雪を食べた日
初雪…。
一人で過ごしたクリスマスの、すぐ後のこと。
街は恋人同士が肩を寄せ合い、歩いていた。
私は、そんな中を一人で歩いている…。
家路に向かう途中に彼と付き合っていた頃、よく行った公園があった。
私は誰もいないその公園を横切って、近道をすることにした。
公園には一人ぼっちの子犬がいた。
私がしゃがんで手を差し出すと、子犬は尻尾を振って私へ寄って来た。
「ゴメンね…。何も持ってなくて…。」
差し出した手を舐める子犬に、私はそっと言った。
私は立ち上がり空を見上げ、顔いっぱいにSNOWシャワーを浴びてみた。
そして訳もなく笑った。
雪の結晶が口の中でそっと溶けた…。