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『パラレルワールド』

作者: PureGano

「パラレルワールド」・・それは・・もう一人の自分が、もう一つの世界のどこかに存在しているという並行世界の理念。と、難しい番組で偉い人が言ってた。現在の化学力では「パラレルワールド」を行ききする事は出来ないという。もう一人の僕には会えないと言う。それは嘘だ。

何故なら僕は、毎日「パラレルワールド」の僕を見ているからだ。違う世界の僕は、僕が見張っている間は僕と同じ行動をする。何故かって?僕にきづかれたら困るからだ。向こうの僕は・・僕の事を監視していて、僕に見つかっていないときは僕と違う事をする。

 まだ・・・その違う事をしている僕を・・・・僕は見つけた事が無いけれど、きっとそうに違いない。だって僕が見ている間は、向こうの僕は僕から目を離さないんだから。

向こうの僕はきっと政府のスパイで、僕は僕に狙われている。向こうの僕はどこにでもいて、どこにもいないんだ。夕飯が近い時間になると僕は現れるんだ。僕がこの時間にサッカーをして汚れて帰ってくるのを向こうの僕は知っている。スパイだから。とっくに調べあげている。そしてお風呂に入る事を。でも僕は知ってる。向こうの僕は光に反応して現れるということを。僕は知ってる。暗闇が向こうの僕の弱点なんだ。きっと怖くて逃げ出しちゃうんだ。僕は毎日狙われている。向こうの僕は僕の油断した時を狙っているんだ。頭を洗う・・その瞬間を。だから僕はすぐに顔を上げるんだ。殺されない様に。そして僕と同じ顔で、僕と同じ声で・・・彼は言う。「おしかった…。」と。

 お風呂の電気を消すと彼は消える。だから僕は洗面所の電気も消すんだ。寝るときも。暗闇が僕の味方だから。そしてやっと眠りにつける。そしてまた明日から僕の戦いが始まるんだ。だから今日も早く寝る事にする。

良かった。パパ言うとおり今日も何も起こらなかった。


「おしかった…」


 お風呂で髪を洗う行為というのは何となく背後から気配を感じたりして怖い時がありますよね。僕は実際にお風呂のドアに姉が張り付いていた事もあり、凄く怖いです。

 では今回はそういう話、短いですが何となく理解できたでしょうか?要するに全ての元凶は男の子のパパです。子供を早く寝かしたいがために鏡の向こうには違う世界の男の子がいて、自分の子に『違う世界の男の子に狙われている』という嘘を教えたと言う訳です。勿論子供には効果絶大、お風呂場での恐怖は皆多少覚えるものですから。お風呂でいきなり電気が切れたときなんかは凄く怖いですよ。この作品の彼は完全にそれを信じきっていますね。

 貴方はこの子を馬鹿だと思いますか?純粋な子だと。…でも本当かもしれませんよ。何がって?鏡の向こうに違う自分がいてこちらの世界の貴方と入れ替わる事を望んでいる。って話。子供ってたまに確信をつく一言を発しますから。…さてちょっと考えてみて下さい。


最後に「おしかった」と言ったのは、

              一体どちらの男の子なんでしょうね?

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