第21話 旅は続く
私たちは村に帰ってきてなかった……それはレナのこんな発言から始まった。
「雪遊びしたい!」
「……⁉︎」
あまりに子供っぽい発言に私は思考が追いついていなかった。
「ごめん、レナ……もう一度いいかしら?」
「雪遊びしたい!」
どうやら幻聴ではないらしい……
「レナ……私たちもう20歳超えてるのよ?子供みたいな事言わないで帰るわよ。」
「…………ていっ!」
私は優しく諭しつつ前を向いて歩き始めるすると後ろから雪玉をぶつけられた。振り返るとレナが挑発的な顔をしていた。
「ふふふ……いい度胸ね……」
ここからは雪玉の投げ合いとなった。
「ていっ!ていっ!」
「レナ、そんなんじゃ、当たらないわよ。当てたいなら……こうしないとねっ!」
私はレナの体に向けて思い切り投げた。そしたらレナは右に避けた。
「セレン様も当てられてないですねー。」
ケラケラ笑うレナに私は続けて投げた。
「冷たいっ!」
すると1つがレナの体に当たった。
「レナはさっきから左右に上手く避けてたけど先回りしてその方向に投げちゃえば当たるのよー」
「ぐぬぬ……」
「さぁ、これで気が済んだでしょ?日が暮れる前に帰らないと帰れなくなるわよ。」
「……はーい」
そうして私たちは手を繋いで町へと引き返すのでした。
「レナのせいで服が濡れたじゃない。」
「セレン様も楽しんでたじゃないですかー?」
私たちは今部屋で着替えていた。理由は雪玉を投げ合ってお互い服が濡れたから脱いで乾かしていた。
「ぐぬぬ……レナ、こっちに来なさい。」
「な、なんでですか?」
「いいから、こっちに来なさい!」
たぶん叩かれると思ってるレナに対して私はレナを抱きしめた。そしてレナの耳元で囁く。
「寒いから近くにいなさい。」
「……はい……セレン様あったかいです。」
暖炉の火がパチパチと音を立てて燃えている中。私たちはそのままベットに入って眠るのだった。
「おはようございます。セレン様!」
「あら、おはよう。今日は早起きね。」
「またひとりぼっちになるのは嫌なので早く起きました!」
「昨日の事まだ根に持ってたのね……」
「どこに行くにも私はセレン様と一緒ですから!絶対に離しませんからね!」
「はいはい、明後日には帰らないといけないから今回はこの町で引き返すわよ。今日はお土産を買って、国境を越えるわよ!」
「はーい!」
こうして初めての2人での旅行を終えて帰ってきた。レナも満足していたので当分は大人しいだろうと思っていた。しかし3日後……
「今度は西の国に行きたいです!なんでも砂漠地帯で特殊な服や珍味が味わえるらしいですよ!」
「レナ……3日前に帰って来たばかりでしょうがー!」
私はレナのこめかみをぐりぐりするのでした。そして……
「次は南に行くって約束したでしょー!」
私もレナと行く旅行が好きです。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
これにてこのお話はおしまいです。新作も書き始めているので百合が好きな方は良かったらまた私の作品を読みに来てください!
それではここまでお付き合い頂きありがとうございました!次回作もお楽しみに!