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Clearth(クレアース)  作者: 有田舞式
10/11

Clearth 九、結末

 なんだ……これは……?

 ルキトは自分の手脚に絡みついた管がいつから付いていたのか全く身に覚えがない。

 ここに乗り込んだときには問題は無かったし、予想以上に早かったロード以外には不思議な点は何一つなかったはずだった。

 心配しなくていい。その言葉は後ろにいると思っていたリナではなく、前から聴こえた。

 リナの声にとりあえずの安堵をするもそれが何であるかは深く考えたくない。

『前回の訓練で奴らは光信号で俺たちの精神に干渉してきた。これはどう見ても同じ類に思えないか』

 仲間たちのやり取りを茫然と聞きながらルキトは生体管だらけになった手脚を眺めて戦慄する。最初から誤認識させられていたのだと知るのに軽く数分を要した。

 対策のために白黒になったフィルターを通して見えるその七色は薄気味悪くその輪を大きくしていく。

 そのとき、シャルの通信から怒号が飛ぶ。

『ちょっと! 逃げるな!』

 部隊の仲間の何組かが急速旋回して戦線を離脱し始めていた。それはレーダーからも確認できる。

 後衛にいるクレアラットの背後を通り過ぎたところでその全てがレーダーからロストした。

「嘘だろ……」

 愕然とした事実に当てられて部隊の士気が萎えていくのがわかる。後ろのクレアラットは文字通り壁でしかなかった。

 ルキトだけは仲間から通信を切っていたが、その絶望感はシャルの通信を通してでも伝わってきた。

『俺たちが倒せなくとも後衛にクレアラットがいる。なら、何も問題ないじゃないか』

『問題ないって……あんた、正気? 自分が死ぬとか思わないの?』

 機体が動く。クラスの中で最もカスタム数が多いジェイドの機体だった。

『ジェイド!』

 後ろを追うのはマルダとキキ、そしてログナスの4組だった。

 機体に施された様々な機構は訓練生の中でも彼ら以上の操縦士が存在しない証。それは安堵か憐憫か溜息にも似た声が節々から漏れ出ていた。

ただ一言、 頼む と。

彼らが動いて達成できなかった任務は存在していないと誰もが記憶している。

「ルキト。あの虹の輪の解析終わったよ」

 そんな英雄譚の一端を打ち消すようにモニター横に出て来たリナのプログラムをルキトは無言で開く。

「リナ、これは……」

 そのプログラムが起動した瞬間ルキトは反射的に機体を引こうとした。

 黒に浮かぶ虹色は光の屈折。波長の不可視化。見えないのではなく存在を完全にカモフラージュしている。重力さえも彼らは変質させながら移動していた。いやそれこそが彼らの最大の武器だった。

「こんなの……勝てるわけがない。……超音波レンズと温感レンズは?」

「無理だよ、ネオン亜粒子の微量な質量以外には物質として存在していない……ほとんど生物じゃないから。この敵はあくまで移動手段としてこの光子を生み出しているだけだと思う。だから、攻撃しなければこのままやり過ごせる」

「攻撃を、しない?」

『ちょっと、何か分かったの?』

 シャルだけはいつも通りだった。ルキトは意図的に切断されているマキリ個人の通信に気を取られながらも答えることにした。

「攻撃したらきっと大変なことになると思う……未知の情報体てきの可能性が高い……」

 そんなルキトの通信を知る由もないログナスがレーダー上で攻撃するのが見えた。

 光の輪に向かって剣を振る。しかしそれが触れることはない。代わりにログナスはその光の中で狂ったように剣を振り回し始めた。

『何をやっているログナス! リングてきはもうお前の後ろだ』

 全員の意識がログナスに向かう。

『マルダ、ジェイド。あの光はフォトンじゃない!』

 シャルの機内から伝わる声を最後に瞬間、ルキトのモニターが白に包まれた。

【信号途絶。異常物質を検知。重力場に異常が発生しています。――エラー。未知の現象】

 振動は機体を包みながらレーダー上に放射線状に拡散していく。

 白い霧が闇に溶けて消えていくのと同時に黒く染まったログナスの機体が中央に立っていた。

 その機体のデータを改めて測定して驚愕に声を震わせたのは仲間たちの誰かだった。

『あの機体から機獣と同じ反応が出ている……し、信じられん』

『ログナスが、機獣化した……」

『量子密度は?』

『変わっていないほぼ何も、ただ構成物質が一瞬のうちに変換されたとしか思えないデータを出している』

 シャルやルキトらよりもログナスの近くに居た3組はその変わり果てた機体よりも中にいたはずのログナスとそのサポーターをモニターしてさらに戦慄の声を上げた。

『……これがログナスだってのか?』

 全員に共通するモニターには消えた眼球と炭化した皮膚。そこにいたはずの影は跡形もなく変わり果てていた。

 それでいながらログナスには明確な敵意が宿っている。

 そう感じ得ることが出来たのはその黒い塊が不気味な咆哮を上げたからだった。地響きのような意味を持たない不快音。

『うわあああぁぁっ!』

 通信を切ることも忘れて発狂したマルダが叫びに任せて粒子砲を放つ。本来であれば躱せる距離ですらないにも関わらずログナスの機体はその砲撃を避けていた。可動できないはずの間接の動きに唖然と立ちすくむマルダは呆気なくログナスに背後を許す。

