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第7話 ・・・・・・

タイトルが浮かばない!w浮かび次第編集します。

そして進行が遅すぎるw

「うむ~……」

 アリシヤード王宮、王の間。その玉座にて唸る男がいた。


(いったい此度は何が起きているのだ……? 長い歴史の中でも最初に胸に龍院を刻むものが現れてから5年を要しても8人しか現れたことがないはずが、此度は3年足らずですでに9人目……)


「陛下。よろしいでしょうか?」

「ん? ああ、ダルクか。どうした? まさか10人目が現れたとかいうのではあるまいな?」

 陛下と呼ばれた男は腰に刀身が真っ赤に染まった剣を腰に差した男に冗談めかしく尋ねる。


「……はい。その通りでございます。たった今、受付いたマリアより報告がありました」

「なにっ!?」

 男の予想外の返答に驚愕する陛下。


(ばかな……。一体全体何が起こっている!? 10人目ということは今日入門した者のどちらかは初めて目にする力を持っている。昨年の白龍のように。だがなぜだ? なぜ今まで一度も現れたことのない2体がこうもあっさりと揃うのだ? ……いや、私が悩んだところで無意味か……)


「ダルク。マリアに今日入門した2名を第一闘技場へ集めさせよ。まず力を見たい。立会人はお前に任せる。それとサーシャとセシミア・レーニルにも観戦室に来るように伝えておけ。私もすぐに行く」


「はっ!」

 陛下にそう指示された男はその場を速やかに後にする。


「……これで東のサンガルに金、赤、地。西のハーバーの銀、青、紫。そして我がアリシヤードの白、氷、と、今日来た2名に宿る龍。数だけは一通り揃ったか……。あとはその者たちが真の神龍の使い手となってくれることを願うばかりだな……」


(しかしここ近年、まったくと言っていいほど邪龍が現れておらんことも気になる。あまりにも不気味だ……。何も起きなければいいのだが)

 陛下は喜ばしいはずにも関わらず、現状のあまりの不気味さに終始、頭を抱え第一闘技場へと向かっていった。


                  ◆◆◆◆◆◆



『フ、まさかお前が素直に指示に従うとはな』 

 クロが笑みの窺える口調で答えた。


 マヤトは入門したのち、自分に用意された部屋へとおもむいた。そして室内を確認している途中で妙な反応を見せると、再び外へ出て、こうして街の地図版を眺めている。


(第一闘技場に来い、か。ふん、仕方ないだろ。来て早々の指示を無視してみろ。後々が面倒だろうが。最初だけしたがってほっといてくれとでも言っておけばそれで済む。おれはなれ合うつもりはない。それがあの女でもな。……それにしても風を使って特定の者に音を運ぶか、便利なもんだな)


「あの、ちょっといいかな?」

 マヤトがクロへの返答を済ませると横からそんな声が聞こえる。

 マヤトは静かに声の先を見据えた。


(うわっ……このひと外見と違って眼だけなんだか恐いよ~……うう)

「き、きみも今日ここへ来た人? その、僕たちもなんだ。ほんとは昨日が誕生日だったんだけど……」


 明らかにマヤトの視線に畏怖した気の弱そうな、細身の少年。

 まあマヤトも身体付きだけならさほど変わらないが、その視線を浴びてしまえば華奢などといえるはずもない。

(こんな気弱そうなやつがおれなんかによく声を掛けられたな。まあ龍気は消してるから横からじゃ判断できないか)

「何か用か?」

 マヤトは少年を一見し、威嚇と言われても致し方ないだろう口調で問う。


「あ、いやその……、僕はルルーク・ランド。それと――。ほ、ほらナナリィ。頑張って声掛けたのにナナリィが出て来ないでどうするの!?」

 少年は自らの名を名乗ったあと、首をひねって後ろへ向けひそひそと誰かに声をかけている。


 そしてルルークという少年に言われ、ゆっくりマヤトの視界に現れたのは、クローバーのヘアピンをアクセントにした橙色の髪の小柄な少女。


「あああああの! なななナナリード・ランドです!」

 名を名乗っただけにもかかわらずなぜか赤面し、呂律ろれつのおぼつかない少女。


「なんでそんなに噛み噛みなのナナリィ……。自分が話したいって言ったんじゃないか」

 ナナリードと名乗った少女に呆れ口調で突っ込むルルーク。


「ちょっ! ルル! なんでいきなりそういうこと言っちゃうのよ!」

 ルルークの発した言葉にさらに顔を赤く染めながら慌てたように詰め寄るナナリィ。


 ナナリィという少女はどうも恥ずかしがっている様子に見えた。ただそれは普通の者が見ればの話だ。当然、マヤトがあれこれ思うはずもなく――。


「おい。悪いがおれはあんたらの無駄話を聞いている暇はない。用がないなら行かせてもらうぞ」

 マヤトはそういうと踵を返して歩き出す。第一闘技場を目指して。

 そんなマヤトを見てナナリィが「あっ……」と背を向けたマヤトへ手を伸ばそうとするが呼び止めるまでにはいかなかった。


「もう! ルルが変なこと言うから絶対おかしな女に見えたじゃない!」

「ええっ! ぼ、ぼくの所為なの?」

 ナナリィの怒り口調に慌てるルル。


「当たり前でしょ! だいたいなんで名前くらい聞きだしてくれなかったのよ! まったく、しっかりしなさいよ! 一応兄なんでしょ! 今度会ったらちゃんと聞いてよね!」


 ルルが兄ということはナナリィは妹ということになるのか。どうやら双子の兄妹らしい。

 ただ、はたから見ればどちらが上か勘違いすることは間違いないだろう。

 

「ひどっ! ぼくだって最初は大丈夫だと思ったんだよ。でも眼を見たらそれどころじゃなくなっちゃって……。それにナナリィには悪いけどあの人、ちっとも僕たちに興味なさそうだったよ?」


「ふ、ふん! そんなことルルに言われなくてもわかってるわよ。ああ、私はもうあの瞳が忘れられないわ。あのミステリアスな瞳の彼が私のハートに――」

ナナリィはそっぽを向いた後、マヤトが歩いて行った方を向きながら瞳を閉じ、鑑賞に浸るように、あるいは演劇のような様相で心の内を言葉にする。が、


「え? あれをミステリアスっていうのかな? ただ睨まれたようにしか見えなかったけど……?」


「うっ! いい、いいのよ! ルルには乙女心はわからないわ! って、ああっ! 私たちもこんなところでいつまでも話してる暇ないじゃないのよ! ああもう、第一闘技場ってどこなのよ!」

 ナナリィは苦し紛れのとっさの口調から一変し、慌てたように地図版を見る。


 ルルが「ここだね」と指をさすとその手を取って目的地へと慌てて走って行った。



はてさて。次回はいよいよマヤトに宿るクロの力、そのほかの龍の力も紹介できるかなと思います。

視点なんですが、マヤトから新キャラ2人にそのまま移りましたが変ではなかったでしょうか?


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