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歌詞集

それはスローモーション

作者: 朝永有

ここでお別れだ

情けの雨が降っても

洗い流すものなど

残っていないのに


3番線に響く

アナウンスで着いた

電車は悲鳴をあげて

所定の位置に止まる


降りてくる人

乗り込む人

全ての流れが

スローモーションに映る


アスファルトを叩く音

僕はそこに紛れ込む

全てのことに背を向けて

乗り込むその一歩で

守られていたことを

雨に濡れて知ったよ


肩に着いた雨粒を

手で払って席に座る

壁にもたれかかって

ただ時間を持て余す


見慣れた月

知らない景色

全ての流れが

スローモーションに映る


等間隔で揺れる音

僕はそれに身を委ねる

行く先さえ決めないで

停車するアナウンスが

車内に響き渡って

居場所はどこにある


目と目が合う

行き交う人

全ての瞬間が

スローモーションに映る


列車は悲鳴を上げながら

僕たちを揺らして進む

全てを置き去りにして

窓に打ち付けられる雨粒

濡れることのない体で

今も守られ続けていると

気づいたよ

読んで頂き、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ゆっくりと動き始める列車が目に浮かんでくるようでした。 ご両親のもとを離れる時の気持ちや景色なのでは、と想像していました。
[一言] 時間の流れは時に遅くも早くも感じますよね そんな感じなのでしょうか? 別れは不思議な気持ちになりますよね
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