第5話 カリスマ社長
紅魔館。幻想郷の霧の湖の前に立つ紅い屋敷。
主がメイドを呼ぶ声がひびく。
「咲夜―。」
「はい、お嬢様。なんでございましょうか。」
レミリア・スカーレット紅魔館の主にしてカリスマ。吸血鬼。
そしてそのメイド十六夜 咲夜カリスマのわがままに付き合う。
咲夜は人間だが、時間を操る程度の能力を持つ。
「今日の守矢のあれ、よかったわね。」
レミリアは意味ありげに言った。
「はい、蒸気をだすあれですか?」
「咲夜。言いたいこと分かるわよね?」
「はい、お調べしておきます。」
「さあ、カリスマ社長とやらになるわよ。」
同じころ守谷神社では
「神奈子様、今日は大成功でしたね。」
早苗が夕食の片付けをしながら言った。
「ああ、でも本番はこれからだな。とりあえず会社を作らないとな。」
「会社?ですか。」
早苗が片付けを終え、手を拭きながら戻ってきた。
「店の延長みたいなもんさ。線路が完成して列車を運行できるようになったとしても、全部を河童に任せるわけにはいかないし、里の人間も使っていかないと。そのための会社だよ。」
神奈子は言った。
「つぶしたいくらい河童はいるのに、ですか?」
「河童たちは大規模な工事は出来ないんだよ。ほら、ダムの時も結局作れなかったじゃないか。」
神奈子たちは1度新しいエネルギー源としてダムを造ろうとしたことがあったのだが、その時は河童に協調性がなく一向に建設が進まず、白紙にもどしていた。
「たしかに、そうでしたね。では河童たちは何をするんですか?」
「あいつらには車両の整備や製作をしてもらおうと考えている。」
「なるほど。」
この後も2人の話し合いは翌日まで続いた。
2人があーだこーだ言っていたころ、
「咲夜~。どうだった?」
レミリアが聞いた。
「なかなか厳しいです。技術屋である河童はあちらが持っていますし、そもそも技術もありません。ですが、代わりに面白いものがあります。」
「ほう、あれをこえる何かがあるのかしら。」
「はい、というかこれはパチュリー様がご提案なされたことなのですが。」
「パチェが?」レミリアは疑問に思った。そこへパチュリーがやってきた。
「そうよ。私が言ったの。」
幻想郷の月が少し紅くなっているような気がした。
補足として、幻想郷において会社という考え方は元々存在していたけれど誰もしてこなかった。
という私の脳内設定です。一応載せておきます。
株式会社ではないです。
次の話は紅魔館での話がほとんどです。投稿は土曜日の予定です。おたのしみに。