第23話 わんぱくレナ
「いてて……酷い目に遭いました。」
レナはお尻をさすりながら馬車を降りていた。
「無自覚のレナにはこれからしっかりと教育しないといけないわね。」
「そんな〜」
まぁ好きな子に恥を欠かせたくないからの愛と思ってこれは諦めてもらうとしましょう。
こうして私たちは日常に戻ることになる……そう思っていました。
次の日、私とレナは花の手入れをしていました。
「レナ、そっちの水撒き終わった?」
「もう少しでーす。」
声のトーンが少し高い……という事は。私から死角になってる場所に行くとやっぱり水撒きをしながら水浴びしていたレナがいました。
「レ〜ナちゃん……どうやらかかしになりたい様ね……」
「え……えーと……えい!」
「きゃっ!」
レナはなんと私に水をかけてきたのだった。
「あ、暑いので少し水をかければ涼しくなるかと……」
「……うふふ……」
私が笑ってるのを見て安堵している様だけど……逆なんだよなー……
「そう……そんなに暑いの……」
「はい!」
「じゃあ川でカカシでもやってなさい!」
こうして私たちの追いかけっこが始まったのです。ここ最近のレナの暴走は分かってる。暑いのが苦手なのだ。去年もそうだったし……その為になるべく今年は涼しい所で作業している……いやさせていた。にも関わらずこの仕打ちしっかりと教育しなければならない。
「コラー!待ちなさいレナ!」
「いやー!かかしになりたくなーい!」
「約束破ったのは誰かしら?」
「ごめんなさい!」
謝りながらも逃げるレナ。でもそんなレナを捕まえたのは……
「コラ!レナ!」
「イヤーー!お姉ちゃん!」
「助かりました。イズミさん。ありがとうございます!」
「いえいえ、レナったらまた何かやらかしたのね。」
「ええ、サボって水遊びしていました。」
「へぇ〜そうなんだ〜これは母様にも叱ってもらわないとね〜」
「イヤー!ごめんなさい!」
この様子じゃ子供の育児など当分は無理だと思う私でした。そんな事を考えながらイズミさんと戻ろうとしていると微かに花壇の方から音が聞こえました。
「すいません。今何か聞こえませんでしたか?」
「えっ?特には聞こえなかったけど?ここら辺はヘビやタヌキなんかの野生動物もいるからそれじゃないかしら?」
確かにその可能性は大いにあり得る。だけどなんとなく嫌な予感がした為。レナをイズミさんに任せて私は花壇の方へ戻りました。するとそこには……
「子供……?」
そこにはボロボロの服を着ていた。子供がいたのでした。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
少し短いですが、キリが良いので投稿致しました。
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