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仄暗い背景シリーズ

優しくない優しさの話

作者: 望月 暁生

初回掲載:2011/03/29 改稿:2016/08/12

トラブって悩んだりしてた時のことを思い返して作ったもの。

 

 




「あなたが泣くと、僕は悲しい……」



 残酷な言葉だと思った。


 私が私であるために、この人は胸を痛めているのだと言う……私は泣くことも許されない。

 ただ 悲しみを吐き出してしまいたかっただけなのに。あなたは遮ろうとする……


 あなたとは分かり合えないのかしら……

 あなたとは譲り合えないのかしら……

 あなたと私は……並んで歩くことすら適わないの?






「私の気持ちは、あなたには分からない」



 残酷な言葉だと思った。


 これは拒絶……何者をも寄せ付けない、全てを打ち消す不変の気持ちのあらわれだ。

 僕はただ、あなたの役に立ちたかっただけなのに……


 あなたの支えになりたかった……

 あなたの傷を癒やしてあげたかった……

 あなたに力添えしたい……それさえも不要だと言うの?






「……すみません」

「……ごめんなさい」


(無理言ってすまない……)

(勝手言ってごめんね……)


『……ありがとう』






 どうして僕らはすれ違ってしまうのだろう。

 どうして私たちは傷付け合ってしまうのか。


 大切な、この人と……

 共に在りたいだけなのに。






「ありがとう」 そして 「ごめん」




 その合い言葉は『防波堤』


 まだ間に合うのなら——失うまえに切り出そう。





自分にとっての優しさが、相手には労りと伝わらないことがある。

誰かの為にとしたことが、プラスにばかり働くとは限らない。

他者への気配りが、迷惑でしかないこともある。

ある人が感じる御節介が、別の人にとっては親切であったり。

白と黒は明確でも、グレーの程度は無限大で。


だったら……

正しいか正しくないかも人それぞれ、良くも悪くも可能性は限りない。

真実が一つではないことは、すでに世の中が示している。


結局は 自分がどうしたいか と、相手が何を望んでいるか ……そこから始まる。



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