『はがっ、あが……ぁ』

 腰に突き刺さったログナスの黒剣は不気味な帯を纏いながら機体の表面を侵食していく。

 マルダは座席コックピットで仰け反るように天を仰ぐ。神経を機体と同調させているマルダはその背中の激痛に呻きを漏らしているようだった。

『早く神経接続を切れ!』

 機体の腹が黒煙と共に破裂し赤い油が飛散する。

 一瞬にして火の粉を散らし跡形もなく消えるマルダの機体。機獣であれば爆死するほどの威力がある爆発の中でログナスは平然と佇んでいた。


 ――――。


 モニタールームにいた訓練教官のレッドは額を手で覆った。

「……こんな機獣は見たことがない」

 その隣で白磁の頬にモニターの光を反射させているレンシア。

 肘掛けに置かれた小さな手がレッドの掌に覆われた。

「君があの場にいなくて本当に良かった……彼をオーバーブレインの犠牲にしても救える者はいなかっただろう」

 レンシアはそっとレッドの手の甲を撫でた。レンシアの手が動くたびにモニター越しの訓練生たちは消えて行くかのようである。

 機獣化したログナスの圧倒的な機体性能。生命と機械の融合を超越しつつあるそれは悪夢そのものだった。

 レンシアはそのモニターから視線を外してレッドの瞳を見つめ始める。

 それに気付いたレッドは癖毛の頭を振って戸惑いを見せた。

「戦うつもりなのか?」

 頷くレンシアにレッドは喪失感と矜持を順番に見せて最後に微笑を浮かべた。

「……俺たちに出来ることならばやらなければならない、か……」


 ――。


 母艦から飛び出したレッドの機体は円錐状に可変すると一瞬でトップスピードに到達する。

【該当の権限がありません。帰還してください】

 警告音に急かされるようにレッドはスロットルを最大にする。神経接続された機体は瞬時にそれを反映した。

 レッドたちがその場に到着した頃には100以上あった機体、それがわずか18機となっていた。

『……』

  ちん入者が歓迎されるわけもなく、レーダーに味方の機影として映るレッドたちは後方にいたクレアラット部隊から躊躇いなく銃口を向けられる。

『おい、カルヴァスだな。何の権限があってここまで来た』

『その言葉そっくりそのまま返す。お前らこそ何の権限で待機する』

『愚問だ』

 男の顔がモニターに映ると醜悪な微笑を浮かべてレッドに笑いかけた。

『あの機獣を倒すためにここに来た。しかし訓練生とやらが先にいた。であれば、彼らを使うのは当然だろう』

『使う? 大半は死んだ。同胞クレアーズが死んだんだぞ』

 モニター越しに笑い声と失笑が飛び交う。

『何を言っている? 我々はクレアーズの中でもクレアラットという上位者。であれば彼らクレアーズが何のために存在するか、お前は考えたこともないのか。役目と存在価値を持てる彼らは幸せ者ではないか』

