指差した。なので私とリザは隣の部屋を覗いてみた。


「レナ、まだ寝ていいとは言っていませんよ?」

「もう許して下さい……」


 そこには正座して本の写経をしていた。その後ろには目が笑ってるのに物凄い圧を出してるミスズさんがいた……私はそっと扉を閉めるのでした。


「あの……あれは……」

「あれが母さんのお説教の仕方なのよ。落ち着きのないレナにはいい薬ね。」


(確かに……)


 私はそう思うとふとある事に気がつく。


「あの……もしかして……」

「ええ、昨日の夜からずっとよ。あと2冊はあるから今日は一日動けないかもね。」


「あはは……」


 私でも流石に可哀想に思ってしまうのでした。




「……はぁ……」

「元気ないですね。セレンお姉さん。」


「えっ?ええそうね。どうしたのかしらね?」


 リザに指摘されて実感してしまう。今の私は元気ではない。


「もしかしてレナお姉さんがいないから?」

「……ああそうか……私はレナがいなくて元気ないんだ。」


「やっぱりレナお姉さんがいないからなのね。やっぱり2人は仲良しさんだね!」

「……うん。仲良しだね!じゃあレナがお叱りを受けてる間は私たちが頑張りましょうか!」


「はい!」


 こうして今日はリザと2人で花の手入れをするのでした。



「い……痛い……足が……手が……」


 夜になってようやく解放されたレナは布団な上で悶えていた。


「しばらくは悪さ出来ないわね。」

「はい、しません……絶対に……」


 どうやら相当効いてる様だった。


「ふふふ。リザにも良い勉強になったみたいよ。」

「えっ?」


「悪い事したらレナみたいになるぞってね。」

「反面教師じゃないですか!」


「しーっ!リザはもう寝てるんだからね。」

「ご、ごめんなさい……」


 という事で小声で話していた。


「でも、今日はセレン様に会えなくて寂しかったなー」

「私も……」


「えっ?」

「私もレナと会えなくて寂しかった……」


「セレン様も……?」

「ええ、だから……」


「ん?」


 無防備なレナのくちびるに私はくちびるを重ねた。


「だから夜はレナとずっといるわ。寝かせないわよ。」

「リザちゃんいるから静かにだよね?」


 もちろん。そう言って私は再びレナのくちびるに口付けをするのでした。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。次回更新もお楽しみに!


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