第7話 設計
「神奈子様、なにしてるんですか?」 早苗は聞いた。
「駅の設計をしてるんだよ。」 神奈子は答えた。
「駅?ですか。」
「列車が止まる場所だよ。早苗がもってきた本に載ってるよ。この「鉄道大全」何でものってて便利だよ。」
「それでどこまですすんだんですか?」
「神社前の駅はできて、今は里のところの駅舎をどうしようか考えているところだよ。」
「何か案はあるのですか?」
「里のところは中央駅だからね。でかいのがいいと思って、これなんかいいと思うんだ。」
そう言うと神奈子は本を開いてある駅の写真のページを見せた。
「レンガ造りですか?東京駅?」
「外の世界の中央駅で大きいらしい。」
「外の世界にも幻想郷みたいな建物があったんですね。てっきりビルだらけだと思ってました。」
「それにこの上のところ「なつかしき三角屋根」と書いてあるだろう。なつかしきということは外の世界では幻想になっているということだ。」
「なるほど、幻想郷にぴったりですね!」早苗は感心して言った。
こうして駅の設計は完成し、いよいよ本格的な着工への準備を行うのだった。
一方、紅魔館では
「パチェ―、どう?」
レミリアが聞いた。咲夜も一緒である。
「だいぶいい感じよ。あとはこれ通りに車を出現させるだけ。」
「これ?」
「設計図よ。中世のヨーロッパの本を見返していたら見つけたわ。」
「まぁ、何を言っているのか分からないけど、とりあえずできそうなのね?」
「えぇ。だけど一つ問題があって、肝心の馬がいないのよ。」
「魔法でだせないの?」レミリアが不思議そうな顔をした。
「出せるけど、一から調教しないといけないのよ。そこで一つ頼みたいことがあるのだけど。」
「咲夜。」 レミリアが言った。
「はい、なんでございましょうか。」
「・・・まあ、咲夜でもいいわ。里で馬を扱ってる店と契約をして来てほしいのよ。できるかしら?明日でいいけど。」
「分かりました。では明日行ってまいります。」
「パチェが行ってきたら?」
レミリアが笑いながら言ったが、パチュリーは
「小悪魔を咲夜につけるわ。私は・・・やることがある。」
「やること、ねえ。」
幻想郷の梅の花が夕日に照らされて赤くなっていた。
今回は挿絵というか駅の全景をいれてみました。下手なのはご容赦ください。
話の中で出てくる、東京駅の「なつかしの三角屋根」というのは修復前の東京駅のことです。今は丸くなって三階建てになってますから。
次の話は明日投稿します。おたのしみに。