17話 旅の計画
「セレン様!」
「まだよ。秋になったばかりじゃない!」
ここ最近毎日の如くレナは旅行の話をしてくる。
「だってー!」
「冬になるまで待ちなさい。私だって2人っきりで早く旅行に行きたいんだから。」
私もかなりレナに甘える様になったなーと思いつつ花の手入れをしていた。
「ムー……」
「第一、お金貯めておかないと旅先で遊べないでしょ?」
「分かってるけどー、でも毎日働き詰めですよ。たまには休みましょうよ。」
「まぁ、レナの言いたい事はわかるわよ。働き詰めは良くないわね。」
「そうですよ!だから近場でもいいのでどこか行きませんか?」
「はぁ……仕方ないわね。じゃあお昼から何処に行くか決めましょう。」
私はレナの根気に負けて了承してしまう。
「やったー!何処に行きますか?」
「それをお昼から決めるのよ。さぁ、朝食食べたら仕事するわよ。」
「はーい。」
とりあえず元気にはなった様だ。あとはイズミさん達にも相談して旅行中の段取りを決めなくてはならない。
その夜……
「旅行、いいじゃん。行ってきなさいよ!花の手入れはやっておくわ。」
「ええ、レナもセレンさんもここ半年遊びにも行かず花の手入れに売り買いと頑張っていたもの。偶には休まないと。」
いずみさんもミスズさんも簡単に了承してくれた事にほっとする私。
「それで何処に行くの?」
「北の国に行ってみようかと。本格的な冬になると帰りの馬車が来ない可能性もありますので。」
「やっぱりセレンさんは頼もしいわー、レナも見習いなさいよ!」
「はーい。」
完全に空返事をしてるレナにイズミさんはレナの頬を摘んだ。
「レナ、嬉しいのはわかるけど少しはまともに返事はしなさい。」
「ひゃい……」
「セレンさん、レナの教育もしっかりしてくださいね。」
「は、はい……」
(私の方が年下なんだけどなー……)
私も叱られたのでレナは後でお仕置きする事にした。
翌日からは朝からバタバタだ。
「レナ、荷物の整理お願い出来る?」
「はい!2日分の着替えでいいですか?」
「何言ってるのよ!1週間分よ!北の国に行くまで3日はかかるんだから2日分なら行く途中で帰宅する事になるわよ。」
こんなバタバタな準備の末、私たちは旅行に行くのだった。
そして出発の日……
「それでは行ってきます。」
「行ってきます!」
「はい、行ってらっしゃい。」
私たちはミスズさんに挨拶して馬車に乗り込んだ。行きはイズミさんに城下町まで送ってもらう事にした。ついでに贔屓にしてもらってる花屋さんにも納品を済ませるつもりだ。
「それじゃあ、お土産よろしくね。」
「「はい!」」
こうして私たちは北の国へと旅立つのでした。
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