 レッドはしばらく言葉を失った。

【レッド、彼らの言っていることはクレアーズの公平性を著しく欠くもの。彼らの使命は母艦であるクレアースの守護であり、我々全ての人間が対象。彼らは矛盾している】

 レンシアの機械音声こえに押されるようにしてレッドは口を開く。


『俺たちの使命はどうした? 彼らを見殺しにして何がクレアラットだ。それが人の上に立つ者の姿か?』

 その言葉の持つ力はモニター越しに映る操縦者たちの表情を見ればあまりにも弱いことが窺えた。

『見解の相違だな。今回の機獣、尋常ではない。まともにやれば我々にも甚大な被害が出る。同じ犠牲ならば、より劣悪なものを捨て良質なものを残すのは理に適っている』


 話の最中にもレーダーから刻一刻と信号が途絶えていく。彼らより後方に逃げる戦意喪失者は彼らが排除していた。

『精神的にも各機限界です。残り3機……お願いします、助けてください……』

 何処かから状況を淡々と記録するサポーターの声がした直後、レッドは叫び声を荒げてスロットルを解放する。


『血迷ったかカルヴァス!』


『俺はお前がいつか我々の部隊を乱す存在だと確信していたぞ』


『馬鹿が、上位の我々が生き残るためのデータを取っていることがそんなに不満か』


 数々の罵倒を受けながらカルヴァスの機体はクレアラット部隊の陣を縫うように突き進む。

 部隊の包囲網を抜けると訓練生の3機の通信がレッドの機内にも流れ込んでくる。


『まだだ、後23合で完全予測コンプリートできる!』

『もう無理よ! 私とサリオットの2機だけじゃどうやっても23合も打ち合えない』

『ログナス機の双剣はとっくにエネルギー切れのはず、なぜだ……こちらにはもう武器もないぞ』

『オーバーブレインは後2分だ……くそ』

 その中にレッドは通信を飛ばした。


『俺にもデータを。後ろのクレアラット部隊が介入してくるまで出来るだけ時間を稼ぐ』


『レッド教官? なぜ――』


 言葉を待たずして交わされる激突と火花。オレンジに染まるスピアと黒の双剣は水色の軌跡を残すように火を散らして打ち合う。

 

 データが受信されるとレッドのモニターに敵の行動残影が先送りで見えるようになる。

 その確実性は実に82%に達していた。


『すごいな君たちは……もう敵のほぼ全てのアルゴリズムを掌握していたのか……』


 伸縮する腕や折れる胴体に鋭利化する足先。それらの多様な攻撃模様は一見すれば人体を模したログナス機には不合理な改造だった。

 しかし、ログナスという人物そのものの攻撃性を反映するようでもあり、獰猛で命を奪うことに忠実である。


 数多の訓練生は敗れたが、この3機に至ってはルキトを中心としての強い連携と生への執着がその命を引き延ばしていた。

 レッドも経験の差から細かい粗さが目につくものの、生き残った胆力だけは一流と認めざるを得ない。

 特にサポーターの適合率を落としても戦えているルキトについては異常としか形容する言葉がなかった。


『教官。俺たちにはエネルギー残量がもうほとんどありません。なぜ後方からの支援がないのですか、このままでは――』

『…………』


 レッドは絶え間ない迎撃の中でその言葉の意味するところを読み取った。

 自分たちは見殺しにされるのか、それとも助かる希望がまだ何かあるのかという意味も含む。


『恐らく、このデータと同じだ。完全に倒しきれると分かるまでは何もしないつもりなのだろう』

『わかりました……ありがとうございます』


 落ち着きに満ちた声とは裏腹にエネルギー反応が高まる。

 レッドの機体を抜き去る3機。

 黒と白の衝突。通信にはもう誰も意味のある言葉を発していなかった。

 その光景にレッドは息を呑む。


 ……彼らは何を考えているんだ?


 まともな判断であればレッドに迎撃を任せれば退いていても良いはずだった。しかしそれをしない。

 当然彼らに死の危険が迫ることは明白な事実で容赦なく機体は切断されていく。


 複合された動きの中でログナス機は初めて動きを止めて迎え打つということを強制されていた。なぜなら彼らの攻めそのものに息切れがなく、ログナス機にとっては大きく動くような必要性がないほどに反撃が容易だったからだ。


『なんだこれは……』


 思わず声に出して傍観するレッドはこの世のものではない何かを見ている心地だった。

 死ぬ気の捨て身とも生き残るための時間稼ぎとも違う。やみくもに捨て身となっているようにしか見えない攻撃の連打もその機体がゆっくりと分解されていくに従って彼らの持つ意志が明確になっていく。


 彼らはただ一矢報いたいだけ。矜持を保ちたいだけなのだ。


 そのためにあらゆる部位を捨てて攻撃をただ一度だけ当てようとしている。それも満身創痍とはほど遠い無傷の敵を相手にして。

 それに気がついたとき、レッドは彼らがどれほど今まで自分たちに誇りを持って生きてきたのかが分かったような気がした。


 彼らはその全員が持ちうる能力の全てを吐き出してそれでも生き残れないと知った。

 もう充分ではないのか?


【レッド、止めてあげて】


 レンシアの声に突き動かされ、レッドの槍が黒に刺さる。そう思ったも束の間、2本の剣で槍の先端を逸らされた。

 うまく逸らされたのだと知ると今度は剣での反撃に回避を余儀なくされる。


 レッドは最小限の動きでこれを完璧に回避するも全身がバネのように伸縮するログナス機はレッドの機体を事も無げに蹴り飛ばす。

 距離を取られれば攻撃するために近づかなければならない。それが直進であってはならないとレッドは経験則で理解出来ていたが、尚も攻撃を続けるルキトたちにあってそれは問題ではない。


