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第35話 水遊び

「もうやめて!殺して!私を殺して!」

「いいじゃないですか、子供の頃の話なんですからー」


「笑いながら言っても説得力がないわよ!」


 レナに笑われてる。なんたる屈辱……母様の裏話はあるにはある。だけど言ったら後が怖い……でもこのまま負けっぱなしも……


「まだあってね、セレンとシュウラが喧嘩した時の話があるんだけど……」


(これ以上はつけあがらせてはならない。)


 そう思った私は切り札を切る事にした。


「お母様もありましたよね。昔外交中に、ひっ……!」

「セレン……その話を持ち出すという事はどういう事か分かってるわよね?」


 殺気の込められた声、優しい声なのに悪寒がしてしまう。絶対にこの話はダメな様だ。


「な、なんでもありません……ごめんなさい。」

「そう、ならいいわ。」


 結局戦わずして負けを認める結果になりました……




 言いたい事を言われて私が放心状態になった頃。母様は帰り支度を始めました。


「あら、帰ってしまうの?」

「ええ、まだやる事があるものだから。今度改めてゆっくり来ますわ。」


「またお待ちしてます。」

(2度と来ないでくれ……)


 不謹慎だが今の私にはこう思うくらいの権利はあると思う。



 母様が帰ってから私はふくれっつらで水撒きをしていた。


「セレン様ー、まだ怒ってるんですか?」

「当たり前でしょー!あんな恥を晒されるなんて……」


「良いじゃないですかー、私なんてセレン様よりも恥ずかしいところ見られてるんですし。」


(恥ずかしいという自覚はあったのね……)


「はぁ……まぁ怒っていても始まらないものね。でも、とりあえずレナは夜お仕置きよ!」

「えっ?なんでですかー⁉︎」


「レナがはやしたてたんでしょ!元凶はレナよ!」

「むぅー手加減して下さいよ。」


「レナの態度次第よ!」

「えぇー……」


 顔が少し青くなってしまったので少し手加減してやろうと思いました。


 そして話していたらリザがミスズさん達の手伝いから戻ってきた。


「セレンお姉さん。お手伝いありますか?」

「あら、向こうは大丈夫なの?」


「はい!お片付けも終わりました!」

「そうなのね。じゃあレナと水撒きをお願いしようかしら。私のジョウロを貸してあげるから。」


「ありがとうございます!」


 私はリザにジョウロを渡すと花たちに虫が付いていないかチェックを始めました。この時期は小さい虫が葉っぱの裏に付いてる事があるためしっかりと調べる。


 そして意外とレナは面倒見がいいのだ。そしてリザがいればサボる事はないから安心して任せられる……そう思っておりました……私の背中に水飛んでくるまでは!


「ひやっ!な、何⁉︎」

「あっ!ごめんなさい!」


「リザちゃん。何してたのかな?」

「あ……あの……ごめんなさい!」


「ふふふ。謝るのは悪いことをしてたのね?」

「レナお姉ちゃんがお水かけてくれて……そのあとレナお姉ちゃんにもかけていたらいつの間にか掛け合いに……」


「ふーん……そっか、正直に言えたから今日は許します。まぁ私も暑かったから涼しくなったわ。」

「ごめんなさい……」


 シュンっとしているリザに私は頭を撫でてあげた。


「もう怒ってないよ。ところでレナはどこに行ったかしら?」


「ええーっと水を止めに行くと言ってあっちに……」


 リザが指差すところにレナが隠れていた。


「リザちゃん。ホース貸して。」

「は、はい。」


 私はリザからホースを受け取るとレナに向かって走り出す。そしてレナもそれをみて逃げた!


「レナー!貴女も水浸しにしてあげる!」

「いやー!全身ずぶ濡れにされる!」


 もうこうなると遊ぶしかないのだ。私はリザにも水をかけるなどもはや水遊びになってしまう。

 まぁ偶にはこうやって遊ぶのも良いものだ。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。次回更新もお楽しみに!


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