死んだらどうなる…?
私は家にある包丁を手に取った。
自分の方に向けた瞬間。
『おい、なにやってるんだよ‼』
いきなり男の人が入ってきて私を止めた。涙を流しながらその人を見上げる。
彼は青柳賢。20歳の大学生。この人は私の家の隣に住んでいる人だ。
私の両親がいないときは良く面倒をみてくれていた、優しいお兄ちゃん。
4つも離れていてしっかりしている。
勉強もいつも教えてくれている。だけど、そんな優しいお兄ちゃん……今日はなんだか怖かった。
賢『なにをやってるんだ、まったく……呼んでも誰も返事しないから心配して来てみたら…何があったかしらないが自殺なんてすんな。わかったな。』
賢にぃ、久しぶりにみた怖い賢にぃ。
私は安心したのかお兄ちゃんに抱きついて大声で泣いた。
美和子「賢にぃちゃん、はなし…聞いてくれる……?」
賢『ああ、聞いてやる。ゆっくりでいいからな?』
ゆっくり、本当にゆっくり今までのこと全て話した。親に言えないことは全て賢にぃに言う。
みーちゃんと付き合うことになったことも、もちろん言った。
賢『そうか…。なあ、美和子。お前が死んだら悲しくなる人がいるんだぞ?俺だって、お母さんやお父さんや、その…みーちゃんってコも目が覚めて美和子がいなかったら寂しいんじゃないか?』
お兄ちゃんが熱く語っていた。
確かにお兄ちゃんの言うとおりかもしれない。死んだらみーちゃんと会えなくなるもんね……
美和子「そうだった、私はなにをバカな事してたんだろ‼お兄ちゃんありがとう、本当にありがとう!」
賢にぃは笑顔になった私の頭を優しく撫でてくれた。
しかし翌日から嫌な日々が始まる。
友達からメールがきた。
【みーちゃんを殺したって、ホント…?】
え………?