 レッドは苦し紛れに叫ぶしかなかった。


『もうよせ! 殺されるぞッ!』


 誰も答えない。死を覚悟したか、あるいは生死の瀬戸際で激情に支配されているのか。

 どちらとも取れぬ叫びが再び響き、彼らの四肢は無残に漆黒を漂う瓦礫となる。


 真っ先に危険だと判断できたのは翼を持つサリオット機だった。出力エンジン部が火を噴き、オーバーヒートしている。


 このままではとレッドが思うと同時に推進力を失った機体は空中分解を始めた。格納されていたエネルギー動力部分に引火があったのは誰の目にも明らかな自滅。

 一瞬にして四方にその身を散らす。


 死を隣りにして残る2機は動きも気力もまったく衰えなかった。

 レッドもその愚行を止めるべく敵に前進するが、同時に忸怩していた。

 彼らに希望を見せれば命を投げ出さなかったかもしれないという後悔はレンシアの言葉によって泡となる。


【彼らはもう戦うことでしか精神を維持できていない】

「何故だ、彼らは俺に戦闘を任せていればいいだけのはず……」

【このデータを完成させるだけならそう、けれど彼らの失ったものに報いるのは彼ら自身の力で勝ち取るものでしかない】


 レッドがモニターから推察できたことはまずルキトのサポーターは既に絶命しているということだった。

 彼の知るレンシアの計画ではルキトの脳をリナの所有するオーバーブレイン装置に接続して部隊の練度を底上げする予定だった。しかしそれはリナによって阻止されている。

 その代償をレンシアに支払ったのは先刻承知している。よってサポーターの死は当然としてもその上で彼女、リナにルキトの命を守れるだけのポテンシャルがあったとするのならそれこそ彼女の隠された特質だったと言う他ない。

 画面を切りかえればもう1機は一見無事のように見える。

 それはシャルという名の操縦士が乗る機体だったが、よくよく見ればこの機体にまともに生きている人間は乗っていないことが分かる。それは彼女の精神がもう崩壊していることから分かることだ。


 袋で隠したナイフがどこにあるのかと頭を打ち付けて探していく狂気とでもいのうか。もともと神経特質という特殊な感覚を持つ人間は精神が極端に不安定であることはレッドもレンシアも知るところである。

 故にサポーターはその精神面を補う必要性を強く迫られるが、それはシャルという1人つの個体に拘るものでは到底ない。

 クレアラット部隊にオリジナルの神経特質者が1人も存在しないことを見れば分かるとおり、マキリというサポーターにはやがて2つの選択が待っている。


 1つは、シャルという外殻だけの人間を何度も取り替えるクレアラット、いわゆる人形使いになるか、もう1つはサポーター自らが死を選ぶことで選択を放棄することである。


 サポーターがこれをどちらも選択しなかった場合、このように操縦士は遅かれ早かれ戦場で精神を摩耗しやがて自我が崩壊する。

 つまり、サポーターがこれを無理に補い戦闘を続行する場合は自らの脳幹信号を差し出しシャルの自律神経を補完するしかない。もちろんサポーターは相手の脳の一部となるため絶命する。


 またそうすることでしか、錯乱状態において敵にのみターゲットすることは不可能である。

 そのためのサーキットが破格の値段で存在するが、本来用途は機体外での使用にあるためレッドは詳しく知らない。


『23合完了。クレアラット、オブリビア。オーバーブレインコンプリート。必殺できます、シェア開始――33%』


 どこかで聞き覚えのある声が響くと不動のレーダーが動き始める。


『シェア完了。撃滅には散弾粒子分解砲ニュータルスαを使用。撃滅状況への逆算シミュレート開始――完了。各機、チャンネリング同期……コマンドアクティブ』


『『コマンドアクティブ』』


 計20機近くがログナス機を囲い始める。

 ログナス機はシャルの機体に沈黙の刃を突き立てていた。

 シャルは機体が静止した意味を理解できずに茫然とその刃の壁にマキリの空席を知る。

 頭上に現れた巨大な闇の壁はシャルに黒い血と肉の雨を降らせていた。


『……いやあああぁぁぁ――』


『プロスペクトアクティブ(予測行動)開始』


 らせん状に接近する機体の数にログナス機は危険を察知してその場を逃れようとする。

 その先に読んでいた光線が飛ぶ。芯を捉えた一発目はログナス機の不意をついたものではなかった。上体が魚のようにうねり流れるように躱す。


 そこへタイミングを図った追撃が上部から真芯を捉える。

 回避するため機体の顎が逸れるとその動きが予測通りにモニターされる。90度角の連射はログナス機をその場に回転させるように留まらせることに成功した。


『ここだぁ』


 途端に気の抜けた軽い口調でログナス機に宛がわれたレーザーサーベルは黒剣で受け止められるもその一瞬を突いた光が背後に現れる。

 その砲撃はどのような探知をもっても回避を許さないまま照射された物質の重力を奪う。重さを失った機体の構造物質は一瞬時を止めたように静止した後、全てが1つの陽子から中性子となる。


 重力を一時的に奪われたことでガス状に変化したログナス機は跡形もなく霧散していった。




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