第1話 わがまま姫と変な侍女
私はクレンセ王国の第一王女セレン。今は15歳である。白銀の長い髪と赤い瞳で、まるでお人形の様な人だと昔は言われてた。だが、今では私は世間からは悪女と名高い姫である。巷ではわがまま姫などと言われている。その理由はこれだ。
パチーン!
朝のお城に響き渡る清々しいビンタの音。もちろんしたのは私、されたのは侍女である。
「今日のお湯は熱すぎるわ!いつもと全然温度違うじゃない!」
「申し訳ございません!」
そう私は誰に対しても当たりが強かった、おまけに気に入らなければすぐに手を上げた。相手が男だろうと女だろうと。無論この時もほとんどの人が分からない温度の差である。そして私にはそれが分かる。だから怒ったのだ。
「全く!毎日やってる事じゃない!何で出来ないのよ!」
「申し訳ございません!」
ただただ謝る侍女に私は顎を持ち上げてもう一度ビンタした。しかし、せっかく持ってきて貰ったのでそのお湯は使わせてもらう。
「明日は気をつけなさい!」
「はい……」
そうして侍女は深々と頭を下げて顔を洗う為の洗面器を持って部屋を出ていった
(あー……あの子顔赤くしてた……ごめんなさい……)
そうして心の中で謝ってる私である。本当はこんな事したくない。でも婚約破棄される為なのだ。私は日々その目的の為に生きていた。
一方で先程の侍女はというと、廊下の端でうずくまっていた。
(今日も叩いて貰えた……嬉しい。)
そうこの侍女はセレンに叩かれて嬉しいのだ。なのでここ最近は他の人から代わってくれる様頼まれていた。
(あー、もっと叩いて!罵って!ゴミを見る様な目で私を見てくださいセレン様ー!)
「あの子また廊下の端でうずくまっていたわ……」
「可哀想に……あのわがまま姫にまた何かされたのね。」
その悶えてるのが泣いているのだとよく勘違いされていた。
「可哀想なら代わってあげたら?」
「嫌よ!嫁入り前の顔に傷なんて付けられたくないじゃない。」
そうそれでも自分可愛さに代わる者はいなかったのだ。
部屋に残ってた私はそんな事知らないで窓の外を見ていた。
(そういえば、あの侍女よく来るわね……)
私は顔を覚えるのは苦手だけどほぼ毎日来てくれていたら流石に覚える。何よりあんな綺麗な赤い髪は見ないのだ、加えて瞳の色も少し赤みがかっていた。それでいて肌は白く綺麗だった。
(まだ名前も知らないのよね……明日聞いてみようかしら。)
私は部屋の窓から空を眺めてあの侍女の事を考えていた。
翌朝、再び私のビンタがあの侍女の頬に飛んだ。
「今日は冷たいわよ!何考えてるの!」
「申し訳ありません……」
私は1つため息をついて昨日思ってたことを聞いた。
「はぁ……まぁいいわ。あなた名前は?」
「えっ?」
「名前よ名前、あなたの名前が知りたいの。」
私は少し不機嫌そうに尋ねた。侍女は少し怯んでいたが気を取り直して名乗ってくれた。
「私はレナと申します。自己紹介が遅れて申し訳ございません。」
「いいわよ。別に……あなたが毎朝来てくれてるから私も興味を持てたのだから……」
私の控えめな態度に少しキョトンとしたレナであった。そしてそんなレナの顔がとても可笑しく思えたのでした。
「レナ、あなたは明日から私専属の侍女ね。」
「えっ?そんな事勝手に決めてよろしいんですか?」
「いいわよ。ここ数ヶ月あなたともう1人しか来ていないじゃない。それでもあなたがほぼ毎日来てくれてる。ならあなたを私専属の侍女にした方が良くないかしら?」
「……確かにそうですが……でも、許可は下りるのですか?」
「任せなさい。侍女頭は私に借りが沢山あるからね!」
次の日からレナは私専属の侍女となった。いや、侍女頭を脅してそうして貰ったのだ。毎朝毎朝私を起こしに来ては温度が低いから、高いからと私にビンタされていた。でも2週間くらいするとそれもなくなった。
ただ……お茶を淹れる時にカップを割ったり、掃除の時に花瓶を倒したりとおっちょこちょいであった。ても仕事は真面目にやってるのが分かるので解雇にする気はさらさら無かった。
「今日はよく出来てるわね。」
「はい。ありがとうございます。」
ピッタリ私好みの温度にしてくる様になった。レナがどこか寂しそうにしてたのは気のせいだと思う。
「レナ少しいいかしら?」
「はい、なんでしょう?」
「今日は城下町に出かけるから付いてきて。」
「えっ……ええー!」
お城の中でレナの絶叫が響き渡った。
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そして、まだ最後まで書けてませんのでざまぁのダグは付けておりません。ですが一応微ざまぁも考えております。