第一章 出会い Beginning of The new Era 2
俺は、人々が争う戦場を散歩している。
「戦場」という部分に疑問を持ったと思うが本当に戦場を散歩している。散歩をしていて大丈夫かと思う人もいると思うが、まぁ問題ない。何故かというと、俺は悪魔で魔力を使い、潜伏している。だから、基本気付かれない。
潜伏などといった方法を使っているのは、悪魔が人間界の戦争に関わってはいけないからだ。悪魔の住む冥界と天使の住む天界のお偉いさん方が、冥界、天界、人間界の互いの戦争に干渉してはいけないという決まりを勝手に作った。破った場合、良くて追放、悪くて死刑。どのみち、俺らにはいいことなしだ。
それなのに、何故散歩しているのかというと、暇だったからだ。暇潰しで戦場を散歩するのはちょっとどうかと思うが、それ以外に思いつかなかったからだ。
戦場を歩いているといろんな奴に出会う。だが、ほとんどの奴は攻めて来た敵を憎み、戦争に負ける自国を恨み、両方に怒る。本当に見てらんねぇ。
そんなことを思いつつ、角を曲がった。
曲がった先には、三人の兵士がいた。何かを取り囲んでいた。よく見ると、それは一人の少年だった。
まだ幼い歳であろう少年の視線は、真っ直ぐに兵士を捕らえていた。しかし、その視線には怒りや恨み、憎しみなどの感情がとても小さかった。一目見た時、感じられなかったほどに。
しかし、兵士はそんなこともお構い無しに少年に銃を向ける。
それでも少年は、動かなかった。
兵士は引き金に指をかける。
俺は、頭で考えるよりも先に身体が動いていた。
銃声が響く。
かなり長くなる設定で書いております。
飽きずにお付き合いいただけたら幸いです。