悪質な冗談
今回は早かったですけど短いです
「ただいまー、っと」
家はいつものように静かだが何かおかしい雰囲気に包まれている。フローリングの床に土足で上がった痕があったからだ。よくみてみるとそこらじゅう散らかっており、たんすなどの引き出しが開いたままになっている。
(空き巣か?)
茜は今日は学校がないとかでなにかない限りずっと家にいると言っていた。
ふと汚れている床から顔をあげ壁をみてみると刃物で切り裂かれたかのようなあと。
(まさか……茜!!)
靴をぬぎ捨ていそいで茜を探す。
リビングや茜の部屋など探したがどこにも姿はなかった。
そして見つけたのは台所だった。首を後ろから包丁で刺されており、頸動脈をきったのかそこらじゅう真っ赤な鮮血で染まっていた。
ガスの火もついておりまな板の上の野菜も切ったままになっているからつい先ほどまでのことなんだろう。
などと思っていたがあることに気づく。茜を中心に四方八方に飛び散る血があまりにも鮮やかすぎたのだ。たしかに動脈からでたのなら真っ赤なはずなのだ。そのうえ所々妙な固まりがある。
血は固まるので当たり前かもしれないがどうみてもこの状況でかたまるはずがない。
コンロ下の収納スペースの扉が開いておりそこにストックしてあった缶詰類の中でホールトマトだけがなくなっているのに気づく。
それを発見した諒哉はあきれたような目でうつぶせに倒れている茜をみる。すると何やら音楽のようなものが聞こえてきた。ダイニングテーブルの上に置かれている音楽プレーヤーからだった。
《家に帰ると――死んだふりをしてい……》
再生されていた音楽を停止させ、再び茜の方を見る。ふりかぶったと思ったらこちらを見てくすくす笑みを浮かべている茜にむかってビンタをかます。
「痛ッーい!!」
茜は思わず飛び上がり足をじたばたさせる。そして二言目が
「ひどい、ぶったな」「親父にもぶたれた、って痛ッ!!」
あまりにもひどいので二度目もある。
「二度もぶったな……」「あれ?お兄ちゃ……ん?」
これがすべて演技だと気づき安心しているのとは裏腹にだまされていたことに怒ってプルプル震えている諒哉を見ておびえている茜。
そんな様子を見てもためらう事もなくある決断をする。
「はぁ」「全部片づけるまで夕飯は抜きだーーっ!!」
「はいっー」
今日も垣原家は平和であった
始まり
の前編は今回で終了
次回から後編です
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